クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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水素社会

トヨタWoven CityにはENEOSによるグリーン水素が供給される!

グリーン水素とは水電解装置にて再生可能エネルギー由来で作られた水素のこと

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日本では経済産業省が中心となって進めている印象もある「水素社会」。一見すると化石燃料を水素に置き換えるエネルギー政策を想像してしまう部分もあります。当面はそうした部分もあるでしょうが、将来的な方向としては再生可能エネルギー(風力・太陽光など)により発電した電気を水素のカタチにして保存・活用する社会という風に捉えるべきでしょう。ガソリン改質で水素を生み出してもカーボンニュートラル的には意味がありませんから。

そんな再生可能エネルギーで生み出す水素のことを「グリーン水素」と名付けているのが日本の産業界であります。水素生成の段階からカーボンニュートラルという意味合いと捉えることもできますし、具体的には再生可能エネルギー電力を利用した水電解によって生み出された水素のことを指す言葉と理解しておけば大筋では問題ないという感じでしょうか。



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ロシアのウクライナ侵攻で脱石油トレンドはさらに加速する!

再生可能エネルギーによる発電をメインに、水素でストレージする水素社会の可能性も高まってきた?

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ロシアのウクライナ侵攻に合わせたわけではなかったりもしますが、結果的にロシアの侵攻に合わせたタイミングおよび内容にリライトして公開したのが、こちらのコラム。



執筆段階では1バレル100ドルを上限に想定していましたが、戦闘が長引くにつれて原油相場も高騰しており、ドバイ原油でいえば3月3日には110ドルを超えてしまったほど。こうなると、原油相場が落ち着くというのは当面考えられず、まして60~80ドルといったあたりに落ち着くまでには相当な時間がかかりそう。身近なガソリン代にしてもリッター200円を前提に生活設計しておくべきかもしれません。

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ロシアのウクライナ侵攻で自動車業界の潮目が変わる!

原油相場の高騰は避けられず、天然ガスに依存した電動化政策も減速せざるを得ない。水素社会というプランBに注目

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2022年2月は歴史に残る出来事が起きてしまいました。ご存知、ロシアによるウクライナ侵攻であります。

世界的にウクライナ侵攻の影響を受けて、政治経済の動きが活発となっておりますが、とくに地続きの欧州各国は政策の見直しを強いられていくのは確実。ロシアへの経済制裁といった手段を取るのであれば、ロシアからの天然ガス輸入をストップさせることは必須といえるでしょうから。

なにしろ、ロシアからパイプラインで送られてくる天然ガスは、欧州における環境対策の一の矢といえる部分もあって(CO2排出はあるものの石炭よりはマシ)、自動車業界でいうところの電動化を支える背景といえる部分もありますので。そうした環境政策のロードマップは、今回のウクライナ侵攻によって完全に破綻したという印象もありなわけです。




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ENEOSが再生可能エネルギー由来の水素を供給。トヨタの定置型燃料電池で電気を供給する世界とは?

トヨタの実験都市「ウーブンシティ」はENEOSをパートナーに水素社会の実現にトライする

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トヨタが静岡県裾野市に建設を進めているスマートシティの実験都市「ウーブン・シティ」において水素社会の先取り実験もすることが明らかになっております。

具体的には、ENEOSが再生可能エネルギーによる水素製造と水素ステーションの運営を担当、そこから水素供給を受けたウーブン・シティではトヨタ製の定置型燃料電池により発電を行ない、シティに電力供給するというのがプロジェクトの基本線。

さらにウーブン・シティとその周辺における物流車両に水素を燃料とする燃料電池車を用い、燃料電池車の水素需要を検証するとのこと。

ようは再生可能エネルギーによって水電解をして生み出したグリーン水素をつかった水素社会が、持続可能なのかを実証しようということでありましょう。


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ついにダイムラーが燃料電池トラックの販売を明言。驚異のスペック、最大トルクは4142Nm!

