クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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NCAP

メルセデス・ベンツCクラス、歴代の衝突実験ムービーに進化を実感

設計年次の異なる2台をオフセット衝突させてみると…… かなり衝撃的なシーンになるわけですが、とはいえ、ここでリンクしたオフセット衝突で使われている2台とも現時点で新車購入できる(国は違えど)という点も含めて衝撃的なのであります。2台のデビュー年でいうと1990年と2015年という四半世紀の時間が、これほどの違いを生み出したという意味では、衝突安全性の進化を示す映像ともいえましょうか。

さて、衝突安全性の進化を辿るべく、今度はEURO NCAPがアップしている動画を眺めていると、歴代のメルセデス・ベンツCクラスの衝突実験映像が公開されているのに気付きます。せっかくなので、1997年式(202)、2001年式(203)、2007年式(204)、2014年式(205)のクラッシュテストムービーを並べてみることに。
※ご存知でしょうが、それぞれ年式の後ろの3桁数字はいわゆる型式として通称されている数字。





さて、一気に見てみると、初代Cクラスではオフセット衝突でルーフがポッキリと折れているのが衝撃的。当時は強いクルマだという印象(ブランディング?)でしたが、現在のレベルでいうと低評価となるのは間違いなし。20年の歳月というは、衝突安全性においては、それだけ時代が違うレベルということなのでしょう。

さすがに21世紀に入るとオフセット衝突では不安のない潰れ方になっていきますが、203と204を比べるとサイドインパクト試験での潰れ方の違いに進化を感じるところ (203では38秒付近、204では1分30秒辺りに真上からのカメラになっています)。

さらに最新のCクラス(205)となると、さすが段違いの安全性を感じるわけです。オフセット衝突にしてもタイヤの入り込みは最小限というのは、204との比較でも明らか。204では17秒辺り、205で33秒付近のタイヤの移動量を比べると一目瞭然では?

いくらコンパチビリティを考慮したボディ設計になっているとはいえ、最新モデルが強いボディを持っているというのは間違いないと実感できる四本の映像。プリクラッシュセーフティも日進月歩な昨今でありますし、安全性能については「最新が最良」と考えるのが妥当でありましょう……。
リアルワールドでの事故を考えると、こういった視点も忘れてはいけないと思うところであります、ハイ(汗)

精進します。
  







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5ナンバーミニバンのJNCAPファイブスター動画

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なるほどフルラップ、オフセット衝突の潰れ方は、ファイブスター賞を実感できる印象ではあります。


 

とはいえ、側面衝突では

軽自動車のスーパーハイト級でも横転しないので、倒れてしまうのは気になるのでありました。

なるほど……



精進します。







オフセット衝突の評価にはエアバッグの影響ありや?

ASEAN NCAPの衝突実験では★ゼロのクルマが多くて、かなり酷い状況になっているという話題があったので、見てみると……。たしかに厳しい結果が連発状態。

まずは話題になっていた、ダットサン・ゴーの実験映像から(音量注意)。



たしかに厳しい。ルーフもベッコリであります(汗)



そして、こちらはインド仕様のスズキ・スイフト。

同じく64km/hオフセット衝突では★ゼロとなっております。

しかし、見た目でいえば日本仕様とそれほど変わっていないように見えるスイフト。

せっかくですので、JNCAPの実験映像と比べてみることに。

 

たしかにインド仕様はAピラーから流れた力でルーフが歪んでおりますが、日本のそれはほぼ変形していないよう。おそらく素材や細かいガゼット的なパーツの有無といった違いによるものなのでしょうが、それにしても、★ゼロというほど、圧倒的に違うようには見えないのでありました。

ちなみに、JNCAPでのオフセット前面衝突での評価点は、運転席11.64点(レベル5)、助手席8.15点(レベル3)であります。

果たして、これほどの評価の違いにエアバッグの影響はどれほどあるのか。基本的にはエアバッグの効果はフルラップ衝突で評価されるとはいえ、オフセット衝突で無関係というわけではないでしょうから。

逆にいうと、エアバッグのない旧車でオフセット衝突をすると、インド仕様スイフトと同じような厳しい評価になるのか。それともエアバッグを前提として衝突安全性を見た車両においてエアバッグレスにすると★がゼロになるほど差が大きいのか。いろいろ気になる、2つのスイフト衝突実験ムービーでありました。

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精進します。







基本性能の高さを感じるスズキSX-4のESCテスト

ユーロNCAPで5つ星の最高評価を受けたというスズキSX-4 エスクロス。その関連動画がYouTubeにて公開されておりました。

ESCテストの模様なのですが、冒頭のESCオフでの動きを見ている感じでは、電子デバイスがなくてもスピンモードから立ち直せそう……と感じてしまいます。

実際には、自分のレベルではなすがままになってしまうのでしょうが、電子デバイスに頼らずとも、そこそこ走れてしまいそうな雰囲気に感心するばかり。なにしろ、これはクロカン寄りのクロスオーバーSUVなのですから。むしろ、普通のワゴン的にさえ思える落ち着いた挙動では?

