クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

電気自動車

日産が復活するためのキーワードは「自動運転」かもしれない

付加価値領域における差別化が生き残りに必須の時代。「技術の日産」が提供できる価値は?

IMG_6118

日産自動車の危機的な経営状況が報じられてから、様々な評論がされているようです。個人的にも以下のような簡単な考察をしてみたのですが、日産の経営陣がいうように「適切に商品をお届けできていない」のが自動車メーカーとしての危機を招いた根本的な原因だとは思う次第。

 

「適切」でなかった要素として、商品性(フルモデルチェンジまでの期間、マイナーチェンジでのテコ入れなど)もあるでしょうし、仕向地や各市場特性に応じた商品ラインナップという問題もあるでしょうし、とくに日本で実感するようなありえないほど長い納期とほしいユーザーに届かない生産量の少なさは急いで解決すべき課題だと感じる次第。

一部では、工場閉鎖の対象について日本も含まれるとなっていますが、いまでさえ納期がかかっている状態なのに、そんな市場向けの工場を閉鎖するとなれば、他社に顧客を取られてしまうのは自明であって、むしろ工場稼働率を上げてでも納期を早めるなりして、ユーザーの選択肢に残るようなブランディングが必至だと思うわけです。

続きを読む

売るクルマがないと報じられた日産でウレテルクルマトップ4

2024年度上半期登録車セールストップ50の中で日産車は4台のみ!?

main_01_pc

日産自動車の経営に関する悪いニュースが飛び交っています。

先日発表された2024年度上期の連結売上高は、前年同期比791億円減の5兆9,842億円、連結営業利益は同3,038億円減の329億円、売上高営業利益率は0.5%、当期純利益は同2770億円減の192億円となっているのですから危機的状況なのは間違いありません。

そうした状況を打破すべくなのか、目先の対応なのかわかりませんが、大型リストラも実施するとなっています。個人的には、無駄を排するリストラは経営的にはポジティブであっても、生産能力を落とすリストラは企業のポテンシャルを削るものであり株価の期待値を下げるものとしてマイナス評価要素になってしまうという印象もあります。

そんな日産の危機を報じるニュースの中では「いまの日産に売れるクルマがない」という手厳しい表現もある模様。

では、実際に国内における日産車の状況はどうなのでしょうか。自販連の発表している「乗用車ブランド通称名別順位 2024年4月~2024年9月分トップ50(登録車のランキングなので軽自動車は除く)」から日産車を抜き出して並べてみると以下の通り、4モデルしかランクインしていないのでした。

4 ノート 日産 48,339台
7 セレナ 日産 39,637台
27 エクストレイル 日産 13,263台
37 キックス 日産 6,828台
 ※最初の数字は総合順位

トップ50内のシェアでいうと、レクサスやスズキが4モデルのランクインとなっていますし、マツダは5モデルも入っています。日産の企業規模はイメージとして大きいでしょうが、実際の市場における存在感が薄くなっているというのは、いまに始まったことではないとはいえ、たしかに危機的な状況といえそう。もちろん、ノートやセレナは一桁順位であり、トップ10に入っているモデルですから、人気ブランドというイメージはたしかに間違っていない面もありますが…。続きを読む

2025年に日本でも発売するスズキ初のBEVは「ビターラ」だった!

インド製、前後独立モーター、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー!!

バッテリーEV「e VITARA」
スズキが同社初となるBEV(バッテリーEV)を欧州で発表しました。その名は「eビターラ」。日本ではあまり馴染のない車名かもしれませんが、エスクードの別名としてとくに欧州では認知されている名前であり、SUVスタイルのBEVとして非常にわかりやすいネーミングを採用してきたな、というのが第一印象。そして、スタイリング的には後席のドアハンドルを隠すタイプとしてリアフェンダーからドアパネルにかけての抑揚ある面の魅力を余すところなくアピールしている点も評価されるポイントになりそう。


