クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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プラグイン

プラグインの電気自動車が増えると電力供給はひっ迫するのか?

世界的大市場、アメリカでは2030年までに電気自動車(バッテリー式電気自動車、燃料電池、プラグインハイブリッド車)を年間販売台数の40〜50%にすると宣言

  

アメリカではフォード、ゼネラルモーターズ、ステランティスの3社が2030年までに新車販売の半数近くを電気自動車(バッテリーEV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)にすると宣言していたり、日本では政府として2035年までにすべての新車販売を電動車にする(この場合はハイブリッド車含む)と目標設定していたりするわけですが、プラグイン(充電)するクルマの普及というのは化石燃料の消費が減る一方で、電力消費量が増えることにつながるのは自明。




電気自動車(バッテリーEVやプラグインハイブリッド車)の普及における課題のひとつに、電力供給は大丈夫なのかという話があるわけです。冒頭の動画は、2030年の日本においてバッテリーEVの普及予測と電力供給の関係からどうなのよ?という疑問に関する自分なりの意見をまとめたものですが、結論をいえば「問題ないでしょう」。そもそも電力会社が供給に対する不安や課題を呈しているのでなければ、外野が勝手に課題化する必要はないだろうとも思うのでありました。

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ボルボカーズが2030年以降、ピュアEV専門ブランドになると宣言!

世界に3台しかないというC40 Rechargeを日本で公開!オンライン限定で販売することも発表

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ボルボが2030年までに完全に電気自動車(BEV)専門ブランドになることを宣言。その象徴となるBEV専門モデルとして2021年秋に発売予定の「C40 Recharge」プロトタイプを日本で公開したことでニュースも続々と報じられております。

数年前であれば、2030年からの完全BEVブランド化というのは驚きもあり、また懐疑的な目も迎えられたでしょうが、2021年には当たり前の経営判断として理解できてしまうのだから時代の変化がいかに激しいかを示しているのでは?100年に一度の大変革期というのは大げさではなく、本当に現在進行形の話だと実感できるのでありました。




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欧州でのEV比率は約25%! 世界は電気に進んでいる【ソース紹介】

2050年にカーボンニュートラルを目指すならば、ゼロエミッション車の生産能力を考えて100%電動化を達成すべきタイミングから逆算する必要がある

 

CO2排出量削減のためにモビリティの電動化を進めるというのは、その評価は別として世界的なコンセンサスになっていると感じるわけですが、一方でモビリティのフル電動化には電力供給能力をどうするのかという課題もあり。

そうした指摘からCO2排出量への対応だけでいえば現時点ではガソリンハイブリッドがベストソリューションと判断すべしというのは日本の自動車メディアは主流になっていると感じるわけですが、それとは別に考えないといけないのは、フル電動化するとして、何台のZEV(ゼロエミッションビークル)が必要で、その供給能力は年間何台規模なのかということ。

仮に8000万台の車両が必要だとして、年間の製造能力が500万台程度だとすれば、フル電動化が必須の15~16年前には市販車が100%電動化している必要があるという風に考えられるのでは? というのが、このモトブログ風の考察動画において自分が指摘しているポイントのひとつ。

すでに欧州はそうしたフェイズに入っているのに対して、日本はまだまだZEVをキワモノとして捉えているのは時代に取り残されてしまうのでは、と心配になるということも指摘させていただいております。




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新型プリウスPHVのソーラー発電、バッファにニッケル水素電池を使用

新型プリウスPHVは鉛とニッケル水素とリチウムイオン電池を搭載する
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いやいや、驚きました。新型プリウスPHV(プラグインハイブリッド)に、ルーフのソーラーパネルを使った駆動バッテリーの充電機能が付くというのは知っていましたが、そのシステムに太陽光発電の電気を溜めておくニッケル水素バッテリーが含まれているとは予想外。

考えてみれば、駆動バッテリーとなるリチウムイオンにそのまま充電するのは難しく、ある程度の電圧を稼ぐためにはバッファしておく必要があるのでしょうが、まさか3つもバッテリーを積んでいるとは想像していなかったのでした。

3つのバッテリーとは、システム起動用の鉛蓄電池、駆動用のリチウムイオン、そしてソーラーパネル用ニッケル水素。ニッケル水素バッテリーは筐体のサイズからそれほどの電力量はなさそうですが、3種類のバッテリーが一台に搭載されているというのが、なんとも贅沢に感じてしまうのは考え過ぎでしょうか(汗)
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精進します。
   







