クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

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直噴

ガソリン直噴ターボも、量産車世界初は三菱自動車

最近の新車事情からすると、ガソリン直噴ターボといえばドイツ車が提案してきた「ダウンサイジング過給コンセプト」に代表されるように欧州から発信されたトレンドという印象が強いのですが、思えばガソリン直噴といえば20世紀に日本で三菱自動車が量産車に採用した技術という記憶もあり。

その後の流れが朧げだったので、次のようなツイートをしたところ……

リプライで教えていただきました。

そう、ガソリン直噴ターボも量産したのは三菱自動車が最初で、2000年7月のマイナーチェンジで、パジェロイオ(縦置きエンジンレイアウトのクロカン4WD)に積まれた4G93インタークーラーターボがその記念すべきエンジン。

4G93GDI-Turbo

4G93 GDI TURBO SPECIFICATIONS
  • ボア:81.0mm
  • ストローク:89.0mm
  • 総排気量:1834cc
  • 圧縮比:10.0
  • 最高出力:118kW/5200rpm
  • 最大トルク: 220Nm/3500rpm
当時、排気量のわりにパワーがないエンジンだなあというネガな印象をもった記憶もありますが、あらためてスペックを眺めると、圧縮比は十分に高くしてありますし、トルクは十分以上に出ていて、ダウンサイジングターボとして高評価すべきユニットといえるのでした。いまさらながら、当時の印象は直噴ターボのメリットや活かし方を理解できていなかったからなのだなあ、と反省することしきり(汗)

ちなみに、パジェロイオとはこの画像に写っているモデル。
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この個体は先日いっしょにお仕事した方の個人車で、自然吸気のGDIエンジンだったと記憶しておりますが……。


精進します。














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水冷インタークーラーで0-100km/h加速を4%カイゼン

3S-GTE以来となるトヨタ内製2.0Lガソリンターボ「8AR-FTS」を搭載したレクサスNX200tが欧州でもローンチのようで、エンジンメインでをアピールするリリースが出ております。
 

LEXUS_NX_200t_F_SPORT_03_DPL_2015

注目はインタークーラー。

そもそもインタークーラーとは、ターボチャージャーによって圧縮したことで上昇した温度を冷やし密度を上げるという、なんともマッチポンプ的かつ、ターボには欠かせないアイテムでありますが、NX200tのエンジンでは水冷式を採用しているのが現代的なトレンドであり、アピールポイントとなっております。
The water-cooled intercooler provides strong advantages in starting off acceleration and a 0.3-second reduction in 0–100km/h acceleration time over an air-to-air type alternative. The acceleration curve prioritises torque delivery at low speeds. 

the new engine generates maximum power of 175 kW/238 DIN hp at 4800-5600 rpm and 350Nm of torque from 1650-4000 rpm, giving the NX 200t a 0-100 km/h acceleration time of 7.1 seconds and a maximum speed of 200 km/h The turbo returns an average fuel consumption of 7.7 l/100 km generates CO2 emissions of 178 g/km.
一般論で水冷式インタークーラーのメリットは大きく2つ。

ひとつは風の当たる場所に設置しなくて済むのでレイアウトの自由度があがり、パイピングを短くできること。それによりレスポンスを向上させるわけです。

もうひとつ、走行風により冷却する空冷式インタークーラーは走行速度によって冷却性能が左右されますが、水冷式であれば低速域から十分に機能するため、吸気温度の管理がしやすく、速度や外気温に関わらず狙った通りの性能が出しやすい点。

そうしたメリットはより、NX200tにおいては0-100km/h加速で0.3秒もの短縮を実現したとのこと。もっとも、この数字自体は大袈裟な気もしますが……。

この数字をそのまま信じれば、0-100km/h加速7.4秒が7.1秒になったということで、4~5%のパフォーマンスアップにつながったといえそう。

なるほど、ダウンサイジング指向から過給エンジンがトレンドになる中で、水冷式インタークーラーが増えているわけです。とくに低速域での冷却性能という点は、ダウンサイジング過給エンジンの求める日常域での性能確保に合致するものですから。

逆にいえば高速域での性能をメインに考えた場合は、空冷式インタークーラーで十分に冷却性能を満たすわけですし、冷却水のぶんだ重量増になるという水冷式のネガをクリアできるのでありますが。


それはともかく日本においてNXは人気で納車は数ヶ月先とのこと。景気回復しているようです(汗)


精進します。




















早すぎたテクノロジー、20世紀のGDIに思う

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エンジンカバーに隠れて、わかりづらいかもしれませんが、かすかに見えるオルタネーターから縦置きレイアウトであることが見て取れる、この一枚。

そして、エンジンカバーには『GDI』の文字。

縦置き、ガソリン直噴となれば……そう、三菱のクロカン系モデルでありまして、これはパジェロイオに搭載される4G93型エンジンの勇姿であります。

1.8リッターで、ハイオク指定の直噴エンジン。今にして思えば、このエンジンが目指したところは、まさしく正しい進化の方向であったのですが、当時はそれに気づけず。パジェロイオというクルマのキャラに対してハイオク指定であることのネガや、また直噴システムへの心配などが先に立っていたような記憶あり。

正直いえば、このクルマが登場した1998年頃には、直噴の高圧縮比での耐ノック性などのメリットは腑に落ちていなかったのでした。あの段階で、もうちょっと直噴の可能性を理解できて、いまの方向性がわかっていれば、もっと違う印象を受けたのだろうな、とあらためて思う2015年でありました。

