クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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デルタウイング

デルタウイングの前後重量配分は28:72で、装備重量590kg

日産が東京モーターショーに出品したコンセプトカー「ブレードグライダー」の旋回について想像したエントリにおいて、『フロントのトレッドが異様に狭いこと、前後重量配分が3:7になっているということなどは「こりゃ曲がらない」と批判する要素ではなく、むしろこのシステムで曲がるには、こうでないといけないというレイアウトなのでしょう』、『ヨーコントロールによる旋回時においては、リアタイヤは駆動輪であり、操舵輪でもあるという風に捉えるのがいいのか』などと記して、それなりに真っ当な見解らしいという感触を得たわけですが、この重量配分について、もうちょっと情報を集めてみたいところ。

で、日産的には禁じ手なのでしょうが、アイデア的には大本といえるデルタウイング・レーシングの公表している情報(レーシングカーのテクニカルスペック)や走行シーンのオンボード映像から、いろいろと想像してみることに。
WEIGHTS & DIMENSIONS
Weight: 490kg without fuel or driver, 590kg with fuel and driver
Weight distribution (front/rear): 28% / 72%
Overall Length: 4.65m
Front width: 0.76m
Rear width: 2.08m
Height: 1.03m
Wheelbase: 3.05m
Track width (front) 0.6m
Track width (rear) 1.74m



つまり、前後重量配分がおよそ3:7になっていることは、このスタイルで曲がるためには必須条件なのでしょう。逆にいうと、3:7は黄金比であって、4:6でも、2:8でもダメなのではないかという印象あり。そのためにはフロントタイヤの位置関係がある程度決まってきて、それがこのデルタウイング形状のボディにつながるのかも?


そんなことを思いながら、Androidタブレットのお遊び的な黒板アプリの上でデルタウイングな形状を指をグリグリと。

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ちょっと競艇のボートにイメージが重なってまいりました。そう思うと、競艇のターンのような挙動を見せるのかもとデルタウイング形状カーの走りがアタマの中に浮かんで、イメージが強まっているのですが、なにしろ乗ったことがないどころか、走っているシーンも見ていないので、完全な妄想の世界ではあります(汗)


精進します。

などとオートサロンで、このカタチに会えないことを寂しく思ってみたり……。


ドアを開けるとシートがスライドする、オトコの子なら感涙モノの日産ニューコンセプトEV

オープンカーで実践するファミリーカーライフが、そこそこ上手くいっていると思っている(信じている)父親として、またまた注目のニューカマーの登場であります。

それが日産「ブレイドグライダー」。まだコンセプトカー段階ですが、デルタウイング・ZEODという流れをくむ三角翼スタイルのボディイメージを、絶妙にストリートカーとして成立させた一台。ドライバーズシートはセンターレイアウトというのも刺さるポイント。



目線からの画像や動画ではデルタウイング感がいまいち伝わってきませんが、俯瞰で見ると、衝撃的なくらいの三角翼シルエット。実際、デイリーユースに使おうと思うと、ラゲッジスペースの問題などもありそうですが、このオリジナリティ溢れるシルエットは、そうしたウィークポイントをすべてカバーしてしまいそう。

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センターレイアウトの運転席は乗り降りが面倒そうに思えますが、動画でも確認できるようにドアを跳ね上げると、そちらの方にスライドしてきてドライバーを出迎えるというおもてなし仕様。ガングリップタイプのステアリングも地球防衛軍的なテイストで、このあたりの造型やギミックは昔のオトコの子は感涙モノなのであります。

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というわけで、実際に市販の可能性も低いであろうコンセプトカーを見ての第一印象ツイートがコチラ。
ルックスだけで欲しくなるというのは、自分の悪いクセですが、それにしてもコンセプトカーでここまで欲しいと思うのは久しぶり。



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レーシングカーのテクノロジーを活かした市販バージョンというのも、電気自動車というエコ再優先といったカテゴリーでは異色な感じで、日産だからこそ、では?

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そんなわけで、我が家としては最短5年後になるであろう次期ファミリーカーの候補として、「ブレイドグライダー」の動きはウォッチせねばと心に誓うのでした。そして、また東京モーターショーに行く楽しみが増えたヨロコビを噛みしめるのでありました。


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日産が2014年のル・マンを走らせるクルマはEVか? FCVか?

Nissan_ZEOD_RC_7

The ZEOD RC (Zero Emission On Demand Racing Car) will make its race debut at next year’s Le Mans 24 Hour. The global leader in electric vehicles for the road, Nissan will trial variants of new electric drive train technologies as part of its intended future return to LM P1 competition to challenge for overall victory at the world’s most prestigious endurance race.2014 Le Mans Garage 56 Entry
※太字は当方で加工

今週末はル・マン24時間ですが、日産が来年のガレージ56(先進技術モデルの特別枠)で走らせる予定というニューカー「ZEOD RC」を発表。

「Nissan ZEOD RC」は、「日産リーフ」のリチウムイオンバッテリー技術を活用
「Nissan ZEOD RC」は、時速300km以上のスピードを実現
2014年のル・マン24時間レース参戦に向け、技術テストを開始

見ての通り、デルタウイングをクローズドボディにしたモデルで、当初はエンジン供給というスタンスだったのが、いつの間にか日産のプロジェクトになっているよう。マシンの開発予算を考えると、こうした体制のシフトは有利でしょうから、そこは自然な流れと感じる次第。

ただ、もともとデルタウイングの出自を知っている層にとっては、いつまでも違和感は残り続けるのか、どこかで日産のモノとして消化できるのかは気になりますが。個人的には、なかなか消化できそうにありません(汗)


しかも、2013年もアメリカではデルタウイングレーシングとして直噴ターボエンジン、ブリヂストンのタイヤというパッケージングで、チーム監督ドン・パノスという体制で走っているらしいのも違和感につながりますが……。


ところで、日産が2014年のル・マンに走らせるという「ZEOD RC」は、どんなクルマなのか気になるところ。シャシーは見ての通りでありますが、注目はパワートレイン。

日本語のニュースリリースで、シンプルに電動と表記するのではなく、あえて『電力駆動』としている点。そして車名に『オンデマンド』となっているあたりから、純粋な電気自動車ではないと予想されるわけです。

そもそも、現在の技術レベルを考えると、来年のル・マンに純電気自動車を走らせるのは無茶な話。バッテリーの搭載量次第ですが、トータルパッケージを考慮して積める量を考えると、5周程度しか走れないのではと粗計算。だとすると、バッテリーをカセット化して、こまめにピットで交換するというふうに考えられますが、それでは勝負権を失ってしまいそう。

そうした状況と、オンデマンドという言葉をキーワードにして考えると、純電気自動車ではなく、小型エンジンを積んだレンジエクステンダーEV的なパッケージが想像できるのですが、公開されている画像には排気口らしき部分は認識できないので、発電用エンジンを積んでいる可能性はなさそう。

ということは、燃料電池(FC)と考えると辻褄が合いそう。であれば、水素エンジンでのレンジエクステンダーというもありえるかも? とはいえ、圧縮水素をレーシングカーに搭載することは安全面から周囲を説得するのが難しいでしょうから、ガソリン改質FCとするのが妥当か……などと想像が膨らんでしまう夜なのでありました。


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