クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

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PSA

おそらく日本では見ることないであろうイタフラ系ビジネスバン動画

PSAのルートバンモデル「プジョー・ボクサー」と「シトロエン・ジャンパー」がリニューアルとのことで、アピールする各種PVが絶賛公開中。 

全長・4種類、全幅・3種類、ホイールベース・3タイプというボディを用意するバン。7名乗車が可能なグレードもあるそうで、日本でいうところのハイエース的なイメージでしょうか。

そんな「プジョー・ボクサー」と「シトロエン・ジャンパー」のPVからテストコースでのハードな内容をチョイスして、繰り返し見ていると、それなりに発見があって楽しめます。

おそらく日本でナマで見ることはないでしょうから、ムービーで楽しんでおこうと思う次第なのでした。





the new PEUGEOT Boxer, the brand offers business users a vehicle designed to meet their needs and demands. To ensure a high level of reliability and endurance, compatible with intensive use in service for the new PEUGEOT Boxer, more than 4 million kilometres (over 2 million miles) have been driven, in the most extreme conditions, covering full load, half load and empty situations, on all types of roads, including poor surfaces and mountainous areas.

 

The new Citroën Jumper boasts the top-level quality professionals expect, having been test driven over a distance of more than four million kilometres by specialised engineers.

もっとも、日本でも見覚えのあるシルエットなのは、元になっているフィアット・デュカートがキャンピングカーのベースとして、日本上陸しているからなのかもしれません。





ところで、リニューアルしたフロントマスク、グリルに最小限の変更を加えれば、欧州ホンダにOEM供給しても違和感なく収まりそう、などと書くと怒られてしまうでしょうか(汗)
Citroen NEW Jumper


仏車のDEは尿素でクリーン化

フランス・パリの大気汚染は厳しい状況にあるようですが、それが理由というわけではなく、ユーロ圏でセールスされるディーゼルエンジンは最新のEURO6規制をクリアしなければいけないタイミングなのでありました。

というわけで、フランスのPSAがどのようなクリーンディーゼルを用意しているのか、動画でチェック。

日本のクリーンディーゼルは、マツダにしろ、三菱にしろ、排ガス処理にAdBlue(尿素水)を使わずに、日本の規制(ポスト新長期)をクリアしていますが、PSAはAdBlueを使うという判断が興味深いところなのであります。

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どちらが技術的に優れているとか、コストや手間で有利なのか、という部分も気になりますが、むしり気になるのはユーザーイメージの部分。

AdBlueを使うということがクリーンディーゼルとしてのアピールになる、AdBlueがクリーンディーゼルのシンボルになる、ということであれば、少なくともユーロ圏、フランスにおいてはAdBlueタンクを搭載していることがセールスにつながるのかどうか。

まったく市場の空気感がわからないので想像するしかありませんが、記号的な意味でのAdBlue=クリーンディーゼルという図式が確立されているとしたら、マツダのような後処理を最小限にしたクリーンディーゼルは逆にイメージダウンになるのでしょうか、さて? 

プジョー208の5MTとAMT、どちらが省燃費ポテンシャルは高いのか

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プジョー208がマイナーチェンジで、3気筒エンジンの搭載グレードを拡大すると同時に、「ETG5」なる5速MTベースのAMTを採用。ついに、4速ATへ別れを告げております。

このエンジン、いわゆるダウンサイジング・トレンドに則ったものですが、あくまで無加給でありまして、ドイツ系の排気量減・ダウンサイジング過給とはちょっと違う、あくまで気筒を減らして小さくするタイプのダウンサイジングといった印象。最高出力も60kWですし、最大トルクは118Nmなので、排気量から想像するレベルのパフォーマンスでもあります。しかもAMTということは乾式クラッチであって、トルコンを使っていないので、トルク増幅効果も見込めません。

それはメーカーも承知しているようで、3ドアには同じ3気筒エンジンで 5MTとETG5がラインナップされておりますが、そのギア比は同一ながら、ファイナル(最終減速比)はETG5を4.692と低く(5MTは4.538)しております。これで2ペダルに期待されるトルク感(ゆったり感)を出しているのかな、と思うところ。

そして、同じミッションギア比で、ファイナルだけがローギアードということはETG5のほうがモード燃費では不利なハズですが、カタログスペックを見ると、5MTの19.0km/Lに対してETG5は19.4km/Lとなっていて、ちょっと不思議な印象。それもそのはず、5MTには備わらないアイドリングストップ機構がETG5車にはついているのです。すなわち、アイドリングストップの貢献度が低い走行状態においては5MTのほうが燃費では優位になりそうな印象なのでありました。

