クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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GRヤリス

FF・FR・MR・RR・4WD…それぞれが示す意味と走りの特徴は?【リメイクコラム】

エンジン車には5種類の駆動方式がある。それぞれの駆動レイアウトには、どのような特徴があるのだろうか。

内燃機関を積んだクルマの駆動システムを示すものとして「FF、FR、MR、RR」といったアルファベットを使うことがある。これは順にフロントエンジン・フロントドライブ、フロントエンジン・リアドライブ、ミッドシップ・リアドライブ、リアエンジン・リアドライブの略称で、エンジンの搭載位置と駆動輪の関係による分類だ。さらに、それぞれのレイアウトを基本に4WD(四輪駆動)を用意するというのが、近年の自動車における駆動方式といえる。それぞれの特徴を紹介しよう。

Next-Gen Honda Civic Type R at 2022 Tokyo Auto Salon - 3

FF(フロントエンジン・フロントドライブ)
現在、市販されている乗用車においてもっとも多く採用されているのがFFレイアウトだ。フロントにパワートレインを集中させることでパッケージングにおいて有利で、キャビンやラゲッジを広くとることができる。走りの面では、前輪が操舵と駆動の両方を担うためにパワーをかけていったり、路面が滑りやすい状況などではフロントタイヤから先に限界を迎えやすく、いわゆる「アンダーステア」といって外側にクルマがはらむような挙動になりがちだ。ただし、フロントタイヤが限界を迎える手前の領域では、ブレーキングでリアタイヤの荷重が抜けやすく、後輪が滑りやすいことによるスピンモード(オーバーステア)に陥りやすい傾向も見て取れる。荷重が後ろに移動する加速時には駆動輪(前輪)の荷重が抜ける傾向にあるので、トラクション性能ではもっとも劣るレイアウトといえる。


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GRヤリス“モリゾウセレクション”登場で気になるトヨタの人的リスクとは

豊田章男という人物の存在感が増すほどに、そのリスクも大きくなっている

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トヨタが展開しているクルマのサブスク「KINTO」において「GRヤリス“モリゾウセレクション”」の取扱いを開始という発表あり。これはサブスク期間において、お客様一人ひとりに合わせて最新のソフトウェアを反映させていくという新しいビジネスモデルの提案なのですが(詳細は下記リンク先にて)、その商品サービス名に『モリゾウ』と名付けているのが大注目点でありましょう。



モリゾウというのは、ご存知のように豊田章男社長のレーサーネームで、ようは豊田章男セレクションという意味。トヨタに限らず自動車メーカーというのは創業者の名前に由来するブランドが多いので、そもそも属人的なのかもしれませんが、愛称とはいえ社長の個人名がついたグレードというのは前代未聞であります。フェラーリにエンツォというモデルはありましたが……。

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トヨタ・ヤリスが20万台を販売して2020年度の新車販売トップに

宿敵N-BOXの販売台数は19万7900台、オーバーオールでトップを奪取

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全軽自協や自販連から2021年3月の新車販売速報が発表されております。軽自動車のトップがホンダN-BOX(19万7900台)に対して、登録車のほうはトヨタ・ヤリス(20万2652台)となり、プリウスが総合トップだった2016年度以来の登録車かつトヨタ車が軽自動車を打ち負かすという結果になりました。

そうか5年前はプリウスが国民車のように売れていたのだなぁと、すっかり時代が変わってしまったことを実感しつつ、ヤリスのトップ奪還にはホンダのアシストもあったのかもと思ったり。というのも本来であればヤリスのライバルとなるはずのホンダ・フィットが伸び悩んでいるから。

フィットの2020年度販売台数は9万4311台で、ヤリスにはダブルスコアで負けているばかりか、2021年になってからは月別ランキングでトップ10に入れないこともあるほどで完全に押されているから。フィットがもう少し頑張っていれば(評価されていれば)ヤリスの販売台数がここまで伸びることはなかったかもしれませんので。





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名実とも欧州のトップコンパクト、トヨタ・ヤリスが2021欧州COTY受賞

初代ヤリス(2000年)、プリウス(2005年)につづきトヨタとして3度目の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。単月での販売トップと合わせて現地法人は大喜び!

