クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

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日立

ミラノの二輪ショーに日立アステモが初出展。3ブランドの統合制御に興味津々

モーターサイクルショー『EICMA2021』に日立Astemoが出展。KEIHIN・SHOWA・NISSINの3ブランドをアピール

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2021年11月25〜28日(プレスデー11月23〜24日)に、イタリアのミラノで開催される世界最大級のモーターサイクルショー『EICMA2021』に、日立アステモが初出展するとの発表がありました。

同社は、2021年1月に、日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ、日信工業株式会社の統合会社として生まれた自動車業界の大手サプライヤー。

もともと「KEIHIN」「SHOWA」「NISSIN」の各ブランドはホンダ系サプライヤーとして知られる存在でしたが、ホンダと日立の関係強化によって統合されたと捉えればわかりやすいでしょうか。そのため日立アステモの持株比率は、日立製作所66.6%、本田技研工業33.4%となっております。

そして、EICMA(通称 ミラノショー)には、過去にショーワが2014年から2019年まで出展していたという経緯もあり、2021年は日立Astemoとして初出展。同社の製品ブランドとして展開する「KEIHIN」「SHOWA」「NISSIN」の製品・技術をアピールするということであります。
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日立の「ECU内で車両運動の予測シミュレーションを行なう」新技術とは?

一般道での自動運転精度を上げるための新しい車両制御技術
日立オートモティブシステムズが『一般道での自動運転実用化に向け、安全な走行を実現するための
高精度な追従走行を可能にする技術を開発』という少々長いタイトルにニュースリリースを発表しております。要約すると、一般道における自動運転の課題をクリアする技術開発に成功したというニュース。
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これまで自動運転といえば高速道路がターゲットとなることが多かったのは、高速道路はステアリングの舵角が比較的少なくて済むことや歩行者の存在を基本的には無視できるという点で、一般道での自動運転に比べるとハードルが低いといえるから。ところが、一般道それも住宅街を走らせることを考えると、歩行者の存在は大前提となりますし、ステアリングを一回転以上回す必要にある曲がり角もあるわけで、難易度が上がるわけです。

とくに路地のような小回りが要求される道では上記のような問題が起きていたといいます。それを解決するのが日立オートモティブシステムズの新技術なわけですが、注目したいのは以下の一文。

前方のセンシング情報をそのまますぐに使うのではなく、ECU内に一旦蓄積してから使うことで過去から現在までの点を線(軌道)として認識し、目標となる軌道を高精度に追従できるようにしました。

  


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先進安全技術とアクティブサスペンションの相性とは?

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先進安全支援システム(その行き着く先として「自動運転」が提示される昨今)は、クルマ側がコントロールを担う領域が増えるということで、バイワイヤな操作系が必須(ステアリングは電動パワーステアリングで十分ですが)となっておりますが、さらに先読みした制御をすることで、走りのレベルアップを果たせるというサプライヤーの提案が、いまだ色々な意味で気になっているのであります。

東京モーターショー2015、日立グループのブースで見かけたセミアクティブサスペンションは、ダンパーに減衰力の連続可変ユニットを一体化したもので、コスト面でも、レスポンスでも有利な雰囲気ですが、すでにアフターパーツとして存在しているセミアクティブサスペンション(たとえばTEINのEDFCアクティブプロ)で、十分以上なレスポンスと効果を体感している身としては、こうしたサプライヤーの製品はレイアウトの自由度といったアドバンテージもあるのでしょうが、ハードウェア自体に新鮮さを感じるものではなく。

ただし、先進安全技術と一体化したセミアクティブサスペンションとしての活用という制御システムの考え方、そのアルゴリズムといったアプローチ面では気になる存在なのは間違いないところではあります。

自動運転では、機械が次に行なう動作を把握しているわけで、ブレーキングや操舵のタイミングに合わせた減衰力の最適化コントロールというセミアクティブサスペンションが可能。それは、すなわち乗り心地に寄与するわけ。これまでも追従クルーズコントロールなど運転負担が減るクルマに乗っていると、それまで気にならなかった微振動や風切音が気になり始めるという経験をしたことありましたが、自動運転になるほど乗り心地という要素が重視されるはずで、その対応としてのアクティブサスペンションというのは確かに有効であろう、とあらためて想像する展示なのでありました。

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それはさておき、スーパーフォーミュラとインディカー(いずれもスポンサード)を並べた日立グループの東京モーターショーブース。いまさらながら面積比でいうと、もっともレーシーなブースだったかもしれません、エエ。


精進します。














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メルセデスのプラグインハイブリッド、その心臓部は日立メイドだった?

