クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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自律走行

キャデラックの自律走行コンセプトは操作系を持たず大きなディスプレイを用意する

CES 2022で発表されたキャデラック「InnerSpace(インナースペース)」は自律走行技術を搭載したEVコンセプト

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100年に一度の大改革を示すCASEというキーワードは、いずれも自動車というモビリティの価値観を変える要素ですが、とくに自動運転はクルマに乗るということの意味合いを大きく変えてしまう要素。現時点では自動運転テクノロジーは、運転支援の域を出ていないわけですが、将来的に”自律走行”が可能になれば人類はクルマを運転するという行為から解放される可能性があるからです。

ドライビング自体を楽しみたいという向きもあるでしょうが、単純に移動として考えると機械による自律走行(完全自動運転)というのは移動の価値を変えるのは間違いありません。移動の時間は、運転以外の行為をすることが可能になり、それを前提に生活を組み立てることが可能となるからです。

自律走行のクルマで移動する際に、体を休めてもいいでしょうし、会議や仕事を進めることもできましょう。さらに映画鑑賞やゲームプレイといった楽しみ方も可能となるはず。ともかく、クルマの中は寝室であり、仕事部屋であり、リビングルームにもなり得るわけです。

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自動運転を超える無人運転の試験がカリフォルニアで始まる

自動運転は、どんなレベルになろうと乗員が乗っていることが前提の技術でありますが、その上をいくのが無人運転。技術的には自動運転の最高レベルと無人運転というのは運転操作を行なう乗員がいない自律走行車という点では同じように思えるのですが、さにあらず。国際条約における位置づけが異なるので、走行試験の難しさがあるのでした。

今回、カリフォルニアで許可がおりたエリアで行なえるのが、無人運転なのか最高レベルの自動運転なのか微妙でありますが、無人車両も含めた実証実験ができるのであれば、大ニュースなのですが、はて?

ところで、この手の自動運転のニュースになるとGoogleのようなIT企業の名前が出てくるのが常。とはいえ、試験の許可がおりた地域というのは、すでにホンダが自律走行車のテストをしている地域としてちょっと前に発表されたところ。その手の特区的なエリアのようであります、ハイ。

それにしても、ホンダが発表した、屋根の上に空間センサーを載せた写真はイメージとしてはありですが、技術レベルとしてはちょっと古く感じるのは気のせいでしょうか(汗)

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精進します。

  







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フォードが2021年までに「SAEレベル4」の自動運転を投入すると宣言

もろもろ話題を集めているように、アメリカでフォードが自動運転車(SAEレベル4)を市場投入すると宣言しております。
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リリースでもSAEレベル4と明確に記されておりますが、SAEでいうところの自動運転はレベル1~5までの5段階(レベル0は自動化技術なし)。その中でレベル4は、完全自動化の一歩手前となる「高度な自動化」と示されているのですが、そのあたりは以前ascii.jpに寄稿した記事で整理したところでもあります。でありますから、国土交通省が言うところのレベル4(リンク先pdfの2ページ目に表組あり)とは、ちょっとニュアンスが違う点は留意しておくべきかもしれません。
PALO ALTO, Calif., Aug. 16, 2016 – Ford today announces its intent to have a high-volume, fully autonomous SAE level 4-capable vehicle in commercial operation in 2021 in a ride-hailing or ride-sharing service.

Autonomous vehicles in 2021 are part of Ford Smart Mobility, the company’s plan to be a leader in autonomous vehicles, as well as in connectivity, mobility, the customer experience, and data and analytics.

非常に乱暴に言ってしまうと、自動運転に関する開発においてはセンサーを含めたハードウェアはすでにコストダウンのフェイズで、制御するAI(人工知能)は開発真っ盛り、そしてロードマップに影響するのは法整備という印象。

つまり、フォードの発表というのは技術的な目処が立ったというよりは、2021年までにSAEレベル4の自動運転車を公道で走らせるための法整備ができそうという話であると考えられるわけです。その理由がロビイングを後押しするためなのか、ロビイングの成果なのかは不明ですが(汗)

もっとも、自動運転というのは自動車産業が自国経済の中で重要と考える国にとって将来を期待できるキーワードであり、技術競争以外の法やインフラ整備の点で、ディファクトスタンダードを取ろうとしている段階でもあります。日本でも経済産業省が推しているのは、そうした理由でありましょう。その点においては2020年の東京オリ・パラに向けたアクションというのは自動運転のあれこれを加速させるのでありましょうけれど。

そして、そう考えるとメーカーと政府の利害関係は一致する部分もあり、この手の報道発表は、そうした視点で読み解くことも必要なのだろうな、と思う今日このごろであります、ハイ。


精進します。
  







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Googleの自動運転、そのパートナーはFCAになる?

