クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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人とくるまのテクノロジー展

CVT技術を応用したというジヤトコのトラック用e-axleが気になる

ツインモーターにも見える筐体。向かって左がモーター、右に変速機が収まる

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先日、パシフィコ横浜にて開催された「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」を訪れたのですが、そこで気になったアイテムをボチボチ紹介していこうと思います。

まずはジヤトコの変速機構付きe-axle。



今更ながらe-axleというのはインバーター・モーター・デファレンシャルが一体化された電動ユニットで電装メーカーやトランスミッションメーカーが、各社のノウハウを活かして絶賛開発中のホットなアイテムであります。

ジヤトコが展示した変速機構付きe-axleはピックアップトラックなどの商用車向けのアイテムで、写真では分かりづらいかもしれませんが、向かって左にモーター(下部にインバーターを内蔵)を置き、右側に変速機構を置いているとのこと。後ろに見える半球状の部分がデファレンシャルになっているということで、後輪駆動ピックアップトラックのリアアクスルに搭載するといった想定のe-axleとなっているのでした。


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伝達効率90%以上のCVTを、人とくるまのテクノロジー展で見た

新発表されたJatco CVT-Xのスペックは変速比幅8.2、トルク容量330Nmの中大型ユニット。伝達効率は90%以上とアピール



3年ぶりにリアル開催された「人とくるまのテクノロジー展」を取材してきました、といっても初日の午前中に駆け足で回ったくらいですが、全体としては電動化が当たり前のものとなっているのと、自動運転に向けたセンシング技術がサプライヤーのすそ野まで広がっているのを感じたというのが個人的な印象。

しかしながら、ユニット・部品単体でいうと気になったのは日本のトランスミッションサプライヤー大手のJatco(ジヤトコ)が発表した究極のCVT、その名も「CVT-X」でありましょう。

こちらのコラム記事でも紹介しているように、この新型CVTは『伝達効率90%以上とCVTとしては最高水準といえるレベル』であり、そのためのブレークスルー的アイデアとして『オイルポンプのハイブリッド化』にチャレンジしているのがポイント。

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ステアリングを、もう少し切り増せるNTNのsHUBの活用法とは?

ベースとなる操舵系に、ひと味を足す「ステアリング補助機能付ハブベアリング」
人とくるまのテクノロジー展2019 横浜にて目に留まったデバイスのひとつが、こちら。ベアリング大手NTNの提案する「sHUB」なるアイデアであります。ハブにアクチュエータを内蔵させて、最大3.5度の操舵をハブ部分だけで行なうというもの。2018年に続いて出品されたあたりからも、同社の推しデバイスといえますでしょうか。
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わざわざハブ(アップライト)にモーターを内蔵させて舵角を増やさなくともステアリングの切れ角を増やせばいいじゃないかという見方もありましょうし、一方でバイワイヤ化の流れが進む中で、こうしたデバイスの出番は増えそうという見方もありましょう。ステアリング系と異なる、左右それぞれ独立した操舵ができることで挙動コントロールの可能性も大きく広がりそうで、その意味では自動運動との相性も良さそうなデバイスのアイデアでもあります。

バネ下が重くなりそうだとか、ハブ周りのスペースに課題が残るだとか、いまのレイアウトではFWDのフロントには使えないといった課題もあるわけですが、個人的にはFWDのリアに使うのがベストではないかと思ってみたり。左右独立制御ができるので、旋回中に右はトーイン、左はトーアウトといったアライメントにもできますし、直進安定性を求めるシーンではトーインを強めるといった変化もできそうでありますので。

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レクサスRXに小糸の「ブレードスキャン式アダプティブハイビームシステム」初採用

300個のLED光源に相当する高分解像を実現するアダプティブヘッドライトのアイデアをレクサスRXに採用
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2019年5月30日に正式発表されたレクサスRXのマイナーチェンジ。その進化ポイントの中に、最近見たばかりの「ブレードスキャン式AHS(アダプティブハイビームシステム)」なる言葉があったのでした。この機能、そして「ブレードスキャン式」という言葉を見かけたのは、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」における小糸製作所のブース。というわけで、小糸製作所の発表資料を見てみると……


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ADASセンサーの最新トレンド、ZFの「トライカム」の画角はいくつ?

左から28度、150度、52度。焦点距離ではなく角度表示なのに注意
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2019年内にハンズオフ機能付きADAS(先進運転支援システム)をローンチするのはBMWと日産(プロパイロット2.0)ですが、奇しくも両社がメインセンサーとして使っているのがZFのトライカム(三眼カメラ)。同じような画角のレンズを3つならべてワイドに前方の状況を見ようという考え方もありますが、ZFのトライカムは3種類の画角を並べることで、近距離から遠距離までの情報をまんべんなく得ようというアイデアであります。

そのトライカムの実物を、先日開催された「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」にて見ることができたので、説明員の方に画角をうかがってみると左から28度、150度(魚眼)、52度となっているそう。150度の対角画角というと、35mmフィルム相当の焦点距離でいうと6mmになるはずですから、いやはやどんな映像になっていて、どのように認識しているのかまったく想像できないわけです。逆にいうと、こうした人の眼や脳では処理できないレベルの画像データを活用できるからこそADAS(と、その先にある自動運転)が人のミスをカバーできるわけですし、将来的には人間の能力を超えた安全な移動を実現するのでありましょう、などと思うのでありました。



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精進します。
  




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デンソーとアイシンの「eAxle」、適合設計販売会社はブルーネクサス

電動化によってティア1の立ち位置が変わっていく未来が見える?
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先日、パシフィコ横浜にて開催された「人とくるまのテクノロジー展2019横浜(主催:公益社団法人 自動車技術会)」ですが、例年通りのことながら壁沿いにブースを出しているのは、ほとんどの完成車メーカーと、いくつかの有力なサプライヤー(ティア1級)といったカタチになっているのは毎度おなじみの光景。サプライヤーでいうと日立オートモティブシステムズや三菱ケミカルホールディングス、三井化学、住友化学といったところで、もちろんデンソーとアイシングループも壁ブースの一員として名を連ねております。

そのデンソーとアイシンは電動化に向けて「eAxle」推しの展示という印象強しでありました。そこには、2019年4月1日に、デンソーとアイシン精機で「ブルーネクサス」なる合弁会社を起こしたことも大きく影響しているはず。同社は、eAxleの適合設計販売を一手に引き受ける、まさに車両電動化におけるワンストップサービスを提供する会社といえる存在であります。



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