クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

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WEC

WECマシン・ポルシェ919ハイブリッドのステアリング、もはやホイール形状ではなく……

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ポルシェが、今シーズンのWECマシン「919ハイブリッド」が使っているステアリングの画像を公開しておりました。触れる機会などない機械ですから、せめて画像だけでもとマジマジと見ているのですが、それにしてもステアリング”ホイール”という言葉は、過去のものだなあと再確認させられる形状であります。

といいますか、もちろんメインの機能としては操舵なのでしょうが、ゲームコントローラのような色合い、そして背面に見えるシフト用パドルなど、多機能コントローラと表現するのが適切なのだろう、と思ってしまうのでありました。

実際、車両に取り付けると、液晶ディスプレイに各種情報が表示されるわけで、メーターパネルも兼ねているわけですし……。


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それにしても、こうした多機能なコントローラを高速走行中に安全・確実に操作できるというのが現代のドライバーに要求される能力だと思うと、ドライビングにおけるインテリジェンスという視点から見ていかないといけないのかもしれません。一方で、コンシューマ向け商品においては、逆にシンプル化させていくのが市場ニーズであって、レーシングとストリートの剥離はますます進んでいくのかどうか。

いろいろ考えさせられる、LMP1マシンのステアリング、でありました。


精進します。


F1マシンのステアリングホイール、今昔写真 : クルマのミライ~ 山本晋也のブログ~



ポルシェ・ワークス、ル・マンは16年ぶりのワークス参戦だった

耐久王「ポルシェ」に新時代始動というムービー、しかし思い出すのは……というエントリをあげたこともありましたが、2014年のル・マンの結果が出た段階で、ポルシェがあらためて、彼らのヘリテージを振り返る5分半のムービーが公開されていたのでした。

Porsche Heritage - The Spirit of Le Mans


Witness the history of Porsche and Le Mans 24 Hours through its priceless racing cars that are exhibited at the Porsche Museum in Stuttgart, Germany. Some clips were taken in Museum Depot that has never been shown to the public.

あらためて、ポルシェのル・マン(WEC的なイベント)の歴史を振り返ると、強さや速さと外観のリンクがわかりやすかった時代を駆け抜けてきたのだなあ、と再確認。

Porsche and long-distance racing


個人的にはスーパーカー・ブームの記憶もあってか、935に惹かれるのですが、たしかにル・マンで4度の勝利をもぎ取った956は機能美の好例といえる機能と外観でありましょう。

もっとも、956がわかりやすいと感じるのは、直感的には違和感を覚えるような造形に空力の正論があったり、パッケージのためには小さいエンジンを積むことが正義だったりする時代に適応できないロートルであることの再確認なのかもしれません……。


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ところで、ポルシェとル・マンの関係は切っても切れないというイメージもあるかもしれませんが、総合優勝を狙えるクラスでのワークス参戦は16年ぶりだったそうで、個人的には意外に思うくらい長いブランク。そして、16年前ということは、例の浮いてしまった911・GT1以来のワークスマシンということなのでしょう 。そして、21世紀になって最初のワークスマシンがハイブリッドという事実。いろいろ絡めたストーリーが描けそうな予感もありますが、しっかりとまとめるのは難しいそうでもあります、ハイ(汗)

ポルシェのLMP1マシン「919ハイブリッド」画像集

ポルシェのプレスサイトで、919ハイブリッド(WECマシン)の透視図やらエンジン単体やら、コース上では見ることのできない”中身”をアピールする画像がいくつか公開されていたので、メモ的に印象を添えてアップ。

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シャークフィンに目立つ「DMG MORI」のロゴ。



グローバル企業にとって、日系だの何だのといったルーツよりも、勝てるチームとのパートナーシップがアピールにつながる部分もあるよなあー、などと思うのでした。もちろん、平素のビジネスでの関係もあるわけでしょうが、ともかく日系のスポンサーが日系チームにつくという時代ではありません。


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フロント駆動モーター、A123のリチウムイオン電池、V4ターボエンジン(熱エネルギー回収ターボチャージャー付き)というパワートレイン。分類としてはパラレルハイブリッドAWDというわけ。バッテリーが巨大なのは時代を感じさせるところ。

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インホイールモーターの優位性もいわれるとことですが、空力やサスペンションの設計も考慮すると、コンパクトなシングルモーターで、ドライブシャフトで伝達するほうが、もろもとの自由度は高そうというのを実感する透視図。また、ポルシェはフライホイール方式のレーシングハイブリッドもチャレンジしていた記憶ありますが、今回の919ハイブリッドでは、もっともオーソドックスといえるリチウムイオン電池を使っているのは、手堅い設計という印象も受けるのでありました。

