クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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ホンダN-ONE RSのターボ+6MTのポテンシャルは?

N-ONE RSだけでしか味わえないロングストローク・ターボエンジン+6速MTのパフォーマンスを探る

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メーカー希望小売価格199万9800円、限りなく200万円に近い価格のホンダのセダン系 軽自動車N-ONE RSがいろいろな意味で話題となっております。たしかに最新世代S07B型ターボエンジンと6速MTの組み合わせというのは唯一のものですが、ひと世代前のS07A型ターボエンジン+6速MTのパワートレインを専用ミッドシップボディに積むホンダS660のエントリーグレードが203万1700円で設定されていることを考えると、ハードウェアの価値としてはS660に圧倒的軍配が上がるというのが個人的な感想だったり。

ちなみに、N-ONEが搭載するS07B型エンジンのボア×ストロークは60.0×77.6mm(S07A型は64.0×68.2mm)となっておりまして、圧縮比は9.8(S07A型は9.2)。最高出力47kW/6000rpm、最大トルク104Nm/2600rpmというスペックは両エンジン共通となっていますが、実際の乗り味では異なるであろうことは容易に想像できるのでした。









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軽自動車の新ベンチマーク。ホンダN-WGNは高まる期待を楽々と超えていく

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軽自動車の基準を変えるN-WGN、2019年8月の販売台数は6958台と好ダッシュを切った!
8月にフルモデルチェンジを果たしたホンダの新型N-WGN。その初期受注は2万台オーバーということですが、実際、8月の販売台数は6,958台でハイトワゴンではトップ3に入るポジションとなっております。新車効果があるとはいえ、お盆前の発表でお盆休み期間は販売店も休みだったことを考えると、このスタートダッシュは、なかなか好調といえるのでは?





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新型N-WGNに初乗り。ターボの燃費は本当によいよ

首都高と一般道で一時間のドライブ。燃費表示は19.5km/L
8月上旬にフルモデルチェンジを実施、発売されていた新しいホンダN-WGNにちょい乗り。プレーンで、どこかノスタルジックな雰囲気を持つルックスですが、その中身は最新版。停止まで対応したACCやオートホールド機構付きEPBなど充実した運転支援システムを標準装備としているのがセールスポイントでしょうか。パワートレインも、N-BOXがフルモデルチェンジで採用した第二世代のS07系エンジンとCVTにアップデートされておりますし、CVTの制御はさらに熟成しているという自信作とのこと。
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というわけで、いろいろ見方があるでしょうが、初乗りで驚いたのはその燃費性能。カスタムのFF・ターボはカタログ値が21.2km/L(WLTCモード)と、FF・NAの23.2km/Lとさほど変わらないのにも驚きですが、実際に走行したときの燃費計の数字に乖離がないのに驚かされたのでした。


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電動アクチュエーターを持つN-BOXのターボチャージャー、サプライヤーは?

新型N-BOXのターボエンジン、ターボチャージャーのサプライヤーは?

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新型N-BOXでは、軽自動車として初めてVTEC(可変バルブリフト・タイミング機構)を装備したNAエンジンの注目度が高いようでありますが、ターボエンジンについても電動アクチュエーターの採用がニュース。リリースなどでは「電動ウエストゲート」としているようですが、従来のアクチュエーターの作動が圧力によっているのを電動タイプとしているので、個人的には電動アクチュエーターと呼んでおります。

それはさておき、この電動アクチュエーターでありますが、最近のホンダ・ターボエンジンではお約束となっているアイテムで、ステップワゴンなどの1.5リッターターボ、タイプRの2.0リッターターボなど採用例は多数。電動化によりブースト制御の自由度とレスポンスが向上するのがメリットで、ソレノイドバルブとアクチュエーターの組み合わせより有利なのは、容易に想像できるところで、その採用が軽自動車にまで及んだのは自然な流れでありましょう。

ところで、1.5リッターターボが使っている電動アクチュエーター付きターボチャージャーのサプライヤーがMHI(三菱重工)であることは実車にて確認済み。NSXについても、三菱重工の電動アクチュエーター付きTD04ターボチャージャーであると、ほぼ特定しているのですが、新型N-BOXが搭載するS07B型エンジンに組み合わされているターボチャージャーのサプライヤーは現時点では不明。

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覗き込んだところTDらしい雰囲気を持っていると思うのですが、しっかりと裏は取れていない状況であります。ちなみに、先代N-BOXのターボエンジンではIHI製ターボチャージャーを使用していたと記憶しておりますが、S660でMHIにスイッチした経緯もあります。電動アクチュエーターということもあり、MHIという先入観があるのかもしれません、あしからず(汗)

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ホンダの新型N-BOX、ターボにするか、NAにするか。

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新しいVTECエンジンは一人乗車であれば不満なし。ターボよりリニアリティも優位
スタイリングイメージこそ継承しておりますが、すべてが一新された新型N-BOX。なかでも驚いたのは自然吸気(NA)エンジンの出来栄え。軽自動車初搭載したことが話題のVTECをハイカムゾーンに入れなくとも十分にパワフルで、なおかつCVTの制御も絶妙で、リニアリティに溢れる乗り味なのでした。

