クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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FIT

ホンダ・フィットのスタイリングは悪くない!グリルはレスじゃなくて、埋まっている!

スポーティグレードNESS専用のさし色がイエローからオレンジに進化した!

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先日、フィットの月販が2000台レベルまで落ち込んだというエントリをあげたわけですが、そこでも触れているように、売れていないことと「グリルレス・デザイン」に関係なしというのが自分なりの判断。なぜなら、グリルレス・デザインのフリードが、十分にそのカテゴリーにおいては健闘しているからというのが理由なのですが、ではフィットのスタイリング自体はどう思っているのかといえば、個人的には好印象を持っております。

真正面から見ると丸目を感じさせるヘッドライトはかわいらしいものですが、これが斜め後ろから正面に回り込むように近づいていくとヘッドライトは異なる表情を見せますし、そのときフロントにはグリルではない何か別の存在を感じるのもユニークであるし、このスタイリングの魅力だと思うのです。

ちょっと話は変わりますが、初期受注3万台以上を集めたというホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」についても、じつはフィットとデザイン文脈的には同じもので、フィットのフロントマスクで感じた何かが、じつはボディに埋まっていたグリルで、それが浮き上がってきたのがヴェゼルの顔つきを作っているというストーリーが込められているというのは担当デザイナー氏に聞いたところで、グリルレスだからといってキュート一辺倒というわけではないのでした。


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【悲報】月販2000台まで落ち込んだホンダ・フィットを救う手はあるか

商品改良直前とはいえ2021年5月の販売台数は2032台。フィットの売れない理由はグリルレス・デザインじゃない!

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大ヒットとなりホンダ車として一時代を築いたフィット。下にリンクを貼ったように初代の登場から20周年ということで特別仕様車も登場しております。そんな現行 4代目フィットの販売状況は非常に厳しいもの。特別仕様車の設定に伴う一部改良直前で受注を絞っていたとはいえ、5月の登録台数は2032台とBセグメントのコンパクトカーとしては不人気と言わざるを得ない落ち込みぶりなのでありました。

このカテゴリーにおける最人気モデルのトヨタ・ヤリスと同等の月販1万台規模とはいいませんが、日産ノートと同じ月販5000台規模は維持していないとなると、次世代モデルは不要といえるレベルでは? とも思えるほど。はたして、フィットがここまで支持を失ってしまった原因はどこにあるのでしょうか……。 


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スズキの1モーターHEVはホンダの2モーターHEVより高いか、安いか

ハイブリッドシステムやEPBといった装備ではフィットに軍配。ADAS機能ではスイフトが若干リード

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スズキ・スイフトが商品改良で新設定した「ハイブリッドSZ」グレード。スズキ独自のRMT(ロボタイズドトランスミッション)に小さめ(10kW)の1モーターを内蔵させたハイブリッドシステムを1.2リッターエンジンと組み合わせた、スイフトにおいて唯一のグレードであります。

駆動方式はFFのみ。メーカー希望小売価格は208万7800円と、スイフト(スイフトスポーツ除く)では最高額の最上級グレードという位置づけ。先進安全装備も充実しているのですが、残念な点もあり。今回の商品改良では幅広いグレードに全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールが設定されたのですが、このハイブリッドSZは、低速域非対応のアダプティブクルーズコントロールに留まっているのでありました。詳細はリンク先で確認ください。


 
とはいえ、スイフトのラインナップや他グレードとの価格差でいうと、まずまず妥当な価格帯とも思えるわけですが、ではライバルと比較してみるとどうでしょうか?

ここではフルモデルチェンジしてe:HEVなる2モーターハイブリッドシステムに進化したばかりのホンダ・フィットと比較してみようと思う次第。さて、どんな結果になってしまうのでしょうか?

