クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

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決算

米テスラ社、初の年間黒字を達成。その中身を決算報告から見てみよう

自動車部門の売上は272億ドル、純利益は7億2100万ドル、作ったクルマは50万台

2021-01-28 (2)

いまさら説明不要でしょう、アメリカに本拠を置くEVベンチャー「Tesla」がついに年間黒字を達成したという報道あり。さっそく同社が公開している決算発表のデータを見ていると、たしかに2020年の純利益は7億2100万ドルで立派な黒字となっているのでした。

ちなみに2019年の決算では年間で8億6200万ドルの赤字でしたから、単純計算で前年から15億8300万ドルも利益が増えたというわけ(そんなに単純な話ではないのは百も承知ですが)。

では、テスラ社の決算を見て、どうやって黒字になったのかを探ってみようというのが、このエントリの目的。ビジネスモデルとしては電気自動車で主体で、ソーラーパネルなどの販売も手掛けるという感じなのは前年から大きく変わったわけではないはずで、それで黒字化したということは単純にクルマがいっぱい売れたということなのでしょうか?


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トヨタにとってのSDGsはフィロソフィーそのもの。キーワードは「可動性」

トヨタが量産するのは自動車ではなく「幸せ」と宣言。オートモーティブ事業にこだわらないことを暗示か?

昨日のエントリでも触れたように、2020年11月6日にトヨタ自動車が2021年3月期 第2四半期決算説明会を発表しております。そして、四半期決算としては珍しいことに、豊田章男 社長が出席し、自らの言葉でメッセージを発したのでした。

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昨日のエントリでは、その前半部分に着目して考察したのですが、今回は後半部分に出てくる「SDGs」や「可動性」について考えてみようと思うわけです。



豊田章男 社長のメッセージについてはリンク先から文字情報や動画で確認することができますが、後半のテーマをまとめると”トヨタのフィロソフィー(哲学/原理)とSDGs(持続可能な開発目標)」となりますでしょうか。前半部分において『動車で日本をけん引する』という強い思いを述べた豊田氏は、その想いがトヨタ自動車が創業されたときの『自動車で日本の人々を豊かにする』という豊田喜一郎翁の想いに通ずるものだというのです。

そして……




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豊田章男 氏の心意気「日本経済の復興は自動車業界が牽引する」

コロナ危機に立ち向かう姿勢を示す。トヨタ自動車社長として、自動車工業会の会長として。

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トヨタ自動車が2021年3月期 第2四半期決算説明会を2020年11月6日に発表。

概要としては、営業収益が11兆3752億円(前年同期比3兆9830億円減)で、当期利益は6293億円(同5201億円減)。新型コロナウイルスの影響によって利益は減っていますが、着実に復活への道を歩んでいることを示す決算で、5月の本決算で発表した『全世界販売 800 万台、今期の営業利益 5000 億円という見通し』をクリアすることは確実、営業利益については見通しを1兆3000億円と大きく増やしております。なお、連結販売台数については750万台と見直しを上方修正しております。

このようにコロナ禍とは思えないほど好調な数字を並べておりますが、今回注目したいのはそして、こうした四半期決算報告では異例のこととして、豊田章男社長が登壇しコロナ禍における思いを伝えていること。

その趣旨としてはコロナ禍における販売回復に対する従業員への感謝と、「自動車が日本経済のけん引役になろう」というもの。トヨタ自動車の社長だけでなく、自工会(自動車工業会)の会長という立場にもある豊田章男氏ならではの発言といえるかもしれません。

そうしたスピーチについては以下のリンク先に貼られた動画にてご確認ください。



ちなみに、決算の数字はこちらのリンク先にまとまっております。






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2019年度 決算発表から「トヨタの仲間」のスケールを実感する

国内乗用車メーカー7社の決算発表を数字で比較。
各社の四輪販売台数から見えるものとは?


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トヨタに始まり、日産で終わる。2019年度(2020年3月期)の自動車メーカー各社の決算発表がひとまず出揃いました。日産によると同期の全需は8,573万台で前期比6.9%減ということで、また新型コロナウイルスの影響もあって基本的に自動車メーカーには厳しい決算となっております。

以下、各社の発表値から世界販売台数(四輪のみ)、売上、営業利益、当期純利益の4項目を抜き出して並べてみましたが、前期比で増が並んでいるのはSUBARUのみ。あとはトヨタが純利益を増にしているくらいで、他社は減・減・減と並んでいますし、三菱自動車と日産というアライアンスを組む両社は利益の出ていない赤字決算となっているのでした。

※1:四輪のみ
MITSUBISHISUBARUMAZDASUZUKI
世界販売台数112.7万台103.4万台141.9万台285.2万台(※1)
 〃前年比9%減3.3%増9%減14.3%減
売上2兆2703億円3兆3341億円3兆4303億円3兆4884億円
 〃前年比10%減6.0%増4%減9.9%減
営業利益128億円2103億円436億円2151億円
 〃前年比89%減15.7%増47%減33.7%減
当期利益▲258億円1526億円121億円1342億円
 〃前年比1587億円減7.9%増81%減24.9%減
期末配当予定0円28円20円48円(※2)
※2:100周年記念配当11円含む 

※3:グループ合計1045.7万台
NISSANHONDATOYOTA
493万台479万台(※1)895.8万台(※3)
10.6%減10.1%減0.3%減
9兆8789億円14兆9,310億円29兆9299億円
14.6%減6.0%減1%減
▲405億円6,336億円2兆4428億円
3587億円減12.8%減1%減
▲6712億円4,557億円2兆761億円
9903億円減25.3%減10%増
0円28円100円

なお、スズキとホンダについては台数は四輪のみながら、売上については全部門の合計なので、ちょっと誤解しそうなまとめ方ではありますが、どの企業においても自動車以外の部門がゼロではないので、あくまで企業の規模感を知る参考値くらいに捉えていただければ。

そういう意味で興味深いのは、台数ベースでいうとSUBARUの3倍近いスズキが、売上になると同等レベルになってしまうこと。単純にSUBARUのほうが付加価値の高いビジネスが出来ているといえますが、乗用車をインフラとして捉えるとスズキの強さも感じることができるのでは?

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トヨタの決算発表、章男社長のコメントから気になる部分を抜き出してみる

非常時こそ企業は成長できる、という強いメッセージに心を揺さぶられる

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で世界経済が冷え込んでいます。そんな2020年05月12日、トヨタ自動車は2020年3月期 決算説明会を実施しました。ここでは、その説明会においてトヨタ自動車の豊田章男社長が放ったメッセージから気になる部分を抜きだし、気になった理由を記しておこうと思う次第。
20200512_financial_results_06_s

リンク先で全文をご確認いただきたいのですが、経済メディアに向けてくぎを刺した次の一文がまずは印象に残ります。

今の世の中、「V字回復」ということがもてはやされる傾向があるような気がしております。

雇用を犠牲にして、国内でのモノづくりを犠牲にして、いろいろなことを「やめること」によって、個社の業績を回復させる。それが批判されるのではなく、むしろ評価されることが往々にしてあるような気がしてなりません。
帳簿上は資産売却などで回復させることもできますし、それは有効な手段とされてきましたが、今回のコロナ危機ともいえる状況において内部留保を持っていることの強さを感じると、豊田章男氏の発言にも重みがあると感じてしまう次第なのでした。

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