クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

JNCAP

日本一衝突安全に強いクルマでも守ることのできない事故形態とは?

いかにキャビンが強固に守られてもシートベルト非装着ではその恩恵を受けることはできない

2021test_23_サイズ変更

2020年度のJNCAPファイブスター大賞に輝いたのはスバル・レヴォーグ。SOSコールや各種ADAS機能で満点を取っているのは当然として、さらに衝突安全性能において最高得点をとったことがファイブスター大賞につながっているわけですが、そんな2020年度で日本車ナンバーワンの安全性能を誇るレヴォーグでも守れない事故形態があるのをご存知でしょうか。

 続きを読む

スバル・レヴォーグがJNCAP「自動車安全性能2020ファイブスター大賞」を受賞できたわけ

予防安全の性能で勝負する時代から、ふたたび衝突安全ボディで差別化する時代に

2021test_04_サイズ変更

スバル・レヴォーグが、2020年度のJNCAPファイブスター大賞を受賞したとの発表あり。2020年度のJNCAPにおける最高評価を受けたということであります。

JNCAPというのは国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA・ナスバ)が実施している自動車アセスメントのことで、ファイブスター大賞というのは、その実施年度内においてもっとも成績が良かったクルマに与えられる賞。完全にデータに裏打ちされた評価といえるのでした。

ナスバの発表によれば、2020 年度に評価を行った自動車は乗用車6車種、軽自動車4車種の計10車種。その中で、ファイブスター賞(衝突安全性能と予防安全性能において最高ランク<Aランク>で
あり、事故自動緊急通報装置を搭載)を受賞した車種と得点(190満点)は次のようになっております。

スバル・レヴォーグ(186.91点)
トヨタ・ハリアー(177.68点)
日産デイズ(175.72点)
トヨタ・ヤリスクロス(175.70点)
ホンダ・フィット(174.40点)
トヨタ・ヤリス(173.41点)


続きを読む

JNCAPではゴルフより上位のアウトランダーPHEV、EURO NCAPでは?

日本の衝突試験、JNCAPにおいてVWゴルフがホンダN-WGNに総合点で下回るという結果になったわけですが、これをして「日本の基準に合わせたモデルであり、ガラパゴス化の象徴である」という批判も出てくることが予想されます。では欧州でのテストでは、どのような結果になるのか気になるところ。


とはいえ、日本国内専売モデルである軽自動車はEURO NCAPでテストしているはずもなく。そこで、JNCAPで184.6点だったアウトランダーPHEVと176.7点のゴルフの試験結果を映像で見比べてみることに。



 


いずれもファイブスターの評価を受けているのは日本でのテスト同様で、クラス分けレベルでの評価としてはそれほど変わらない結果といえそう。

では、気になる評価は……

ゴルフ 前席(大人)34点 後席(子供)44点 歩行者保護24点 安全装備5点
http://www.euroncap.com/results/vw/golf/500.aspx

アウトランダーPHEV 前席(大人)32点 後席(子供)41点 歩行者保護23点 安全装備7点
http://www.euroncap.com/results/mitsubishi/outlander_phev/543.aspx


というわけで、大筋の評価としては日本もEUROも大差ないものの、やはり逆転するのでした。ただし、この結果をして、「欧州基準では逆転するということはJNCAPは見直すべし」と主張するのは早計といえましょう。それぞれ母国(ホーム)でのテストで有利なだけでは、なんともいえません。むしろ、ここは日独系のメーカーそれぞれがアウェイであり、主戦場であり、厳しい独自基準を掲げるIIHS(北米)でのテスト結果も踏まえて判断したいと思ったのですが、北米ではゴルフ7は価格が発表されたばかり。まだテストされていないようなのでした(汗)

2015US_Golf_TSI

ちなみに、北米では1.8リッターのガソリンターボ(TSI)と2.0リッターディーゼルターボ(TDI)のラインナップとなる模様。ガソリンモデルは17,995ドル~、ディーゼルは21,995ドル~となっているようです。

フィットよりもゴルフよりも安全性能で高評価の軽自動車とは?

2013年の東京モーターショーにてプレミアを飾り、ヒットを続けるホンダの軽自動車 N-WGN(エヌワゴン)が、JNCAPにてファイブスター賞に輝いたそうで。

nw1310007H


細かい条件もありますが、基本的には208点満点の試験において170点以上を獲得したクルマに与えられるのがファイブスター賞で、平成25年度の受賞は7モデル。


そして、軽自動車として初めてファイブスター賞を獲得したN-WGNは、フィットやゴルフよりも安全性能総合評価が高いというのは、なんとも驚くばかり。


この結果だけを目にすると、軽自動車のほうがゴルフより衝突安全性能に優れている! と思ってしまうかもしれませんが、評価点の内訳を見ると、単純にそうとは言えない部分もあり。

そもそも、JNCAPの総合評価は、乗員保護(100点)、歩行者保護(100点)、ベルトの非着用時警報(8点)の合計ですから、総合評価が、いわゆる衝突安全性≒乗員保護性能を示しているわけではないのでありました。

もちろん、現代のクルマにおいては歩行者保護は重要なテーマですから無視できないのは当然なので、こうした評価がおかしいという指摘はナンセンスとは思いますが、衝突安全性だけの評価ではないのであります。

というわけで、N-WGN、フィット、ゴルフの内訳を乗員保護、歩行者保護、ベルトの非着用時警報の順に並べてみると……

N-WGN 87.35 85.50 6.0
フィットHV 92.59 81.41 4.0
ゴルフ 90.82 80.89 5.0


なるほど、N-WGNは歩行者保護で得点を稼いだことが、ゴルフやフィットを上回った大きな理由といえそう。

だからといって、N-WGNの乗員保護性能が低いと批判するわけではなく、この得点は軽自動車としては驚くばかり。なにしろ、同じ車台を持つN-ONEと較べても圧倒的ですから。

ちなみに、N-ONEの評価は以下の通り。

N-ONE 79.71 77.83 4.0

軽自動車だから歩行者保護に有利というわけではありません(リアルワールドでは差がありそうです)が、ともかくN-WGNの安全性能総は総合的に高いレベルにあるのでした。

なお、N-WGNよりも評価点の低い登録車というのはザラにあるわけですが、最後にグローバルカー2台をピックアップして、その評価点を並べておきましょう。あくまで並べておくだけで、他意はありません(汗)

ミラージュ 78.80 84.62 0.0
シルフィ 77.68 85.27 0.0


N-WGN_JNCAP10
【2014.05.15 動画リンク追加しました】

 
記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