もっともガソリン直噴については、PMの発生など新たな問題も提示されているので、それが最終的な解ではなく、まだまだ変化していくことも間違いないわけですが。

精進します。






続・デミオのガソリンエンジン記

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次期型NDロードスターが、SKYACTIV-G 1.5 とアナウンスされたことで、あらためて小排気量スカイアクティブ・ガソリンエンジンに注目なタイミングですが、デミオの1.3リッターは果たしてスカイアクティブといえるのかどうか、ちょっと疑問を抱えたままでスッキリしない日々でもあり。

というのも、デミオのガソリンエンジンについては、圧縮比を12.0に落として、デュアルS-VT(可変バルタイ)をやめて、吸気側だけのVTにしたそうで。たしかに直噴ではありますが、初期にうたわれたスカイアクティブを満たすもろもろの条件が足りないような気がしてしまうのです。



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エキマニのレイアウトにしても、Bセグメントのボディで後方排気ではスペース的に厳しいのか、先代に引き続き4-1レイアウトになっておりますし、触媒の後ろにEGRパイプが生えているかどうかも、目視では確認できなかったので、内部EGRは利用しているかもですが、もしやEGRはほとんど使っていない? 

仕事柄、本来は取材すべきなのでしょうが、個人的な好奇心と、せいぜいこのブログに掲載するくらいで広報セクションの手を煩わせるわけにはいかないので、詳細は技報が出るまでガマンなのであります(汗)
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左様に、スカイアクティブ的ではないエンジンですが、だからといって乗り味に不満があるかといえば、そんなことはなく。むしろ、燃費を求めて無理をさせているという雰囲気がないのは好印象。

ミラーサイクル(高膨張比)で燃費を稼ぐのは、リアルワールドでは難しい面もあるという印象なので、デミオの1.3リッターガソリンが持つ、いかにも”自然吸気”なフィーリングが、そのまま発展したハイコンプ仕様としてロードスターにつながると考えると、かなり期待の高まる今日このごろなのでした。


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ガソリン、ぷしゃぷしゃー。直噴エンジンは過半数を超える?!

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最大15%の燃費向上を可能にするボッシュのガソリン直噴システムなる発表によれば、ガソリン直噴システムは拡大の一途をたどっている模様。

欧州の厳しい排出ガス規制が導入されたことで、2000年代初めにガソリン直噴システムがマス マーケットに投入されました。2021年までに車両の平均的なCO2 排出量が1 kmあたり95 gに制限されるため、この傾向は続くことになります。このため、欧州では早くも2016年に、ガソリン エンジンを搭載した新車の約半数に直噴システムが装備されることになる見込みとなりました。


非常に乱暴な言い方になりますが、ガソリンエンジンの性能が圧縮比で決まるとすれば、圧縮比を上げていった際の大きな壁となるノッキングへ対抗する手段としての直噴システムというのは有効過ぎるといえるもので、たしかに熱効率を求めていくと、コストさえクリアできれば、直噴が主流になるのは明らか。そして、ボッシュなどのサプライヤーによるコストダウンが、普及を後押ししているのだろうな、とも予想できるわけです。

ところで、直噴とポート噴射の比較でいうと、最近おもしろいと思ったのがスバルFB16エンジンの圧縮比。

インプレッサに搭載されるポート噴射のFB16(自然吸気)は10.5 なのに対して、レヴォーグの直噴ターボFB16DITの圧縮比は11.0。いずれもレギュラーガソリン仕様なので、燃料によるノッキングの違いはないとして、通常であればノッキングに厳しいはずの過給エンジンのほうが圧縮比をあげられるというのは、まさに直噴のメリットを示している好例といえそう。

もちろん、この両エンジンの違いは燃料噴射システムだけではないにせよですが、最初に数字を見たときは誤植じゃないかと思ったくらい、おどろいたものです「圧縮比11.0のターボエンジン」には。

これだけのポテンシャルがあるのですから、そりゃ先進国市場であればガソリンエンジンの過半数が直噴になるというのも不思議な話じゃありません。

ちなみに、スバルFB16DITの制御系は、ボッシュではなく日立オートモーティブ系のそれだったと記憶しております、あしからず。

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大型連休、アタマのトレーニングに。

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ちょっと前の話ですが、世界初の乗用車用ガソリン直噴エンジンと言われている、メルセデス・ベンツ300SLの直噴システムに関する図版を、ボッシュが発表しておりました。

1954年デビューの300SLですから、60年前のシステムというわけですが、それだけ長きにわたって直噴システムを供給してきた(途中の抜け期間はありますが)というトップサプライヤらしいアピールであります。

現在の開弁率(噴射時間・回数)を電子制御しているのとは異なる、コントロールロッドによりプランジャーを回してガソリンのデリバリー量を変える仕組みは図版中央に3段階で載っておりますが、なるほどこうして噴射量をコントロールしていたのでした。

もちろん、燃圧もメカニカルポンプで上げているのですが、その流れも興味深いところであり、また各インジェクターからリターンされている構造も気になるところ。それにしても、燃料リターンというのは、ちょっと前までは当たり前の存在でしたが、すっかり過去の存在というイメージになっているのは自分だけでしょうか。


恥ずかしながら勉強不足ゆえに初見の図版ではありますが、それゆえに、この仕組みを脳内で動かそうとするのは、かなりの難易度といえそう。時間のある大型連休、アタマのトレーニングにいかがでしょう?

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