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2021年の欧州COTY(カー・オブ・ザ・イヤー)に選ばれたのはトヨタ・ヤリスでした。

先日、欧州での新車販売における電動化比率は25%になっているというエントリをあげたように、ZEV化に突き進むように見える欧州自動車市場ですが、COTYについてはZEVではないヤリスが受賞したというのは意外いうべきなのか、手の届くなかでもっともCO2削減につながるソリューションとしてのBセグメントのフルハイブリッドカーが評価されたと捉えるべきなのか。

いずれにしても、このタイミングで日本車(ヤリスはフランス生産ですが)が欧州COTYに選ばれたというのは明るい話題といえるのでは? もっとも欧州COTYの審査コメントを眺めているとヤリスを評価した理由にGRヤリスの存在を匂わせたりしていますから、どこの国でもモータージャーナリストというのは建前的には環境に配慮しながらも、実際のところは速いクルマが好きなのかもしれません(汗)



そしてトヨタヨーロッパの発表において、”The 2021 European Car of the Year award comes just a few days after the new Yaris was named as the best-selling car in Europe for the first time”、意訳するとヤリスが欧州でもっとも売れたクルマになったという報告のあった数日後にCOTY受賞というビッグニュースが飛び込んできた、とあるようにヤリスはメディアうけがいいだけではなく、実際に売れているというのですから、その評価は本物といえそう。

欧州販売ナンバーワンのソースはこちら。



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トヨタGAZOO Racing、全日本ラリーJN1クラスに本気の2台体制で参戦発表

開発スピードを上げ、トラブルシューティングにもプラスになる2台体制での参戦は本気度MAX。まさしくワークス活動の全日本ラリー仕様GRヤリスの実力は?

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新型コロナウイルスの影響で、地域によっては緊急事態宣言が発出されていたりする今日この頃ですが、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の全日本ラリー活動について注目すべき発表あり。



さて、あらためて整理しておくとTGRによる全日本ラリー活動というのは、トヨタ社内の凄腕技能養成部が中心となっている活動で、純粋なモータースポーツ運営組織ではないものの、ある意味ではモータースポーツ活動を「走る実験室」と呼んでいた時代の純粋なワークス活動に近い活動といえるもの。

悪くいえば、モータースポーツで勝つためのずる賢さみたいな部分にウイークポイントのある組織という印象もあるのですが、それでも全日本ラリーにおいては下位クラスからしっかりと経験を積んで、ついに最高峰であるJN1クラスにたどり着いたのかと思うと感慨ひとしお。



そのあたりの背景については、こちらの本「GRのすべてVOL.3」に寄稿した、現在もチーム監督を務める豊岡 悟志さん(トヨタ自動車 凄腕技能養成部)のインタビューで書いていますので、お目通しいただければ幸いです。
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1.5リッターエンジンのFF・CVTは共通。ヤリスとGRヤリスのスペックを比べてみる

GRヤリスの量産スペック公表。1.5リッターNAエンジンを搭載するRSグレードを標準ボディのヤリスと比較。パワーウエイトレシオではGRのつかないヤリスが有利。



アルミのアウターパネル、CFRPのルーフを与えられたトヨタのWRCウエポン「GRヤリス」の量産グレードとスペックが公表されております。目立っているのは1.6リッターターボを積むRZ系グレードですが、個人的に興味津々なのは1.5リッターNAエンジンにCVTを組み合わせたFFモデルの「RS」グレードだったりするのでした。

その理由については、このブログに貼り付けた2つの動画で話していますが、全日本ラリーJN-6クラスでの活躍が期待できるプロフィールだから。パーキングブレーキがEPBのようで、そのままではサイドターンが使えないのはネガにも思えますが、以前に取材したスポーツCVTがさらに進化していると想像できますし、そのテクノロジーが市販車にフィードバックされていることも期待できますので…。




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