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新型フィットに設定される回転シート車を試してみた

身長163cmの自分でも膝を抱えるようにしないと乗り込めない。使う人を選ぶかも……
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新型フィットにはカタログモデルとして「助手席回転シート車」が用意されております。メーカーのニュースリリースを転記すれば以下の通り。

e:HEV BASIC、BASICをベースに、助手席回転シート車を設定しました。座面クッションの先端形状を滑らかにして乗降性を高めた回転シートは、シートの取付位置や回転軸位置の最適化により、ゆとりのある足元を実現。簡単なレバー操作によるスムーズなシート回転と、大きく開くドアにより、乗り降り時の負担を軽減します。

たしかに、レバー操作によるシート回転はイージー&スムースで、介護する側の負担も少なそう。画像からもわかるように折り畳み式のフットプレートがついていて、そこに足を乗せておけば回しているときにつま先がボディに当たるようなこともないといった具合に配慮されているのでした。

ただし、自分の身長(163cm)でもフットプレートに足を乗せようとすると、かなり窮屈に膝を抱え込むような姿勢を強いられるわけで、はたして自力で乗り降りができないレベルの方が、この姿勢をスムースにとれるのかといえば少々疑問。身長150cm台の高齢者にはぴったりかもしれませんが、体格がよくて足腰が弱っている人にはちょっと厳しいかもしれません。言わずもがなでしょうが、実際に試してみて、ご判断されることをおすすめします。


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新型フィットが従来価値から脱却したことを示すラゲッジの考え方

後席の快適性にプライオリティを置いたパッケージとシート設計が新型フィットの隠れたポイント
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先日、新型フィットに試乗した際のiPhone撮って出し動画でも話しているのですが、このクルマの後席は従来のフィットとは違うアプローチでデザインされていると感じるところ。

コンパクトカーにありがちなのは、背もたれや座面を小さくして格納性を上げてイージーにフラットなラゲッジスペースを作れるようにすることだったりするのですが、新型フィットは座る人の心地よさが最優先されている設計と感じるところ。

ですので、背もたれを前方に倒したときに少しだけ段差ができる(パネルを使って気にならないようケアしてありますが)のでした。それは座面のクッション性であったり、肩までしっかりカバーする余裕のサイズの背もたれであったりといったシートデザインを優先したことの証でもあります。

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燃費にこだわらない、速さも求めない。ひと中心の「心地よさ」が開発のキーワード

目指したのは「用の美」という新型フィット。開発姿勢は大きく変わった


いろいろあって、ようやく発売された新型フィットに試乗する機会がありました。今回のフルモデルチェンジで用意されたのは、1.3リッターエンジン+CVTのガソリン車と、1.5リッターエンジン+2モーター+リチウムイオン電池の「e:HEV」と名付けられたハイブリッド車。姿かたちではパワートレインの差別化はほとんどしていないのですが、これが乗ってみるとかなりキャラが違っていて驚いた、というのがこちらの動画のテーマ。

さらに驚いたのは、開発全般のコスト管理を仕切ったというエンジニアの方に「今回は、エンジンにはお金を使わず、シートなど人が心地よいと感じる部分にコストをかけました」と聞いたとき。

開発のスタンスとして次のような一節が紹介されました。
フィットは今まで、
他の同じサイズのクルマより、
1ミリメートルでも広く、
1秒でも速く、
1キロメートルでも燃費がいいことを
追い求めてきました。
でも、新しいフィットは、
数値だけでなく「心地よさ」を
「人が感じる」ことを最優先に考えたからです。
フルモデルチェンジですから大きく変わるのは当然ですが、それでも同じ方向性で進化することが多いわけです。しかし、新型フィットについては目標設定の仕方から変わっているのでありました。新指標で開発されているわけですから、評価する側も従来通りではなく、新しい価値観にチェンジしないと正しく価値を理解できないかもしれません。そして、世間一般のトレンドを変えていくだけの力があるクルマであり、仕上がりだとも感じたのでありました。

個人的な印象では、「心地よさ」という新指標についていえば、圧倒的に1.3リッターエンジン車のほうが色濃く感じたのでした。数値を追いかけないことで、いい塩梅に肩の力が抜け、それがクルマの仕上がりに良い意味で影響していると実感できたのです。メーカー自身は新型フィットのコンセプトワードとして『用の美』という言葉を使っていますが、「心地よさ」と捉えたほうが、新型フィットの乗り味については理解しやすいのでは? と思った次第。

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