欧州というよりもドイツ車限定のプラグインハイブリッド・ムーブメントが目立つ今日このごろ。再生可能エネルギー(基本的には発電)とCO2排出量であれこれ環境性能を評価するトレンド、そして中長距離をカバーすることを考えると、彼の地ではプラグインハイブリッドが最適解なのでありましょう、現時点では。

そんなドイツ先行のイメージが強いプラグインハイブリッドでありますが、意外に中身は日本のサプライヤーも関わっているのでした。たとえば日本でも正規販売しているメルセデス・ベンツS550プラグインハイブリッドのインバーターやDC/DCコンバーターは日立オートモティブ システムズが供給しているユニットだったりするのでもありました。

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参考リンク:メルセデス・ベンツとして初めてとなるプラグインハイブリッド車向けに小型・高出力なインバーターとDC/DCコンバーターを納入



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こう考えると、CEV補助金で支えるのも悪くはない、と思えてきますが、あの補助金が最新のクリーンエネルギー車を買える人や組織を対象としている段階で、全般として富裕層優遇傾向にあるのは致し方無いところではあります。






精進します。















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ボッシュのステレオカメラは左右間12cmの寄り目仕様?

先進安全技術向けステレオカメラのシェアトップは日立オートモーティブシステムズ というエントリを先日あげたのですが、日本ではスバルとスズキにプリクラッシュセーフティシステム用ステレオカメラを納めるなど圧倒的シェアを有するとはいえ、100%でないということは他のサプライヤーもステレオカメラを開発・納入しているわけです。

では、どの会社がステレオカメラを量産しているのでしょうか。

もちろん、すべてのサプライヤーを把握しているわけではありませんが、少なくともステレオカメラに実績ある大手サプライヤーといえば、 ドイツ系のあのビッグネーム。そうボッシュであります。

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すでのランドローバー・ディスカバリースポーツに採用されているという、ボッシュのステレオカメラ。特徴は左右光軸間が12cmとコンパクトなことだそう。もちろん、スバルがアイサイトをステレオカメラだけで機能させているように、これだけでシングルセンサー ソリューションとして成立させていますし、それがメリットであるという認識はボッシュにおいても共通の模様であります。
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ちなみに、ボッシュのステレオカメラは色が認識できるCMOSセンサーで、解像度は1280×960と公表されておりますが、そのスペックはアイサイトver.3が使うステレオカメラと同レベルといえまして、日立・スバルの先行した技術をキャッチアップしようという意気込みが感じられるものであります。

こうした競争による性能アップとコストダウン、そして採用車の拡大……外野としては、じつに楽しみ。最前線にいるエンジニア氏からは、そうした外野のお気楽なヤジ馬的態度を怒られてしまうかもしれませんが(汗)


精進します。












 
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日産の横置きハイブリッドは円筒形バッテリーを使う?

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日産エクストレイルのハイブリッド版が登場。そのハイブリッドシステムはワンモーター・デュアルクラッチというもの。デュアルクラッチといってもDCT的なものではなく、エンジンとモーターの間にひとつ、モーターとトランスミッション(CVT)の間にひとつと、二箇所にクラッチを配置することで、エンジンとモーターを切り離したEV走行、モーターとトランスミッションを切り離して停止時にバッテリーを充電することもできるというもの。

ふたつ目のクラッチは駆動ショックを低減しようという狙いもあるもので、もともと縦置きハイブリッド用に生まれたこともあり、高級志向のハイブリッドシステムという印象ありのシステムなのでした。

そのデュアルクラッチハイブリッドの横置き版がエクストレイルに搭載されたわけですが、ここでの注目はバッテリー。フーガのハイブリッドや電気自動車のリーフでは、ラミネート型のリチウムイオン電池セルを使っていましたが、エクストレイルでは構造からサプライヤまで変更した模様。

そうした情報、サプライヤから正式に発信されておりました。

日立オートモティブシステムズ株式会社
日産エクストレイル ハイブリッドに高出力のリチウムイオン電池パックを納入
今回、エクストレイル ハイブリッドに採用されたリチウムイオン電池パックは、円筒形電池セルから成る電池モジュールや、BMS(Battery Management System:電池制御システム)などを筐体に収納させたものです。  なお、この電池パックは、日立オートモティブシステムズのグループ会社である日立ビークルエナジー株式会社が製造した電池セルを、日立オートモティブシステムズアメリカズ,Inc.のケンタッキー工場にて電池パックに組み立て、納入します。
というわけで、画像はリンク先にありますが、エクストレイルハイブリッドの電池は、直径40mm・高さ92mmの円筒形セルを使っているとのこと。さらにBMSもサプライヤが担当しているというのも気になる情報といえそう。

納入価格や供給能力など、車種によって条件が変わってくるので、これをもってラミネート型電池の終焉とはいえませんが、電動車両に力を入れている日産の選択だけに、いろいろ気になるバッテリーの変更であります、ハイ。


精進します。













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