水素燃料電池トラクターヘッドは2020年代の発売を目指す。パワートレインはFCVとEVのハイブリッド方式

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以前、動画でもお伝えしたようにEU(欧州連合)は水素社会に進むことを宣言しているわけですが、自動車業界で水素社会に対応するソリューションが燃料電池車。そして、動画内でもお話したように水素社会≒電動化社会でありますので、乗用車についてはシンプルな構造でコストダウンが進みやすいであろうBEV(電気自動車)に進むと考えられるわけですが、長距離を走り、また積載量を稼ぎたい商用車(トラックなど)については水素燃料電池のほうが特性的に”合っている”と考えるのが妥当。

というわけで、欧州自動車メーカーにおける燃料電池のリーダー的存在のダイムラー(メルセデス・ベンツ)が燃料電池のトラクターヘッドを発表しております。トラックでありますから大トルクが求められるのは当然ですが、そのスペックは乗用車感覚では、まさしく桁違いでありました。


Interaction between battery and fuel-cell systems

The two stainless-steel liquid-hydrogen tanks intended for the series version of the GenH2 Truck will have a particularly high storage capacity of 80 kilograms (40 kg each) for covering long distances. The stainless-steel tank system consists of two tubes, one within the other, that are connected to each other and vacuum-insulated. In the series version of the GenH2 Truck, the fuel-cell system is to supply 2 x150 kilowatts and the battery is to provide an additional 400 kW temporarily. At 70 kWh, the storage capacity of the battery is relatively low, as it is not intended to meet energy needs, but mainly to be switched on to provide situational power support for the fuel cell, for example during peak loads while accelerating or while driving uphill fully loaded. At the same time, the relatively light battery allows a higher payload. It is to be recharged in series-production vehicles with braking energy and excess fuel-cell energy. A core element of the sophisticated operating strategy of the fuel-cell and battery system is a cooling and heating system that keeps all components at the ideal operating temperature, thus ensuring maximum durability. In a pre-series version, the two electric motors are designed for a total of 2 x 230 kW continuous power and 2 x 330 kW maximum power. Torque is 2 x 1577 Nm and 2 x 2071 Nm respectively. 
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CO2排出量の問題プラス都市部の大気汚染がZEVの推進力になると予想

効率やバランス面では内燃機関を程よく使うことも重要ですが、ゼロエミッション化の優先順位が上がっていると感じる昨今
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自動車に限らず、モビリティ業界全般、いや産業界を含めた社会全体での環境対応というのは急務。とくに気候変動への対策と、その手段としてのCO2排出量削減は、その象徴といえるでしょうか。また、先進国・途上国を問わず都市部での大気汚染(スモッグ)というのは定期的に話題になるところ。日本は目に見える大気汚染(黒煙などのPM系)については他国に先んじてクリアした感はありますが、それでも夏場には光化学スモッグが発生することもあり。内燃機関を使っている限り、大気汚染のリスクは常に背負っている状態といえるわけです。

走行中に排ガスを出さないゼロエミッション車であれば大気汚染のリスクがゼロになるかといえば、生産や発電などの過程で発生する分がありますからそうとはいえないのでしょうが、それでもリスクを抑えることにはつながるはず。CO2排出量の削減と同時に大気汚染への対応を考えると、少なくともパーソナリティモビリティについては再生可能エネルギーを利用したゼロエミッション車を走らせるという方向に向かうだろうというのが、いろいろと眺めてきた上での個人的な予測。自動車メーカーが、そこまでは考えていないというのは理解しつつも、資本経済の仕組みからすると社会的なニーズが生き残る商品を生むわけで。ともかく次世代モビリティを予測するには、CO2排出量削減だけでなく大気汚染の視点も常に持っておく必要があるとは思う次第。もちろん、コネクテッドや自動運転といったテクノロジーも重要なピースになりますから、いずれにしても単純な話にはならないのでありました。

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