クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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ディーゼルゲート

トヨタ傘下の日野自動車がディーゼル排ガス処理において不正行為

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画期的だったHC-SCR(軽油によるNOx選択還元反応を用いたディーゼル排気浄化システム)は十分な耐久性がなかった!

日野自動車が、小型・中型・大型エンジンにおいて不正行為があったことを発表しております。くわしい内容はリンク先のニュースリリースにてご確認いただきたいのですが、サマリーを引用すると次の通り。

中型エンジン「A05C(HC-SCR)」は排出ガス性能の劣化耐久試験において、大型エンジン「A09C」および「E13C」は認証試験の燃費測定において、それぞれエンジン性能を偽る不正行為があったことを確認し、エンジン性能に問題があることも判明したため、本日、これら 3 機種とその搭載車両の出荷停止を決定しました。小型エンジン「N04C(尿素 SCR)」についても、不正の有無は判明していないものの燃費性能の問題が判明したことから、これら 4 機種について、国土交通省および経済産業省に報告いたしました。

とくに中型エンジンにおいては、劣化耐久試験において、その肝といえる「HC-SCR」を途中で交換するという行為をしたそうですから、かなり悪質。VW系のディーゼルゲートを超える不正行為という印象さえあるのでした。

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電動化に進むフォルクスワーゲンがディーゼルのゴルフを日本に導入

最高出力110kWの2.0リッターディーゼルエンジンは「デュアルアドブルー噴射システム」採用でNOx排出量を最大80%削減

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各種報道などでは完全に電動化に舵を切ったように見えるドイツ勢。なかでもフォルクスワーゲン・グループは電動化に賭けていると感じるほどのバランスになっているように見えますが、そのじつリアルな販売現場はまだまだ内燃機関頼りとなっている模様。

事実、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンは2022年1月7日の初売りからゴルフ”ディーゼル”TDIを販売すると発表しているほど。総排気量1968ccの4気筒ディーゼルターボの最高出力は110kW(150PS)、最大トルクは360Nmというスペック。トランスミッションは7速DSG(DCT)で電動アシスト機能は持たないピュアな内燃機関となっております。

とはいえ、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンの再編も進んでいるようで、このあたりは来たるべき電動化時代に向けたブランド管理の一環なのかもしれませんから、電動化は口だけで実際は内燃機関でビジネスするつもりというわけではないと思いますが……。





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ルノーにもエミッション疑惑が発生で株価大幅下落

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フォルクスワーゲンが、まさに欧米で行なっていたディーゼルエンジンへの違法プログラム(ディフィートデバイス)使用問題をきっかけに、様々な試験や調査が行なわれているようですが、フランスにおいて問題が表面化しつつある模様。

フランス発の各種報道によれば、エミッションに関するフランス政府筋の調査がルノーの本社ほかに入ったことで、株価を爆下げしているとのこと。

およそ88ユーロから68ユーロへの爆下げは、さすがに瞬間的で、元に戻しつつあるようですが、報道を見ている限りはディフィートデバイスを使っているという話はまったくなく、調査が入ったというだけで、これだけ株価に影響してしまうのは、欧州の市場マインドもディーゼル全般への不信感が大きくなっているのかもしれない、と感じてしまうエピソードであります、ハイ。


「クリーンディーゼル」という言葉そのものが信頼性を失う状況に進みつつあるというのは、2015年9月にフォルクスワーゲンのディーゼルゲートが発覚したときから感じていることでありますが、かつてディーゼル大国であったフランスにおける過剰ともいえる反応は、乗用ディーゼルの終焉とまではいかなくとも、都市部の大気汚染問題とあわせて、ディーゼルの勢いをいっそう削ぐものであるのは間違いない、と強烈な印象を受けるのですが、さて。


精進します。
  








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北米でディーゼル車を買い取る≒対策不可能となったら損失は大きすぎる #Dieselgate

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フォルクスワーゲンの一部ディーゼルエンジンにおける排ガス試験に関する違法プログラム問題、いわゆる「ディーゼルゲート」について、欧州ではアダプタの装着やリプロといったリコール内容が実施されるようですが、より厳しい規制の北米については、基準をクリアできる対策について未発表な状況。

そうした中で、販売した違法プログラム搭載車両について、買い取りを行なうのでは? といった報道もされております。


問題を引きずることなく解決するという点でいえば、買い取ってしまい市場から消滅させるというのは悪い手ではないのかもしれませんが、パーツ交換やプログラム変更によってクリーンにすることができないという意味でもあり。こうなると、マーケットがクリーンディーゼルという技術への信頼を損なうのは間違いないわけで、フォルクスワーゲン・ブランドの損失は計り知れないわけですし、ディーゼルというパワーソースそのものへの不信感というのも、いま以上に大きくなることでありましょう。

もちろん、最前線で対応しているエンジニアやマネージメント各氏においては、そんなことは百も承知でしょうが、環境保護局を納得させられるだけの対応策が提示できない限りは、最悪のシナリオもあり得るのでは?