 
詳細は公式発表をご覧いただくとして、注目すべき要素を抜き出すと次のような感じでしょうか。

  • 高効率なeAxleとリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで構成するBEVパワートレイン
  • 前後に独立した2つのeAxleを配置した電動4WDモーターで駆動する「ALLGRIP-e」
  • バッテリー総電力量は49kWhと61kWhの2タイプ
  • システム出力はFWDが106kWと128kW、4WDは135kW
  • ボディサイズは全長4,275mm、全幅1,800mm、全高1,635mm、ホイールベース2,700mm
そして何よりも注目なのは、この新型BEVは日本でも発売予定となっていること。

続きを読む

ホンダの軽商用EV「N-VAN e:」の完成度が高すぎる件

加速も減速も、そしてハンドリングも「いいクルマ感」を全身で表現する軽商用EVだった

IMG_1867

IMG_1829trim

ホンダの軽商用EV「N-VAN e:」に初乗りする機会がありまして、横浜みなとみらい辺りの公道を走ってまいりました。

第一印象を短くまとめると「いいクルマ」。ガソリンエンジン車のN-VANとほとんど見分けのつかないエクステリアですから、いわゆるメーカー製コンバージョンEVというイメージを持つかもしれませんが、まったくもって違います。むしろ、プラットフォームからゼロベースで作ったとさえ感じるほどEVとしての完成度の高い乗り味を披露してくれたのでありました。




乗り味のポイントとなっているのは、加減速のナチュラルさと、それに見合った操舵感やハンドリングを実現しているステアリング系のセッティング。加速性能についてはモーターのパフォーマンスをあえて抑えることで軽商用のキャラやニーズに合わせている感じがありますし、減速についてはメカブレーキと回生ブレーキの協調制御が初物と思えない高レベル。なにより直進時でもわかるほどパワートレインとハンドリングがバランスしているのは、人間が操作するクルマとしての完成度の高さが実感できるポイント。

そして、この新しい軽EVアーキテクチャーは、N-VANのためだけではなく、Nシリーズのために開発されたという話も聞けました。つまり、軽乗用EVもスタンバイしているというわけで、N-VAN e:の走り味がさらにブラッシュアップされるとなれば期待大!といえそうですが、さて?





続きを読む

ホンダN-VAN e:の2人乗り仕様は前後に座るスタイル

オンライン専売となる2シーター仕様の軽バンは意外なシートレイアウトだった!?

IMG_1690

ホンダ初の軽商用EVである「N-VAN e:」をちょいのり&全グレードに触れる機会に恵まれまして、先日、シングルシーター仕様についてのブログエントリを上げたのですが、ある意味でシングルシーター以上に意外性があったのは、上に写真を載せた二人乗り仕様かもしれません。



おそらく、軽バンの二人乗り仕様と聞けば、運転席と助手席が同列に並んだキャビンを想像するでしょうが、N-VAN e:の二人乗り仕様は運転席と、その後方のリアシート(片側だけ)を組み合わせた2シーターとなっているのでした。

IMG_1680

続きを読む

噂のシングルシーター!N-VAN e: Gグレードは割り切りがスゴかった

オンライン限定グレードは運転席しか持たない一人乗り仕様だ!

IMG_6643

ホンダがついに軽商用EVをローンチ、発表時に話題にもなっていたようにシングルシーター・一人乗り仕様も用意するなどSDGs時代・カーボンニュートラルを目指す中での宅配業務に欠かせないといった商品企画になっている模様です。そんな一人乗り仕様、N-VAN  e: Gグレードの実車を見る機会ありましたので画像や情報共有しようというのが当エントリの主旨であります。



基本的にはHonda ON(オンライン販売)限定となるシングルシーター「Gグレード」の特徴は、外観でいえば黒い樹脂色むき出しのバンパー。ボディカラーはホワイトとシルバーの2色から選べますが、やはり白いボディと黒いバンパー、そしてキャップレスの鉄チンホイールが似合うと思うのは自分だけでしょうか。

ドアを開けると、たしかに運転席しかないのを確認。もともとN-VANは運転席以外はフラットに格納できるのがセールスポイントですが、さらに割り切ってシートを取っ払うことで積載性能をギリギリまで向上させているのが本グレードのキモ。しかして運転席については仕事場として不満なきようクッション性や乗降性をバランスさせた出来映えとなっているのも見逃せないところでは?

IMG_6645
 
そして快適性といえばオートエアコンが標準装備というのもうれしい部分かもしれません。続きを読む
記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