クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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LMP1

ル・マンで勝ったからこそ、市販する意味が出てきた「トヨタGRスーパースポーツ」

開発スケジュール的に難しいでしょうが、次回のル・マンでは公道走行を披露してほしい
2018年のル・マン24時間耐久レースにおいて優勝を果たしたトヨタTS050ハイブリッド。順調に完走すれば優勝間違いなしという状況ではありましたが、2016年にはその完走をメカニカルトラブルにて阻まれたことを思えば、無事是名馬。レーシングスピードを維持して完走したことは、このマシンがたしかに戦闘力を高めていたことの証明といえましょうか。もっとも、ライバルがいる状態では「無理をする」シーンが否応なしに発生するわけで、そうした対応が実質的に不要だったことでマシンやチームへの負荷が少なくなっていたのも事実でありましょう。
 
それはともかく、こうして無事にル・マンを制したことで、トヨタがTS050ハイブリッドのストリートバージョンたる「トヨタGRスーパースポーツ」を市販するための準備は万端。ル・マンできっちりと勝てる算段がなければ市販プロジェクトも凍結されたでありましょうから……。といういわけで、1000馬力のハイブリッドスポーツカーは、間違いなく公道を走ることになりそうです。といっても、スーパースポーツの市場規模とトヨタ・ブランドがその市場に対して有する既存客がほぼゼロである(LFAの顧客とは層が異なるでしょうし、そもそも増車でありますから、この顧客層は)ことを考えると、せいぜい50台限定といった売り方になるのでは? と想像するわけです。もしくは、レクサスのGT3マシンに興味を持っているような顧客層にもリーチするかもしれませんが、さてはて。
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というわけで、2018年から2019年にまたがっているWECのスーパーシーズン。今期最終戦は次回のル・マン24時間耐久レースになるわけですが、そのときには「トヨタGRスーパースポーツ・コンセプト」のデモランを披露してほしいと思う次第。可能であればナンバーを取得して、公道を走ることができれば、それがパレードレベルの走りであっても、この長いスーパーシーズンに参戦した意義も出てくるというものでは? それにしても24時間全開を続けるというシチュエーションで耐えるだけの機械であれば、公道走行での耐久性も十二分にありそう。もちろん、公道仕様ということは展示(放置)される期間があって、たまに動かすという使われ方にも対応することが求められるでしょうから、24時間のレーシングスピードに対応するのとは別の次元での耐久要件が出てくるわけですが、そのノーズにトヨタエンブレムがついているなら、なおさら耐久性についての期待値は高くなるでありましょう。
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GRスーパースポーツ・コンセプトの外観、パワートレインの画像は東京オートサロン2018にて撮影したものであります、あしからず。

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ポルシェのWECマシン、エンジン公開。90度V型4気筒直噴ターボ!

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2015年のWEC(世界耐久選手権)チャンピオンであるポルシェが、その心臓部たるエンジンを公開。

これまでも総排気量2000cc 、V型4気筒であることは明示しておりましたが、その姿を公式にあらわすのは初めてということで、注目度は高いのですが、残念ながらターボチャージャーや、おそらくそこからの吸気レイアウトについては未公開となっている模様。

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ちなみに、2016年のレギュレーションによるポルシェのWECマシン「919ハイブリッド」の車両最高出力は約900馬力で、 エンジン単体の出力は500馬力足らずとのこと。すなわち、回生したエネルギーによる電気エネルギーで400馬力強の出力を出しているわけで、もはや電気モーターによるアシストではなく、内燃機関と電気モーターが、システム出力においては、ほぼ対等の役割を果たしているわけで。

レギュレーション次第ではありますが、エンジンが電気モーターをアシストするような時代が近づいているのでありましょうか(汗)


精進します。
   







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FFのGT-Rプロジェクト終了と新世代V6エンジンは関係あるか

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一体何がしたかったのか…正直そんな感想しか出てきません。

日産のフロントエンジンLMP1マシン「GT-R LM NISMO」プロジェクトが中止宣言であります。結局、まともに走らないままの凍結は、最初からボタンの掛け違いというか、なんというか。

とはいえ、単純に結果が出ない(出そうにない)から中止しただけとは思えない部分もあり。

以前、次期ニッサンGT-Rは、やっぱりFFベースなのか? というエントリで触れたように、仮にインフィニティ系を中心に日産車のV6エンジンがすべてダイムラー由来になってしまうとすれば、量産車のGT-Rに日産オリジナルエンジンを積むためにはFFベースの電動AWDまでも考えておくべきであって、その布石としてのル・マンチャレンジだとすればマーケティングとしても理解できなくはないという印象を受けていたのでした。