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自動運転・自律走行車といえば、IT企業の次なる一手となりつつあるジャンル。とはいえ、車両開発から行なうというのは、ちょっと考えづらいのであります(試作車レベルならともかく量産設備を整えるのは疑問ですので)。
ひとまず、自動車メーカーと組むという流れがあっての、自動車メーカーが単なる生産請負工場になるか、居抜きで空いている工場を利用するかといったイメージで見ているのでありますが、2016年5月3日にGoogleとFCA(フィアットクライスラー)が連携するという発表あり。

Google Self-Driving Car Project and FCA Announce First-of-its-kind Collaboration(リンク先はpdf)
 Google expands self-driving test program with the all-new 2017 Chrysler Pacifica Hybrid minivan
 FCA engineers to work alongside Google engineers to integrate self-driving technology into vehicle
 Self-driving cars have the potential to make our roads safer and make transportation more accessible for millions of people
リリースの内容を大雑把にピックアップすると、ベースモデルはクライスラーのハイブリッドミニバンで、Googleの自律走行プログラムを搭載した試験車を100台ほどを製作。単純にクルマ(ハードウェア)をGoogleに提供するのではなく、共同の研究所を設けて、そこで互いのエンジニアがコミュニケーションしながら自律走行車の開発を進める…といったところでしょうか。

これまでGoogleのセルフドライビングカー(公道実験車)は同社が独自に改良したものという認識ですが、こうして自動車メーカーとコラボレーションするということは、ハードウェアの改良などで可能なことはハードに任せることで、自律走行車の最適デザインを探るというプロジェクトへとステップアップしていくように思えますが、さて?




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日本でも公道実験実施中。日産の自律走行車に再会【人とくるまのテクノロジー展2015】

2013年あたりから自律走行車の実験を開始している日産。すでに公道実験可能なナンバーを取得したリーフを有していることは正式に発表されたものの、イベントで走行している程度で音沙汰なしな印象もありましたが、実際に市街地走行でのデータを蓄積しているそうで。

そんな日産の自律走行実験車(電気自動車 リーフがベースで、日産的には”Autonomous Drive” )に人とくるまのテクノロジー展2015の同社ブースにて2013年以来の再会と相成ったのでした。

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バンパーやリアドアなどにセンサが埋め込まれていることを示すディテールはありますが、シルエットは量産車そのままというのが自律走行がクローズドの実験レベルではないことを感じさせる仕上がりの一台。

そうした印象は初対面から変わっていないのは、展示車が変わっていないからなのでありましょうか(汗)

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ところで、2013年の段階で公道実証用のナンバープレートを取得している日産のAutonomous Drive車。メディア向けのデモンストレーション以外でも、もちろん実証走行は行なっている模様。

具体的な走行距離について知ることができませんでしたが、それなりに公道での経験を積んでいる様子。

そうして経験を積んでいることをアピールし過ぎると、実証走行を野次馬がジャマしたりといった心配もあるのかもしれませんが、具体的な走行エリアはともかく経験自体は、もっとアピールしたほうがいいのでは? と思ってみたり。

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また、初期にはセンサの能力的に中低速域をカバーするのが精一杯といった印象も受けたものですが、すでに高速道路の合流も自律走行で可能になっているよう(クローズドコースでの実験映像が公開されておりました)。

2016年に高速道路の自動運転、2020年には市街地での自動運転をロードマップとして示す日産のAutonomous Drive テクノロジー。現在のバッテリー技術においては重量と航続距離のジレンマから、電気自動車というのは近距離ユースとなりましょうが、短距離移動と充電の手間を考えたときに、自動運転によって充電までも自律化(その際には無接触充電となりましょう)すると、電気自動車の普及を促進するソリューションになりそう。

そして、充電の自動化も含めた自律走行および自動運転が実現したときに電気自動車の価値を再確認させることになるのだと思ってみたりする今日このごろ。


精進します。













自律走行車に免許交付という、ある種のシュール

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Sunnyvale, USA. On 16 September 2014 the US federal state of California introduced a legal requirement for an official licence for testing vehicles in autonomous driving mode on public roads. On "Senate Bill No. 1298" taking effect, Mercedes-Benz received a corresponding licence permitting it to test vehicles in autonomous driving mode in daily traffic on California's roads. For Mercedes-Benz, which has been resident in Silicon Valley for almost 20 years now, this represents a further expansion of the company's extensive research activities in the USA.


アメリカ・カリフォルニア州にて自動運転・自律走行車を運用するための許可証がメルセデス・ベンツに渡されたというニュース。運転免許証というわけではありませんが、見方によっては機械にドライビング・ライセンスが交付されたという風にも見え、ある意味で「ロボットに運転免許証を渡した」ともいえそう。そんな風に煽ると、それなりにセンセーショナルかもしれませんが、むしろ個人的には、機械に運転免許を交付というのは、なんとも言えぬ怖さというか、シュールさを感じてしまうのでした。

もちろん、今回の許可は、公道実験を行なうための許可であって、その機械に対して自動運転が可能なレベルであると判断したわけではないのでしょうが……。
 
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