正直言って、軽自動車の、とくNAエンジン車において、いわゆる「ラバーバンドフィール」と呼ばれるのはCVTというよりもトルクコンバーターを滑らせることによるトルク増幅で生まれている部分が大きいと感じているのですが、新型N-BOXのNAエンジン車においてはトルコンを滑らせて駆動力を稼いでいる領域が狭いという感触。そのおかげでリニアリティにあふれるドライブフィールに感じるのです。

その点において、ターボエンジンではトルコンを滑らせてブーストを高める領域があるように感じられるため、NAエンジン車のほうがアクセルのよる加速感のコントロールが、よりダイレクトでアドバンテージを感じるわけです。しかも、市街地走行においてはNAエンジンの力不足を感じることもなく、全高の高いスーパーハイトワゴン級だからといって、「余裕のターボエンジンをおすすめ」という風には思わないのでありました。もっとも、最大トルクが104Nmのターボエンジンには絶対的な余裕があることは事実で、ターボの走りに慣れてしまうとNAに不足を感じるようになるのも、また事実でしょうけれども……。

ちなみに、ベンチシートの同等グレードでターボとNAを比較すると価格差は約20万円。これがエンジンの違いだけであればNAエンジン車の一択となりますが、じつはターボ車にはサイドカーテンエアバッグやアレルクリーンプラスシート、運転席側のパワースライドドアなどの装備が追加されております。

運転席側パワースライドドアとサイドエアバック・サイドカーテンエアバッグのセットオプションをつけると約10万円高となって、エンジンの価格差は10万円相当。150~170万円の車両での、この価格差をどのように評価するかは個人の考えによるでしょうが、工業製品として見比べるとターボに軍配が上がると思ってみたり。ただし、エコカー減税で取得税や重量税が軽減されるのはNAエンジン車だけで、トータルでの支払額を見ると、NAの優位性が高まるあたりも見逃せないのでした(汗)



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新型N-BOXのVTECエンジン、ハイレブ・スポーツユニットにするならば…

77.6mmのロングストロークで7300rpm、ピストン平均速度は18.9m/s

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新型N-BOXのNAグレードに積まれる新開発S07B型エンジンは、軽自動車初のVTECエンジンというだけでキャッチ―な存在でありますが、可変バルブタイミング・リフト機構に加えて、VTC(連続可変バルブタイミング機構)もインテーク側に備えているもので、ちょっと前ならi-VTECと呼ばれていたであろうヘッドを有している贅沢なエンジンなのでありました。

そんなS07B型エンジン、あらためてスペックを並べておくと次の通り。

ボア×ストローク 60.0×77.6mm
最高出力 43kW/7300rpm
最大トルク 65Nm/4800rpm

全体に高回転指向のエンジンといった印象であります。そして、もともと高回転へのニーズがないであろうN-BOXという車両の性格を考えると、こうした高回転指向はユニット自体の限界であるとは思えないのでした。つまり、機械としては、まだまだ高回転まで回す余地が残っているのではないかと思う次第。
とくにホンダのSシリーズといえば、S2000にロングストロークのエンジンを載せ、それを高回転まで使っていたのもアイコン的に記憶に残る部分で、S07B型エンジンをベースにスポーツユニットに進化させたものをNAのままS660に搭載することで、違うニーズを掘り起すことができるのでは? と思ってみたり。重量を考えると、ターボエンジンでなければ最低限のパフォーマンスを確保できないという見方もありましょうが、660㏄ターボだからといって余裕があるわけではなく、むしろNAでハイレブを楽しみたいというホンダファンもいるでしょう……。

そして、S2000といえばデビュー当時はF1並みの平均ピストンスピードであることも、オーナーの心を躍らせたという記憶あり。そのピストンスピードを最高出力の発生回転で計算すると、2.0リッターのS2000(AP1)で25.2m/s、2.2リッターになったAP2では23.5m/sあたりとなるわけです。

一方、新しいS07B型エンジンの平均ピストンスピードは18.9m/s。ひとまずクランク、コンロッドなどの強度を無視すれば、機械的にはまだまだ余裕はありそう。そこで仮に、もうちょっと回転を上げてみるとどうなるかを試算してみると、8000rpmで20.7m/s、9000rpmで22.8m/s。ピストンスピードだけでいうと決して無理な感じではありません。

回転数を稼いだからといって単純にパワーが増えるというわけではなく、フリクションが増すというネガもあるので、効率面からいうと高回転エンジンはナンセンスな面もあるわけですが、趣味性という面では「9000回転まで回る」というのはSシリーズにおいては強力な商品力になると妄想してみたりするのでした。もっとも、実際にはハイレブエンジンで環境性能を確保するむずかしさも出てくるのでしょうけれども(汗)




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