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そして、対応次第では排ガスを出すクルマへの嫌悪感も増してきそうで、地域によってはゼロエミッション車へのニーズが高まるのかもしれません。であれば、北米における『ディーゼルゲート』は、まさしく自動車史に残る一大スキャンダルになるかもしれない、とも思うのですが、さて。


精進します。








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フォルクスワーゲンのUSセールス、数字以上の深刻感


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北米でのディフィートデバイス使用発覚にはじまったディーゼルゲートは、欧州での対策は発表したものの、北米向け車両については情報が停まっている状態。実際、現状の仕組みからするとディフィートデバイスを外して基準を満たすというリコール(改善案)が不可能なのではないかと思えるほどでありまして、どうにもならないのかもしれません。

そんな状況に業を煮やしたのか、当初はさほど影響がないと思われていた北米市場でもフォルクスワーゲンの売上が急落しております。

同社のアメリカ現地法人の発表データを見ると、2015年11月の販売台数は前年同月比マイナス24.72%の2万3882台。ただし、その内容を見ていくと、ティグアンやゴルフGTI、e-ゴルフといったモデルが前年同月比で伸びているものの、普通のゴルフやパサート、ジェッタといった主力モデル、そしてアメリカ文化といえるほど溶け込んでいるビートルのいずれもが大幅減になっているのでありました。

とくに落ち込みが激しくみえる車種をピックアップすると次の通り。

ゴルフ マイナス64.0%
ゴルフスポーツワゴン マイナス54.0%(ジェッタスポーツワゴンの前年データとの比較)
パサート マイナス60.4%
ビートルクーペ マイナス49.6%


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全体としてのマイナス24.72%が可愛くみえるほど、フォルクスワーゲンの象徴する主力モデルが落ち込んでいるのでした。台数ベース、売上ベースでいえば、利益率で有利なSUVが売れていればいいという見方もありましょうが、ゴルフやパサートの落ち込み方は、ブランド毀損の面からかなり深刻といったイメージを受けるところ。

もっとも、日本国内の推移においても、問題の発覚した9月は前年同月比マイナス9.1%、10月に同マイナス48.0%まで落ち込んで、11月は同マイナス31.8%と回復しているようにも見えますから、US市場も同様のムードで動いているのかどうか。日米ともに12月のデータを見てみないと瞬間風速的なのか、大きなトレンドになるのか、判断できないところであります。


参考リンク:VOLKSWAGEN OF AMERICA REPORTS NOVEMBER SALES
http://media.vw.com/release/1113/ 


精進します。

 








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フォルクスワーゲン4気筒ディーゼル「EA189」の対策を発表

技術でなくブランディングに問題が移行した感のあるVWのディーゼル「ディフィートデバイス」問題ですが、違法プログラムであれば、その対策については粛々と進めなければいけないわけですし、まずは違法な商品を合法化することがリブランディングに向けての必須条件でありましょう。

というわけで、旧式の4気筒ディーゼル「EA189」エンジンにおける、ディフィートデバイスをクリアするリコール内容をフォルクスワーゲンが動画や透視図などを用意して説明しております。





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2.0リッターエンジンについては、プログラムの書き換えのみで対応。1.6リッターエンジンはエアフロメーターの手前にアダプターをつけた上でリプロするとのこと。ただ、このリコール内容は欧州向けのEA189エンジンに対する内容であって、北米向けが同じ処理で済むのかどうかは不明でありますし、この程度ではクリアできないような気もしますが、さて?

そしてDPFの再生頻度が上がるのかどうかも気になりますが、その辺りの情報はカスタマーの生の声として半年後にはまとまっているのでありましょう。むしろ、初期の声は様々なバイアスがかかっていると思われますので、それなりに時間が経過してカスタマーボイスが集まるまでは判断ムズかしい内容と考えるところであります、ハイ。

 

精進します。








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