クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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WLTC

【新型アコード】エンジン始動時の振動がまったく感じられない秀逸なハイブリッドシステムの秘密とは

エンジン始動時に吸気バルブの遅閉じをすることで圧縮するエアを減らすのが振動減のポイント



2.0リッターエンジンとモーターを組み合わせ、基本的にはエンジンで発電しつつ、モーターで駆動。高速域などではエンジンダイレクト駆動モードも持つ「e:HEV」というハイブリッドシステムを搭載する新型アコード。その高速試乗において燃費性能をメインテーマにお話させていただいたのが、こちらの動画。

燃費を稼ぐポイントについては、本ブログエントリの後半で整理しますが、まずはエンジン始動時のNV(ノイズ&バイブレーション≒音振性能)が非常に高いレベルにあるという話から。ハイブリッドシステムの特性上、エンジンは回ったり、止まったりを繰り返すわけですが、始動時にまったくイヤな感じもなければ、違和感もなく、正直エンジンが始動したかどうかもわからないレベルの音振性能に仕上がっていたのは新型アコードのチャームポイント。この動画では、25秒あたりに「エンジンマウントやモーターによる振動の吸収では?」といった予測をしていますが、恥ずかしながらまったく外しておりました。

ホンダでは電子制御エンジンマウントを過去に採用して、エンジンに振動と逆位相に動かすことで音振を向上させたこともありますが、新型アコードについてはオーソドックスなマウントを使っているのだとか。では、どうやってエンジン始動時の振動を減らしているのか。その肝はバルブタイミングの制御にありというのです…。




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スズキ、マツダ、ヤマハ発動機の完成時検査における不正について

排ガス検査は1204秒を規定通りに走って、ミスが許されるのは累計2秒という厳しい世界(JC08モードの場合)

2018-08-13 (2)
※スズキ、報道発表より抜粋

日産とスバルが完成検査において不正事案があったことに伴い、各社があらためて調査したところスズキ、マツダ、ヤマハ発動機の3社において、完成車の抜き取り検査(排ガス測定)において不適切事案が見つかったとの報告・発表あり。



排ガス検査における不正というのは、モード測定において決まっている走らせ方に対して、ズレてしまった(トレースエラー)のにそれを有効なものとして処理したという問題。たとえばJC08モードでいえば1秒ごとにターゲット速度が厳密(時速で小数点1位の単位)で定められております(リンク先pdfの後半に一覧表あり)から、完璧にトレースするのは至難の業なわけです。計測時における許容範囲は±2.0km/hと一応は余裕を持っている状態とはいえ、ひとつの走行モード1204秒の中で、トレースエラーが認められているのは一回1秒未満、合計2秒までというのは、誰もができる試験ではないと容易に想像できるところ。今回の不正事案の対策として、エラーが出たときには自動的に試験をキャンセルするといった対応をとるようです(これまで、そうしていなかったことも驚きです)が、それによって完成検査における時間がかかってしまうと、最終的に現場にしわ寄せが集まり、けっして思うような結果にはならないのでは?と思ってみたり。

アクセル・ブレーキ操作だけでいいのであれば、国土交通省が船頭となって機械化することで、どこでも同じ条件で検査ができるようにするほうが建設的かと思ったりしつつ、そうなるとMTの検査が難しくなる上に、モード走行を行なう機械に合わせた制御プログラム(事実上のディフィートデバイス)が蔓延するという心配もあるので非現実的な妄想であります。とはいえ、スズキについては検査中の約半数がトレースエラーだったそうですから、自動化する意義はあるかもしれません(汗)


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精進します。
  




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