クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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トーションビーム

リア・トーションビームで手頃な価格を実現、は世界のトレンド?

カローラのリアサスペンションはダブルウィッシュボーン。しかし新発売のカローラクロスはトーションビームを採用する背景とは

トヨタから、カローラ・ファミリーにまったく新しい個性として「クロス」が新登場。先日のエントリーでも振れたように、かなり戦略的な価格設定となっていてSUVムーブメントの中で、カローラというビッグネームが存在感を示すようになること間違いなしという第一印象であります。
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名ばかりのカローラではなく、アーキテクチャ的にもカローラ・ファミリーとしてふさわしいもの。ハイブリッドシステムやプラットフォームも、セダンはハッチバックなどのカローラと共通なのでありました、そう基本的には……。続きを読む

シボレーはトーションビーム、キャデラックはワッツリンクというPHV

以前、シボレー・ボルトのキャデラック版と大雑把に紹介した”ELR”。そのエントリでも『アルミ鍛造パーツを使ったフロント・HIPERストラット、ワットリンクを採用したリア・サスペンション』については触れてはいましたが、あらためて構成パーツの画像を見かけて、再確認というかモロモロ再認識。

The technologies include front HiPer Strut suspension, rear compound crank with Watt’s link suspension, a premium ZF electric power steering system and ZF-Sachs continuous damping control.

2014-Cadillac-ELR-Suspension-medium

これまで気付いていませんでしたが、2ミリ秒ごとに減衰力を調整するという可変ダンパーは、ZF-ザックスのシステムだそうです。ということは、GM以外にも展開が広がっていくはずで、そのうち身近なモデルでも味わうことができるかも? などと期待が膨らみます。

ところで、リアのワッツリンクというと、国産車ではRX-7(SA22C)に採用された、リジッドサスをベースとしたものが思い浮かぶのですが、このELRではトーションビームをベースにワッツリンクを追加しているように見えますが、その狙いは?
In its rear suspension, ELR uses a Watt’s link design to center the car’s rear axle during turns to provide a more balanced driving experience. When cornering, the Watt’s link provides greater lateral stiffness that results in more positive vehicle response to steering inputs and helps keep the rear suspension aligned with the front suspension. When the ELR is traveling on a straightaway, the Watt’s link allows the suspension to travel up and down freely to make the ride more comfortable.
リリース的には、コーナリングでの横剛性アップと、ストロークしやすさを両立することで、ハンドリングと乗り心地を兼ね備えたシステムを目指しているということのようですが、ともかく気になるのは、ワッツリンク化によるコストアップと、ラゲッジなどのスペースの問題。

一般論でいえば、ワッツリンクはスペースをとるので、キャビンやトランクスペースを犠牲にしがちなはずですが、キャデラックELRで採用しているソレがそうした問題を解決したレイアウトになっているとしたら、かなり注目。

というのは、現在のトレンドとして、FWDではエントリーカーや廉価版にはトーションビームを、上級モデルやグレードには(同じプラットフォームでも)マルチリンクを与えて、性能面での差別化を図ることが多いから。そのバリエーションとしてマルチリンク化ではなく、ワッツリンクの追加というカタチで、性能面の差別化が実現できて、前述のスペース的な問題が少なければ、この方式(廉価版はトーションビーム、上級版はワッツリンク)が、新しいトレンドになりそうな気もしますので。

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なお、これまでは、ワットさんのアイデアに基づくということをリスペクトして、「ワットリンク」と表記していましたが、今回はゼネラル・モーターズのリリースに『Watt's Link』とあるので、あえて『ワッツリンク』と書いてみました、あしからず。
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