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昔のグループCなどは、巨大なエンジンを積んでいる印象もありましたが、最近はパワートレインの容量的な存在感を小さくするのがトレンドなのだなあ、と実感する透視図。


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そのエンジンは2.0リッターV型4気筒。シーズン前には狭角V4(オフセットした直4的なレイアウト)の可能性もいわれていたポルシェの4気筒ですが、イラストで見る限りバンク角は広めで、そのスペースに吸気系を収めるという設計思想となっている模様。

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空気抵抗に関するイメージイラストと思われますが、空気溜まりをなくし、スムースに表面を流し、後方の収束点を遠くに離すという定番のイメージでしょうか。

【動画リンク追加】

勝つ気満々といった感じのムービーです(汗) 


 

WEC公式アプリ、入れてみた

トヨタ連勝で、日本国内の一般ニュースでも扱いが大きくなりつつあるWEC(世界耐久選手権)。

先日のスパでの第二戦に合わせて、その公式アプリ(無料)を入れてみたのでした。

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生中継を見るには、シーズンパック2200円、一戦ごとなら500円の有料となりますが、ライブタイミングやニュースは無料で楽しめますし、日本語対応しているので、その点でも嬉しいといえるかも。

また、レースハイライトの動画も見ることができるので、次戦 ル・マン24の予習にもなりそう。そうそう、このアプリを入れたのはル・マンのためでもあります。まさか24時間、テレビやパソコンに張り付いてはいられませんし、外出先でもライブタイミングが確認できるだけで、24時間をいっしょに楽しめそう、と思ったからなのでした。

WEC公式サイトのトップページにアプリへのリンクが置いてあるので、気なる方はどうぞ。
http://www.fiawec.com/ 

ちなみに、Dailymotionの公式チャネルにアップされている、このようなハイライト映像がスマホでも楽しめるのでした。


Toyota Hybrid pulled out to overtake in the... 投稿者 fiawec

ポルシェ919ハイブリッドのプロモーションムービー萌え



In the LMP1-class of the FIA World Endurance Championship 2014, it is all about bringing optimal energy efficiency together with maximum performance. Take a look at our technology concept of the Porsche 919 Hybrid in this clip.

今季からWECにワークス参戦するポルシェのマシン「919ハイブリッド」のハイブリッドシステムについての解説的プロモーションムービー。

ハイブリッドの構成要素として紹介されている順に記すと、

エンジン部のエキゾーストを利用した熱発電
助手席部分に置かれたリチウムイオン電池
フロントを駆動するモーターと回生ブレーキ


という感じになりましょうか。

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駆動系をカテゴライズすると、リアはエンジン、フロントはモーターと完全にセパレートしたパラレルハイブリッドの4WD。パラレルハイブリッドの4WDというのは、ポルシェだけでなくトヨタ、アウディとLMP1マシンは同じカテゴリになるのですが、トヨタがリアの駆動でエンジンとモーターをミックス(フロントはモーターのみ)させているのと対照的というか、シンプルな感じがして、これが24時間での耐久性を考慮したものなのかどうか、気になるところではあります。モータースポーツ、結果がすべての世界ではありますが、各社アプローチの方向も気になるLMP1でありました。

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NSXはパノスのマネージメントでル・マンを目指す?

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土曜の夜、北米にて開発が進んでいるという次期NSXについて、実験的に続けているUstreamにてダラダラとつぶやいたのでありました。

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次期NSXのムック本などに寄稿したこともありますが、このニューモデルについては、かなり注目しております。しかし、その中身を知るほどに、考察するほどに、S-GTやF1(パワートレイン・サプライヤー)がいくらハイブリッド的といっても、このスーパースポーツには影響は少ないのではないかという懸念が湧いてくるのでした。

むしろ、狙うべきはWEC・LMP1クラス。そこにNSXのブランディングにつながりそうなマシンで参戦することが効果的なのではないかと思う次第。そんなこと、メーカーのマーケが考えていないわけはないのでLMP1へのエンジン供給にとどまらない関わりが不用と判断する理由があるのでしょう、おそらく。
 
Video streaming by Ustream

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2014年のトヨタLMP1、前後にモーターを置いたV8ガソリンエンジンのハイブリッドAWD。仮に、このクルマが結果を出し、そのイメージを受け継いだパワートレインを持つハイブリッド・スーパースポーツが登場したら……正直、似たようなレイアウトに見えるNSXはブランドとして厳しい状況になるのではないか? とも思ってしまうのです、ハイ。

しかし、LMP1のカスタマーエンジンとしてV6ツインターボのレーシングエンジンを持っているHPDだけに、いろいろ惜しい気がしてしまうのでありました。 

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