クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

自動車保険

「自動ブレーキ」にインセンティブ、自動車保険のASV割引が2018年より開始

AEB(衝突被害軽減ブレーキ)の装備でクルマの任意保険が 9 % 割引!
image
ネットオンリーの保険は別として、いわゆる任意保険は横並びの設定でありますが、2018年より「ASV割引」がスタートということで、そのチラシをチラリ。

AEB(オートノマス・エマージェンシー・ブレーキ=衝突被害軽減ブレーキ)を搭載したASV(アドバンスド・セーフティ・ビークル=先進安全自動車)について、いわゆる任意保険を9%も割り引くという制度で、そのポイントは「該当モデルの発売から3年間だけ割引になる」という点。とはいえ、3年経ったら値上がりするわけではなく、「AEBによるリスク低減効果が、該当モデルの料率に反映されるので特別に割引をする必要がなくなる」というロジックであります。このあたり、実際に運用していく中で個別の話は出てくるでしょうから、いろいろウォッチしていく必要はありそうですが、さて?

そして、ASV割引が生まれたことで、車種ごとの保険リスクを示す『型式別料率クラス制度』が、さらに注目を浴び、クルマ選びの指標となりそうな予感ビンビンであります、ハイ(汗)

【参考】
金融庁:任意自動車保険のASV割引の導入について (平成2 9年2月2 8日)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/supportcar/pdf/002_06_00.pdf

精進します。
  




人気ブログランキング

自動車保険の支払いが増えているのはなぜ?

というニュースを見ての違和感は、日本における交通事故の発生件数もけが人の数もこのところ減少傾向にあるから。重傷者率も年々下がっているので、件数は減ったけれど治療費は高騰しているともいえなさそう。

jiko2014
※出典:平成24年中の交通事故の発生状況(警察庁交通局)



もちろん、この事故データには任意保険の加入・未加入は考慮されておりません。ですから、事故を起こすひとは保険加入率が高く、いわゆる任意保険の加入者における事故件数は増えているのだ、という主張もありえるかもしれませんが、ここまで事故件数が減っていると、それは不自然な主張といえそう。


と、つぶやいたところ、2003年から2012年にかけての保険加入率のデータをお教えいただきまして。
それによると対人・対物は70%あたりで安定しているものの、搭乗者保険は61%から43%へ減少、そして車両保険は35%から42%へと増えております。



いずれにせよ、高齢化により事故件数が増えているから保険支払いが増えているという論調は、そもそもの事故件数が激減していることからも数字的には違和感あるものなのであります(感情的には納得できそうなのが紛らわしい感じ)。

ただし、飛び石によるフロントウインドウの修理、駐車場でぶつけたなど車両保険でカバーされる修理案件については交通事故にカウントされないので、そのあたりの数字は気になります。

そして、むしろ保険業界には、事故一件あたりの支払い額推移などのデータを提示してほしいところ。その上で、修理代の安く済む車種ほど車両保険料を低くすれば、ユーザーのクルマ選びに対して新しい指針となるのでは? すでに欧州の一部では、そうしたユーザー目線もあると耳にしたことありますし……。

優先順位としては当たり前なので否定する話ではないと前置きしますが、人間を助ける衝突安全ボディは、クラッシャブルゾーンが大きく、修理が高額になりがちな印象はあり。歩行者保護の問題もあるので、ボディ外側は潰れやすくなっていくのがトレンドで、それが保険支払の高騰につながっている可能性も考えてしまうのでありました。しかし、だとすれば保険料の高騰は致し方ない事象ともいえそう。

ただ、それでも実際の数字では圧倒的に減っている事故件数を理由に保険料を値上げするのは腑に落ちない話であり、高齢化を理由にするのも、なんだか誤魔化しではないかと思ってしまう今日このごろなのでした。

記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