『回生ブレーキ』という言葉があります。

もともとは電車関連で主に使われていた言葉で、回生ブレーキという言葉が自動車用語として広まったのは初代プリウスの誕生以降ですから(もう10年前ではあるのですけど)、なじみがないかもしれません。

というのも「回生ブレーキ」が存在するのはモーターを積んだハイブリッドカー、もしくは電気自動車(FCV含)であって、内燃機関だけで動くクルマには存在しないものですから。ご存じの方も多いでしょうが、簡単にいえば減速時にタイヤの回転を利用してモーターを逆回転させて(もしくは発電機を動かして)、発電しようというもの。発電した分をバッテリーにためておけば、通常は捨てている減速エネルギーを回収できるのでエネルギー効率がアップするというわけです。


よくストップ&ゴーの多い市街地ではハイブリッドが環境性能的に有利といわれるのは、この回生ブレーキによるエネルギー回収が理由のひとつ。逆にノンストップ(減速をしない)で走行している限りにおいてはハイブリッドの特徴である回生ブレーキは活躍しませんから、ただバッテリーやモーターの分だけ重いクルマでしかないわけです。だから高速巡航での燃費性能を重視する欧州ではディーゼル有利といわれるわけです。

さてタイトルに書いた「回生失効」ですが、これは電車の回生ブレーキにおいて発生する症状で、回生ブレーキが突然効かなくなること。ハイブリッドカーにおいても発生するという記述を見かけることもありますが、どうなんでしょうか。少なくともホンダ・インサイトに4年間乗った経験では回生失効というほどの症状に出会ったことはなかったですけどね。たしかに長い下り坂では回生ブレーキによってバッテリーが満充電されると回生されなくなるような感触はあるのですが、そもそも機械式ブレーキと併用されているし、インサイトの場合はエンジンブレーキも効きますから「わぁっ、急にブレーキが効かなくなった!」と驚くようなことはなかったですけどね。ま、プリウスには回生失効があると主張している人がいるということは、少なくともプリウスでは運転に支障が出る範囲で回生失効が起きるのでしょう。

ところで電車でいうところの回生失効ですが、……って長くなったので一旦休憩します。続きはこの後で。

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