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プラグインハイブリッドは内燃機関モデルよりCO2排出総量が少ない

ハイブリッドカーのCO2排出量が少ないということを言うと、それに対するカウンターとして「CO2排出量が少ないのはあくまで走行時の、それもモード燃費に限った話であって、電池やモーターを積んでいるから生産から廃車までを考えるとエンジンだけのクルマのほうが環境負荷は低い」といった主張を目にすることは少なくありません。

そうした主張が、まるで事実のように広がっているのも感じるわけですが、そうしたトレンドの中でダイムラーから気になる発表あり。


ハイブリッドカーよりも構成要素(充電装置)が増えるプラグインハイブリッド仕様の「メルセデス・ベンツC350e」のライフサイクル(生産から20万km走行して廃車までを仮定)における環境負荷は、リサイクルを考慮すると、コンベエンジンのC250よりも少ないとドイツの第三者機関であるTÜVに認められたとのこと。

ちなみに、CO2排出量の総量と内訳は以下のように発表されております。

C350e:総量27.4トン(製造時 10.1トン・充電用発電5.5トン・使用燃料9.6トン 他)
C250:総量37.0トン(製造時 7・6トン・使用燃料24.6トン 他)

なるほど、たしかに製造時の環境負荷は大きなプラグインハイブリッドカーですが、長い目でみるといわゆる燃費の差がそれを吸収してあまりあるというわけです。しかも、この計算には充電に使う電力を火力発電などを考慮したエネルギーミックスになっているようですが、仮にすべての充電を再生可能エネルギーによるとすれば、充電用の発電によって発生するCO2は限りなくゼロに近づくといえ、もっとプラグインハイブリッド有利になるはずで、そうした点も発表資料では触れている模様。


気になる方は、こちらの発表資料(pdf)にて詳細ご確認あれ。
http://media.daimler.com/Projects/c2c/channel/documents/2614937_Lifecycle_C_350_e_en.pdf

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ところで、見た目では標準車に近いイメージのC350e は2.0リッター4気筒エンジンにモーターを組み合わせたもので、7速ATを介してタイヤを駆動するというハイブリッドシステムを搭載したプラグイン(外部充電)仕様。

ちなみに、エンジン単体の最高出力は155kW、システム最高出力は205kW。システム最大トルクは600Nm。先日、ちょっと乗る機会のあった3モーターハイブリッドであるホンダ・レジェンドのシステム最大トルクが463Nmですから、 圧倒的なシステムトルクが生み出すリムジンらしい走りがどんなものか、なんとも気になるのでありました。

 


精進します。














システム最大トルク650Nm、CO2排出量65g/kmのS500ハイブリッド


the Mercedes-Benz S 500 PLUG-IN HYBRID can be ordered for prices from 108,944.50 euros

日本円換算でおよそ1500万円というS500プラグインハイブリッド。外部充電にかかる時間は充電率20%から100%で約4.1時間(230V/8A)で、EV走行で33kmほど走れるというスペック。もっとも、公表されているパーセンテージの数字は、バッテリーに対するものなのか、SOCの上限を100とした数字なのかは不明でありますが。

それはさておき、S500プラグインハイブリッドは3.0リッターV6直噴ターボエンジン(245kW・480Nm)とモーターを組み合わせてシステムでは最高出力325kW、最大トルク650Nmとなっております。

その一方で、二酸化炭素排出量は65g/kmとなっておりますが、これはもちろんNEDCモードでの計測における数字であって、プラグインハイブリッド全般に、連続走行になって外部充電でのメリットが減っていく走らせ方になるとスペックとは桁違いの二酸化炭素排出量になるのは周知の事実。

だからといって、スペックの数字が参考にならないと一刀両断してしまうのは、ある種の気持ちよさはあっても建設的ではないのも、また事実であります。

NEDCでも、JC08モードでも、いずれにせよすべての運用方法にマッチさせるのは不可能で、そこに差が出てくるのは必然。ならば、せめてプラグインハイブリッドのメリットが出てくる連続走行の上限値みたいのを参考データとして表示できるとユーザーの役には立ちそうなどと考える次第。たとえば、計測モード的な走らせ方として、連続走行は何kmまでがプラグインの効果を引き出せるのか、といったもの。それにしても、使い方は千差万別なのですべてのユーザーが納得いくものにはならないにせよ……などと思う今日このごろです。

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