クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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MULTIAIR

カムのないエンジン「マルチエア」を支えるシェフラーのテクノロジー

カムを使わず油圧で吸気バルブを動かす「マルチエア」、そのサプライヤーはシェフラーだった
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2018年もうろうろしてきた「人とくるまのテクノロジー展2018横浜(主催:公益社団法人 自動車技術会)」。19世紀にドイツで操業、現在ではグローバル展開をしているメガサプライヤーのシェフラー・ブースには、その活動範囲の広さをアピールする数々の展示あり。中でも目を惹いたのがFCAのハイテクノロジー「マルチエア」 エンジンのカットモデル。なんでも、マルチエアのメインパーツといえる油圧によるバルブ駆動システムのサプライヤーがシェフラーということでのアピールであります。

それにしてもマルチエアのカットモデル、記憶にある限りでは初めて目にしたのですが、吸気バルブを動かす油圧アクチュエーターのそれは、一見するとインジェクターのよう。そしてバルブごとに油圧システムを有しているということは、片バルブだけの開閉という制御も可能になれば、同一シリンダーの2つのバルブそれぞれを異なるタイミングで異なるリフト量で作動させることも可能。本当に、いかようにも吸気バルブを動かせるメカニズムなのだなあ、とあらためて思うのでありました。当然、シリンダー内の旋回渦のコントロール範囲も広がるはずであります。

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それにしても「FCA(フィアット・クライスラー)のマルチエア」と聞いたときと、「シェフラーが支えるマルチエア」と聞いたときで印象が異なるのは、なぜでしょうか(笑)

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精進します。
  




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「フリーバルブ」と「マルチエア」は何が違うのか?

「FreeValve」テクノロジーは油圧でバルブを直接動かすという点において、カムシャフトをベルトやチェーンで回して、カム山とバルブの間に挟んだ、あれこれの機構でバルブタイミングやリフト量をコントロールするこれまでの機構とは異なるわけですが、バルブ駆動を油圧で行なっているという点でいえば先達が存在しております。

それが、フィアットの「マルチエア」。

 

ただし、マルチエアの場合は排気カムでエキゾーストバルブを駆動するのと同時に、インテークバルブを動かす油圧を発生させているため、その構造を使う限り、自由自在に動かすことができるのは吸気側だけとなってしまうのがフリーバルブとの違い。もっとも、ターボエンジンを前提としている限り、出力方向のあれこれはターボチャージャーの可変ジオメトリ機構などでカバーできるでしょうから、排気カムがコンベンショナルな方式となっていることのデメリットはそれほどないのかもしれませんが…。

ちなみに、フリーバルブ社のWEBサイトで見たところ、実車に搭載した実験として(今はなき)サーブ9-5を使ったテストを2009年~2011年に行なっている模様。その際、インテークバルブだけに使ったケースとIN・EXの両方に積んだケースがあるということであります。しかも、北欧の会社でありますから、冬季テストも行なっていて、マイナス20度での作動も確認済みといいます。20年20万kmくらいを考慮したシール類の耐久性は気になるところでありますが、油圧制御バルブの信頼性はそれなりにあるといえそうであります、ハイ。


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