クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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SiC

ヒョンデのBEVが採用するインフィニオンの800V対応パワー半導体とは?

最大1200Vのブロック電圧を持つインフィニオンのSiCパワー半導体が現代自動車のBEVに採用されたと発表される

HybridPACK Drive CoolSiC

パワー半導体のトップメーカー、インフィニオンテクノロジーズが、電動車両のインバーター(パワーコントロールユニット)に欠かせないパワー半導体の新製品「HybridPACK™ Drive CoolSiC™ MOSFET」をローンチしたとの発表がありました。

そのアピールポイント引用すれば以下の通り。

電気自動車 (EV) のトラクション インバータ向けに最適化された 1200V のブロック電圧を持つフルブリッジ モジュールです。このパワーモジュールは、高電力密度および高性能アプリケーション向けの車載用 CoolSiC トレンチ MOSFET 技術をベースにしています。これにより、特に 800V のバッテリーシステムや大容量のバッテリーを搭載した車両において、より長い航続距離を可能にするインバータの高効率化とバッテリーコストの低減を実現します。

この新しいパワー半導体により、インバーター単体でのエネルギー消費量を69%も軽減することができ、800Vシステムで考えると従来のユニットと比較してシステム全体として7.6%も消費電力を減らせるのだとか。つまり、同じ航続距離をターゲットにするのであれば、それだけバッテリー搭載量を減らせるということになり車両全体としてのコストダウンにつながるというのが注目ポイント。

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デンソーは電動化時代のキーテクノロジーとなるSiCパワー半導体を量産化

トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」向けに量産開始。
SiC専用ブランド「REVOSIC」で世界にアピール

revosiclogo
201210_SiC power semiconductor wafer 

苦節10年といいますが、拙ブログ的にいうと2008年あたりから気にしてきていた車載用SiC半導体がついに量産開始との発表あり。簡単にいうと電力損失を大幅に低減できる半導体であって、つまり電動車両においては航続距離だったり、ハイブリッドでいえば燃費を伸ばす効果が期待できる次世代半導体。ずいぶん前から各社が開発してきたことは知られていて、すでにホンダのクラリティFCにはSiC半導体が搭載されている(量産モデルとして世界初)のは知られていましたが、このたび日本のメガサプライヤーであるデンソーがSiC半導体の量産化を始めたとの発表があったのでした。



車載用SiCダイオードについては、すでに燃料電池バス「TOYOTA SORA」に採用実績あり(2018年)ということですが、新たに車載用SiCトランジスタも開発したことで、デンソーとしては初めてSiCトランジスタとSiCダイオードの両方が量産車に搭載されるというのが価値あるニュースといったところでしょうか。

個人的には数年前から各種イベントで公開されるデンソーのSiC半導体の進捗状況をウォッチしてきたのもあって感無量であります(ちょっと大袈裟)



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量産へのカウントダウン? DENSOのSiC半導体を使ったインバータがお披露目

IMG_3714
人とくるまのテクノロジー展、記憶の範囲でいえば直近10年以上は足を運んでいるはずで、そうなると”ある技術”が、毎年のようにアップデートされてきている様を見ていることもあるのですが、そうしたひとつがデンソーブースのSiC半導体。これまでウエハのカタチでの展示が続いていましたが、2018年はついに製品(インバータのプロトタイプ)へと進化していたのでありました。2014年にトヨタが発表したSiC(シリコンカーバイド)半導体が徐々にカタチになってきた、というところでしょうか。

それにしても、各社が開発しているであろうロスの少ないSiC半導体ですが、今回の展示を見る限りトヨタグループがリードしているようで、電動化時代へのアドバンテージとして着々と歩を進めていると理解しておいてよさそうです。
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試作品として展示されていた両面直接冷却の2in1パワーモジュールの効率も気になるところ。当面はインバーターの冷却性能が、性能差を生み出すキーテクノロジーとなりそうなのでした……。
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精進します。
  




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トヨタのSiC半導体でハイブリッドカーの燃費が10%カイゼン?!



20140520_02

というわけで、SiC(シリコンカーバイド)半導体についての発表がトヨタからあり。

しかも、単体性能ではなく、パッケージとして10%性能をアップさせるというから驚き。具体的にはハイブリッドカーの燃費を10%カイゼンする可能性がある技術としてアピールされております。

その理由としてあげられているのが「発熱」で、スイッチオフしたときのテール電流が問題アリとのこと。内容についてはトヨタが公開している3分少々のムービーが一目瞭然ですが、制御ユニットの発熱というのは電気自動車でも大事なポイントで回路の発熱が減る半導体というだけで、ハイブリッド・EV・PHVと電動車両全般のミライが明るくなってくる印象ではあります、ハイ。


そういえば、そのタイミングで当ブログにも『SiC(シリコンカーバイド)に注目!』などというエントリをあげておりました。あれから6年、確実に量産に向けて進化しているよう。こうなると、日産やホンダの現状が気になるところ。


各社、時折アピールしてきた技術ですから、トヨタが独占しているわけではなく、各社から情報が出てくるのでしょう、おそらく。といいますか、明日から横浜で始まる「人とくるまのテクノロジー展」でいろいろ見ることができそう。


そんなこんなで、餅は餅屋。半導体についてはロームのサイトでベンキョウしておこうと思う次第であります。


各所で発信しつつ、精進します。

 【追記】
先日開催された、人とくるまのテクノロジー展のデンソーブースにて撮影したSiC MOSFETの画像を追加です。まだまだ歩留まりも悪く、普及価格帯のモデルに使うには難しいというウワサもありますが、付加価値商品といえるレクサスあたりからの採用になるのでしょうか。

サイズ変更_MG_0619

なお、過去にロームとの共同研究を発表したホンダですが、やはりまだ市販車への搭載までは至っていない模様、という情報を某所で入手したのでありました。
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