しかしながら、最新世代のエンジンといいながら、排ガス記号が『ABA-』と平成17年規制ギリギリなのは個人的には感心できないというか、オススメしづらい感じあり。バランサーシャフト付きの3気筒エンジンとAMTがどんなフィーリングを見せてくれるかには興味津々ではありますが……。 

【追記】
できることなら、国内にも以前のエントリで紹介したEBターボエンジンの早期導入を期待したいところではあります。 

PSAの3気筒EBターボエンジンは満タン1000km走行可能

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BMWミニと1.6リッターエンジンを共有して、それを全ラインナップに展開していると思ったら、今度はPSAグループとして独自に1.2リッター3気筒ターボ『EBエンジン』を開発するという流れに、若干の迷いといいますか、業界再編を感じる部分もありますが……。それはさておき、公開されているエンジン関連の画像をメモとしてアップしておこうと思う次第。

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組立ラインでの画像。ブロックにはシトロエンのダブルシェブロンとプジョーのライオンが上下に並んでおります。エンジンの向きからヘッド側に見えるのはインテークの穴。おそらくエキゾーストはヘッド内で集合して一穴になってタービンを支える設計だろうとも想像。

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この画像はヘッドの組立ラインへの投入部分でしょうが、ヘッドの厚みが、まさしく今どきのエンジンぽい印象。カム駆動はチェーンでしょうか。ヘッドにはダブルシェブロンのみが確認できますが、ライオンもどこかにいるのでしょう、おそらく(汗)

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サイアミーズで、シリンダー内壁が異なる素材となっていて、オープンデッキのシリンダーという構成も標準的という印象。ヘッドもがんがん冷却して耐ノッキング性も高めていそうな雰囲気であります。

現状、資料のリサーチが甘い状態なので、バランサーの有無などは不明ながら、シトロエンC4、プジョー308に使うということはバランサーシャフトは使っているのだろうな、とは想像するところ。

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満タン1000kmという航続距離のアピールがいかにも欧州的ではありますが、単純なエンジンの性能というよりも 空力や燃料タンク容量といった要素も影響する数字なので、エンジンのインフォグラフィックで見ると若干の違和感あり。そしてメイド・イン・フランスというのが、この新型エンジンでは重要なのだろうな、と思う次第なのでありました。

1.0リッター3気筒ターボは2.0リッター6気筒ターボの半分という見方

例年であれば、エンジンカットモデルの撮影に励むショー取材なのですが、今回の東京モーターショーでは駆動系のカットモデルに惹かれることが多く、エンジンカットモデルの撮影は数基だけ。

そんな中でもっとも気になったのが、フォードのエコブーストでありました。ひと昔前ならば3気筒エンジンというのはエントリーモデル用で、シンプルに、コストのかからない設計というのが常識だったのかもしれませんが、ダウンサイジング・トレンドの現代では、3気筒エンジンこそ可変バルタイで直噴で……と様々なデバイスがテンコ盛りになっているわけで、いわゆる見どころいっぱいのエンジンになっているのであります。

ただ、よくよく考えてみると、このカットモデルには既視感アリ。そうです、気筒あたり333ccのターボエンジンは、かつて国産車では主流だったのでした。
そうした捻りなくとも、ダイハツやスズキには、3気筒のリッターターボというのも存在していたわけで、あの時代の日本のターボエンジンがそのまま昇華していれば、いまごろ欧州のトレンドど真ん中になっていた?

見方を変えると、かつて日本の自動車マーケットが通ってきた道を、欧州のマーケットは別の角度から再評価しているともいえるのかもしれません。
そして、V6にも2.0リッターターボというのは、存在しておりました。3気筒のリッターターボ≒2.0リッターV6ターボの片バンク という風に捉えると、それほど目新しさはないのかもしれません。

この画像は、PSAの次世代ダウンサイジングエンジンである3気筒1.2リッター『EBターボ』ですが、そもそも名前からしてダイハツが軽自動車550cc時代に使っていた3気筒の型式と同じだったりする点に、不思議な縁を感じてしまう次第。

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ちなみに、PSAのEBターボの最高出力は110馬力だそうですが、2.5リッター直6ターボのRB25DETが最終的に280馬力を出しているのですから、最新の1.2リッター3気筒であれば150馬力くらいまでは視野に入っているのだろうな、などと妄想してしまう夜なのでした(汗)
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