クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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追従クルーズコントロール

自動運転レベル2相当のACCは運転支援システムだからユーザーの使い方で安全性に差が生まれる

雨の日などスリッピーな路面ではドライバー監視を強めると同時に、車間距離設定も意識して調整すべし



最近のニューモデルは走りや燃費においては大差なくなってしまい、いまやADAS(Advanced Driver Assistance Systems:先進運転支援システム)の機能差や仕上がりによって差別化される時代だったりします。

とはいえ、いわゆる自動運転のレベル分けでいうと公式にレベル3に到達しているのはホンダ・レジェンドのホンダセンシング・エリートのみ。それ以外のADASはいずれもレベル2止まりというのが現状。それでもハンズオフできる自動運転レベル2については「レベル2+」といった表現をすることもありますが、あくまで俗称であって基準が曖昧な表現なのであまり使わないほうがいいと思うこともしばしば。

ところで、高速道路で使えるADASといえば、先行車との車間を保つACC(アダプティブクルーズコントロール)と区画線を認識して車線中央を維持する操舵アシストが双璧ですが、ACCについてはユーザーが車間距離を設定できるようになっております。その意味を、あらためて考えてみたいというのが、上に貼った動画のテーマ。


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足踏み式パーキングブレーキながら渋滞対応ACCを採用したという新型タント

ダイハツの軽自動車として初めて全車速対応ACCを用意するが、選べるのは最上級グレードのみ
ダイハツの屋台骨ともいえる量販モデルにして、元祖スーパーハイト軽自動車「タント」が4代目へとフルモデルチェンジ。そのメカニズムや設計思想については手短に書けないほど濃い中身なのですが、まず気になったのは全車速対応ACCを設定していること。これまでACC(先行車追従クルーズコントロール)を選べることのできる軽自動車はホンダN-BOXと日産デイズ、三菱eKワゴン/eKクロスだけで、停止までカバーする全車速対応ACCとなるとデイズとeKくらい。すでに7月18日にデビューするホンダN-WGNも同様の機能を備えることをティザーサイトで公表しておりますが、発売のタイミングとしてはダイハツが二番手で実現といったところでしょうか。

ただし、新型タントにおいてACCが選べるのは標準グレードのターボXとカスタム系のカスタムRSという、それぞれ最上級グレードのみ。レーンキープアシストなどとのセットオプションで、ターボXでは59,800円、カスタムRSでは54,000円のメーカーオプションとなっております。この価格が他グレードでも実現するのであれば幅広く設定してほしいところですが、商品企画的な狙いや製造上での効率などもろもろ事情はあるのでしょう。

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フィットが広げる「ホンダセンシング≒先進安全装備」の世界

30~100km/h限定は残念だが、ホンダのベーシックがACC体験のきっかけを作る
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スタイリングの変更、各部のブラッシュアップなど、 いろいろ進化ポイントはありますが、ビッグマイナーチェンジを果たしたホンダ・フィットにおける最大のポイントはプリクラッシュブレーキやアダプティブクルーズコントロール(ACC)、ステアリングアシストなどを実現する先進安全装備「ホンダセンシング」を全グレードで選べるという点(一部はメーカーオプション設定)ではないかと思う次第。



最廉価グレードとなる1.3リッターガソリンエンジン車にもホンダセンシングが付けられることで、ACCを入手するハードルが下がるというか、営業車やレンタカーにもプリクラッシュブレーキを付ける”ついで”にACCが備わってしまうことで、自動運転技術を体験する機会を増やすのでは? と思うわけです。いつだったか、自動運転への期待と不安といったアンケート結果を見たところ、「日常的にクルーズコントロールを利用しているユーザーは、自動運転技術への期待値が高い」といった話もありました。その流れでいうと、ACCが身近になるほどに自動運転を求める市場マインドが大きくなると同時に、ユーザーの理解も進むのかもしれません。BセグメントでのACC体験というのは、そうした動きを加速するであろう、と思ったりするのですが、さて?

ところで、間もなくフルモデルチェンジを実施するナンバーワン軽自動車「N-BOX」ではホンダセンシングが標準装備されることがティザーサイトにて公表されているわけですが、お値段的にどちらが安いのか微妙でしょうし、なにより前述したように営業車やレンタカーといった用途を考えるとフィットによるACC体験というのは「自動運転時代に向けてドライバーの意識を変えた」と後に評価されるポイントになるのでは? もちろん、軽自動車によるACCの普及という点においては次期N-BOXが果たす役割も大きいでしょうし、無視できないのは当然ではありますけれど…。

精進します。
  




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プリクラッシュブレーキと追従クルーズコントロールとハイブリッドの組み合わせ

なんだかんだ言いながら新製品・新型車が止まることのない業界ではあります。グローバル化などと言われますが、仕向地・各市場ごとに特性があって、グローバル市場という大きなマスがあるわけではない、というのが肌感覚。たとえば、中国市場向けにロングホイールベースのリムジン仕様が、用意されているのもその一例でしょうか。

そして日本市場はといえば、グローバルの中では極端にハイブリッド優勢のトレンドとなっているというのが大方の意見。燃費性能の数字ではなく「ハイブリッドであることによるイメージ」が重要な市場といえそう。

そして、最近感じるのは「ぶつからない自動ブレーキ」という(その表現が適切かどうかは別問題として)プリクラッシュブレーキを装備していることが、その性能に関わらず市場でのイメージアップに必須要件となりつつあるのではないか、ということ。

プリクラッシュブレーキというのは「衝突被害軽減」だけを意味している言葉で、赤外線を使ったシンプルなシステムもありますが、おそらく追従クルーズコントロールを可能とするミリ波レーダー・カメラ方式が主流となっていくだろう、と予想するところで、市場ニーズも「ただ止まるだけでなく、付いていくこと」を当然としていくだろう、と想像する今日このごろ。

極論めきますが、『プリクラッシュブレーキと追従クルーズコントロールとハイブリッド』が日本市場のニーズを満たす最低条件になっていくのでは? などと思うのでありました。


で、そうしたトレンドを商品名として象徴するのが『アイサイト付きプリウス』というわけ。

スバルがアイサイトをトヨタに供給すべきという意味ではありませんです、あしからず。


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思えば、アイサイト付きハイブリッドカーとしては、すでにスバルにXVハイブリッドが存在しているのでした。このクルマが、もう少し燃費性能の数字としてアピールできるものがあれば、市場での人気、存在感が増すと思うのです……。

なにしろ、アイサイトの素晴らしさはステレオカメラを使っているというメカニズムだけではなく、むしろ追従クルーズコントロールでの緻密さにあり。それはは経験の差といえるもので、近年はアイサイト関係の開発にリソースを割いているといいますから、スバルの優位性は揺るぎないといえそう。

乱暴に言ってしまうと、ぶつからないこと自体はサプライヤーだけでも可能(前方との距離を計測、フルブレーキをかければいい)といえますが、渋滞時の追従クルーズコントロールは、ノーズダイブなどの姿勢変化、加減速のマナーが求められ、メーカー間の差が出やすいところ。

自動運転になると、メーカーのドライビングへの理解と表現力の差が、いま以上に大きくなりそうだと予感させてくれるほど追従クルーズコントロール時のマナーは差があるのでした。なにしろ、ドライバーという不確定要素がなくなるわけですから、当然といえば当然です。

そうした技術的な熟成度も含めて「プリクラッシュブレーキと追従クルーズコントロールとハイブリッド」を象徴するキーワードとして『アイサイト付きプリウス』と表現したという部分もあるのでした、ハイ。




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