クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

ミリ波レーダー

東北道での多重事故、最新の運転支援システムがあれば起きなかった?

ホワイトアウトの影響だとすればカメラ系センサーは使い物にならない可能性大。ミリ波レーダーなら何とかなるか?

2021年1月18日、東北道・古河インターあたりで3桁のクルマが絡む多重衝突事故が起きたとの報道あり。まずは亡くなられた方のご冥福をお祈りいたしますし、ケガをされた方にお見舞い申し上げます。



さて、主な事故原因としては「ホワイトアウト」によると報道されております。ホワイトアウトとは吹雪などによって周りがすべて真っ白にみえてしまい、実質的に視界が失われる状態を指すといえますが、そうなってしまうとドライバーとしては成す術なしというのが正直なところで、その場で停まってしまうクルマと、そのまま走ろうとするクルマが混在していれば、多重衝突事故が起きてしまうのもやむなしでありましょう。






続きを読む

レクサスLSが先進運転支援システム「レクサスチームメイト」採用。果たしてLIDARの採用はあるか?

「アドバンスドドライブ」は高速道路での手放し運転を可能することを示唆。クリーニング機能付きセンサーはLIDARを思わせるが……



レクサスLSが2020年初冬にビッグマイナーチェンジを実施することを発表。古典的なマイナーチェンジの内容としては内外装のブラッシュアップ&ディテールアップが中心といいたくなりえますが、メーカーのリリースにおける文字量(面積比)を見てもわかるように、大きな進化ポイントはADAS機能、いわゆる先進運転支援システムに注目のマイナーチェンジとなっております。

これまでもLSは各種センサーてんこ盛りで、かなり高性能な部類にありましたが、新たに「レクサス チームメイト」と名付けられたADASシステムは、ディープラーニングで鍛えたAIに、トヨタの凄腕ドライバーのテイストを練り込んだというのがセールスポイント。

じつは、数年前にトヨタのレベル3自動運転実験車に乗ったとき、「乗員が心地よいと感じる加減速のフィールを実現するために、トップガンと呼ばれるトップクラスのテストドライバーの運転を分析している」という話を聞いたことがあるのですが、まさにADAS制御にそうしたノウハウを採用してきたということでありましょうか。



続きを読む

新型eKスペース・eKクロス スペース発表。ADASがカメラ+ミリ波に進化した…

2台前を走る車両をミリ波レーダーでモニターして衝突予測警報を出すという新機能を実装した軽スーパーハイト
eassist_02

日産と三菱は、両社のJVによって軽自動車を開発しているわけで、ほぼ同時に新型車を出すような合意をしているのかと思っていたのですが、スーパーハイトについては三菱が先行してローンチ。それが東京モーターショーからプロモーションを始めていたeKスペースとeKクロス スペースであります。


デイズ、eKワゴンのフルモデルチェンジでプラットフォームからパワートレインまで一新しているNMK(日産・三菱・軽自動車)ですが、その新世代アーキテクチャは、新しいスーパーハイトモデルでも採用されております。つまり、エンジンは日産ベースで開発した「BR06」型。さらに、NA仕様、ターボともにマイルドハイブリッド仕様(ISGは「SM21」型)となっているのでした。

しかし、気になるのはパワートレインというよりADAS(先進運転支援システム)の進化。続きを読む

フィットが広げる「ホンダセンシング≒先進安全装備」の世界

30~100km/h限定は残念だが、ホンダのベーシックがACC体験のきっかけを作る
13G_4476
スタイリングの変更、各部のブラッシュアップなど、 いろいろ進化ポイントはありますが、ビッグマイナーチェンジを果たしたホンダ・フィットにおける最大のポイントはプリクラッシュブレーキやアダプティブクルーズコントロール(ACC)、ステアリングアシストなどを実現する先進安全装備「ホンダセンシング」を全グレードで選べるという点(一部はメーカーオプション設定)ではないかと思う次第。



最廉価グレードとなる1.3リッターガソリンエンジン車にもホンダセンシングが付けられることで、ACCを入手するハードルが下がるというか、営業車やレンタカーにもプリクラッシュブレーキを付ける”ついで”にACCが備わってしまうことで、自動運転技術を体験する機会を増やすのでは? と思うわけです。いつだったか、自動運転への期待と不安といったアンケート結果を見たところ、「日常的にクルーズコントロールを利用しているユーザーは、自動運転技術への期待値が高い」といった話もありました。その流れでいうと、ACCが身近になるほどに自動運転を求める市場マインドが大きくなると同時に、ユーザーの理解も進むのかもしれません。BセグメントでのACC体験というのは、そうした動きを加速するであろう、と思ったりするのですが、さて?