ところで、電子デバイスで安全性能を確保するというのは、いまの自動車においては常識ではありますが、安全デバイスの介入は基本ポテンシャルが破綻しかけたとき。つまり、基本性能が高いということは、そうしたデバイスのありがたみを感じる機会が少ないといえましょう。

「働かない機能がついているのはもったいない」という話ではなく(汗)、雨や雪といったスリッピーな路面になると、ドライよりもABSの介入を実感しやすくなるのは、ドライバーならば誰しもが体感しているはず。

つまり、シャシーの限界性能は、ESCなどの電子デバイスが働きづらいかどうかで知ることができると、いえるのかもしれません。もっとも、サスペンションやボディの設計云々の前に、タイヤの性能やコンディションに影響を受けるので、タイヤが減っている状態などでは、デバイスの介入からクルマの出来を判断するのは間違いの元になりそうですが……。


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レクサスISの衝突実験にリアシートの恐怖を見る【保留中】

【追記】
ISは実験機器がガラスにあたっているのでは、というご指摘いただきました。あらためて確認して、エントリを訂正します。

【追記2】
IS300hの実験映像、46秒~ 真上からのシーンではトランク上の機器とは関係なくガラスが圧迫されて割れ始めているように見えますが、機器の影響については不明なので、当エントリ内容はしばし保留とさせていだければ幸いです。 
その点をご了承の上、お読みください。 



こちら、レクサスIS300hのユーロNCAP衝突実験動画。まずはオフセット衝突からはじまる映像。基本的にキャビンは変形知らずという感じですが、注目はリアウインドウ。おそらくルーフが変形を吸収せずに衝撃が後ろに流れているのでしょう、わずかなタイムラグでバリバリに割れて、弾け飛んでいます。


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そして、注目なのは40秒過ぎのシーン。その割れたガラスの破片が、後ろ向きにセットされたチャイルドシートに、まさに降り注ぐ! その瞬間に画面が切り替わってしまうのですが、これはかなりショッキング。

encap_is21

実際、どのように割れ、破片形状がどうなっていて、子供への攻撃性はどの程度なのか。そのあたりを精査しないことには軽はずみには言えませんが、割れたガラスがチャイルドシートに降り注ぐというのは、ちょっと想定外の問題かも。

たしかにキャビンを丈夫にしていくとフロントの衝突でもリアセクションが変形するという話は耳にしていますが、このようにガラスにエネルギーが集中して弾けるように割れてしまうというのは、なんにせよ、やっぱりショッキング、であります。


ちなみに、ほかのクルマではどうなのか? というわけで、同じトヨタのカローラ(2013モデル)での映像を確認してみれば、リアウインドウは割れていません。ルーフがペコペコと変形していることで、衝突エネルギーを消化しているような印象です、ハイ。


ラテンNCAPに見る、10年以上前のクルマの衝突安全性能

新たなラテンNCAPの実験動画が7月後半にアップされていたのに今更気づき、新作(?)を一気にチェック。

今回の動画群での注目は、いまや日本では目にすることも少なくなってきた10年以上前の日本車(ラテンアメリカでは現行モデル)が、そのターゲットに含まれているところ。

アルトは1998年デビューのH12系派生に見えますし、サニーは1990年に国内デビュー後、メキシコで作られている「ツル」でありますから、ざっと四半世紀前の設計。ついでにルノー・クリオミオの動画も並べておきますが、笑い事ではないほど、見事にピラーやルーフがポキリと逝っております……。

スズキ・アルト フロント(アダルト)=☆0 0.00 リア(チャイルド)=☆3 25.00


日産ツル(B13サニー) フロント(アダルト)=☆0 1.00 リア(チャイルド)=☆0 0.00


ルノー・クリオミオ  フロント(アダルト)=☆0 0.00 リア(チャイルド)=☆1 9.00
 
※得点のマックスは、フロント17.00ポイント、リアは49.00ポイント。

以下、新しい設計と思われるクルマの動画では、まずまずの結果に見えますから、あくまで試験としては妥当なもので、けっして、わざと厳しい結果を求めたものではないのでしょう。


SEAT LEON 6 Airbags フロント(アダルト)=☆5 14.52 リア(チャイルド)=☆4 38.55



SUZUKI Celerio 2 Airbags フロント(アダルト)=☆4 12.99 リア(チャイルド)=☆2 17.92

スズキ・Celerioは、見たところインドでいうA-star(欧州アルト)ですから、2008年あたりに生まれたモデル。すでに5年前ですから、最新の衝突安全性能とはいえないのでしょうが、それでもアルトとくらべて10年の進化は十分に感じられる動画といえそう。
a-star

時折、古いクルマの衝突安全性について話題になっても、なかなか当時と今とを同じように動画で比較するのは難しく、話だけで終わってしまいがちなのですが、こうして旧世代のモデルが販売されている場合は、比較も可能というわけ。

それにしても、ツル・サニーの結果は、贅沢なイメージのあるバブル時代のボディ設計は、衝突に関しては意外に脆いのでは? と思えてしまうもの。こうした情報を整理していくと、旧車を大事にするカルチャーと、それを公道で走らせるリスクなどなど、いろいろ考えてしまいます。
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