しかし、既報の通り日産は独自設計のV6エンジンを、日本のいわき工場で生産することを宣言。つまりFFベースのGT-Rという可能性を示しておくことは、少なくとも次世代向けのマーケティングとしは不要になったということでありましょうか? なぜかマーケ色が強く感じられたプロジェクトだけに、そうした見方をしてしまうのですが、さて?
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アウディのWEC活動は2016年も続くが、今度はRWDの可能性あり

ディーゼルゲートの影響でモータースポーツ活動の縮小もウワサされていたフォルクスワーゲン・グループのアウディでありますが、2016年も引き続きWEC(世界耐久選手権)のLMP1クラスにワークス参戦すること、そしてニューマシンをいち早く発表しております。

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Audi Sport has fundamentally re-designed the Audi R18 for the 2016 season. The LMP1 race car that competes in the Le Mans 24 Hours and in the FIA World Endurance Championship (WEC) features innovative aerodynamics, represents the next stage in lightweight design and has a modified hybrid system with lithium-ion batteries for energy storage, plus an efficiency-optimized TDI engine.
ハイノーズシルエットが目立つように感じるニューマシン。「R18」という従来同様の名前は確定ですが、quattroであるかどうかは不明。たしかにフロント周りの構造を見ていると、いままでのようなにドライバーの足下にモーターを置いて、そこからドライブシャフトでフロントタイヤを駆動するといった感じはしないのでありますが、さて?

もっとも、e-tronとは表記せずともハイブリッドシステムを載せていることは明言しておりますし(蓄電システムがリチウムイオン電池に変わるというニュースはあります)、エンジンは詳細不明ながらTDI(ディーゼルターボ)を使うということですので、最終的には従来と同じようなパワーユニットの構成になるかもしれませんけれども。

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フロントをインホイールモーターで駆動するといったチャレンジングな設計は、さすがにル・マン24時間での信頼性を考えると、まだまだ時期尚早でありましょうし……。

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そして、ニューモデルのコンセプトにライトウェイトを掲げていることから、なんとなくRWD化を匂わせていると予感してしまう今日このごろでもありました。


精進します。












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次期ニッサンGT-Rは、やっぱりFFベースなのか?

ル・マンと市販車が密接に見える日産のリンク度は という先日のエントリは、LMP1マシンのニッサンGT-R LM NISMOの活躍がいまいちだったおかげで、GT-RのFFベース化というストーリーが頓挫したとすれば、不幸中の幸いかもしれないと思いながら書いた面もありますが、『ニッサンブランドはFF化、インフィニティブランドはFR化という大きな流れは止められない』といったご指摘もありました。

そういえば6気筒エンジンについても、基本的にはダイムラー由来になるという話もあります。そうなると縦置きFRベースでGT-Rをつくろうとするとダイムラー系のエンジンを使わざるを得ないということにもなりそう。


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※画像はイメージです(汗)




ダイムラーがスポーツカーに使っているエンジンを流用するというのは、それはそれで、GT-Rというブランドにとってはマイナスでありましょう。また、GT-Rといえば、現行モデルでは1000万円を超えていますが、それでもスーパースポーツとしては比較的、現実味のある価格設定であり、そうしたキャラクターは次期型でも期待されるところ。しかし、次期NSXがそうであるように、おそらくリア駆動ベースのAWDとして作ると15万ドル以上の値付けにはなるといえそう。

であれば、”ニッサン”GT-RをFFベースのAWDスポーツとして存続させるという商品企画であっても不思議ではなく。そうした大きな変身に説得力を持たせるためのル・マンチャレンジだと考えると、いろいろ腑に落ちる面があるのですが、さて。


精進します。













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フロントエンジン・フロント駆動LMP1マシンのキレキレコーナリング

NISSANのLMP1はFWD? というエントリを先日あげたのですが、果たして純粋なFWDなのか、それともリアは電動になっているのか、まだまだ不明という段階で、想像で楽しむフェイズといった状況であります。


そんなNISSAN GT-R LMP1のコーナリング動画が公式に公開されておりました。動画のピッチがどの程度いじられているのか不明なので、この一瞬のコーナリングシーンだけであれこれ考える材料にはならないでしょうが、なんだかボトムスピードが高そうで、それでいてヨーが立ち上がっている印象ですが、さて?

 150202-01-08

それにしても、ユニークなクルマでありまして。実際に走り出すとイメージも変わるのでしょうが、開幕までの期間は、このマシンの話題で持ち切りになりそうな2015年WEC。マーケティングとしては、十分な効果なのでしょうか?



精進します。





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