ところで、間もなくフルモデルチェンジを実施するナンバーワン軽自動車「N-BOX」ではホンダセンシングが標準装備されることがティザーサイトにて公表されているわけですが、お値段的にどちらが安いのか微妙でしょうし、なにより前述したように営業車やレンタカーといった用途を考えるとフィットによるACC体験というのは「自動運転時代に向けてドライバーの意識を変えた」と後に評価されるポイントになるのでは? もちろん、軽自動車によるACCの普及という点においては次期N-BOXが果たす役割も大きいでしょうし、無視できないのは当然ではありますけれど…。

精進します。
  




人気ブログランキング

ホンダの自動運転車が使うミリ波レーダーとLIDAR(赤外線センサー)、その配置はどうなっている?

現時点ではミリ波レーダー・LIDARをそれぞれ5個、単眼カメラを2個使う自動運転レベル3技術
2017-06-07-10-53-31
こちらのレジェンド、そこいらで売られているクルマとはまったく異なる中身を持っています。先日、ホンダが2020年に市販を宣言した「高速道路限定の自動運転」を体感してきたわけですが、その高速道路での自動運転を可能にした仕様なのであります。

ハイブリッドのレジェンドをベースにしている理由は、コストをのせやすいフラッグシップモデルということもあるのでしょうが、メカニカルブレーキと回生ブレーキの2系統で減速できる(レジェンドは電動AWD)というフェールセーフ的な構造が自動運転とマッチするという面もあるそう。メーカーは異なりますが日産e-POWERがワンペダルドライビングで停止まで可能にしているのは、電動車両ゆえでありまして、自動運転と電動車両の相性の良さを、ホンダの自動運転プロトタイプでも感じたのでありました。

2017-06-07-10-55-29

さて、センサーの情報によって自律走行を行なうという自動運転プロトタイプ。そのセンサーとして使っているのはミリ波レーダーが5つとLIDARが5つ、そして単眼カメラが2つ。ミリ波レーダーのうちフロント中央にある長距離タイプと、リア左右ななめ後方を見ている中距離タイプはレジェンドが純正で装備しているもので、リアの左右を見ているのと似たタイプをフロントの左右にも配しているそうで。

自動運転テクノロジーにおいてトレンドのど真ん中にあるといえるセンサー「LIDAR」は、赤外線によって物体の形状を知ることができる空間センサー。この自動運転プロトタイプでは、フロント左右とリア左右に配置され、さらに真後ろを把握するためのリアバンパー中央に置かれているのでありました(上の画像)。

ちなみに、単眼カメラも純正で装備しているものと同等で、2つセットされているのは、これまたフェールセーフ的な意味合いが強いようですが、市販に向けてのテーマは、それぞれの信頼性を上げることでセンサーの数を減らしていくことが重要と思うのでありました。

それにしても、それなりに高価といわれているLIDARを5つも使っているということから車線変更までも自律的に行なう自動運転技術が高コストなテクノロジーであると想像できるところで、高価なセンサーを使って自律走行のロジックなどが組み上がったら、今度はカメラのような、いい意味で枯れた技術を使って状況把握をできるような方向性に向かうべきでは? と思ったりするのは気が早い話でしょうか(汗)



精進します。
  




人気ブログランキング

日産エクストレイルに「プロパイロット」追加設定。

マイチェンで自動運転技術を搭載可能というのは拡大を予感させる
170608-02-42-1200x1124
自動運転技術を搭載するためには、センサーを追加するだけではなく、ブレーキやステアリングなどのハードウェアがそれに対応している必要があり、また制御情報の通り道であるCAN通信も自動運転対応の世代になっている必要があると理解できるところ。

そうして考えると、日産エクストレイルがマイナーチェンジで自動運転技術「プロパイロット」(自動運転レベル2相当)を搭載したということは、車体の制御系などを新しくしたのか、もしくは既に制御情報もハードウェアも自動運転に対応できる世代を積んでいたのかの、どちらかと想像できるわけです。後者だとすると、センサー(この場合は単眼カメラ)とプロパイロットのコントロールスイッチやプログラムを追加することでバージョンアップが可能という見方もでき、あながち「後付の先進安全技術」というカスタマイズも不可能ではないのでは? と思ったりするのでありました。



奇しくもトヨタ・ハリアーも同様に先進安全技術を搭載するというマイナーチェンジを同日に発表しておりました。
こちらは単眼カメラとミリ波レーダーを使ったタイプで、ハードウェア的にはホールド機能付きEPBを採用するなどアップデートしているようです。細かいところではクリアランスソナーの作動条件に「ワイパーの高速作動時」を追加したというのがさり気なくトピックス。

雨天になると運転支援システムがダウンしてしまうケースもありますが、視界の悪いときこそハードウェアがドライビングをアシストするという発想は、正しく進む道だと感じるのであります、ハイ。


精進します。
  




人気ブログランキング
記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