クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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ディフィートデバイス

メルセデスのディーゼルエンジン、日本でも欧州と同様の対応と発表

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メルセデスのディーゼルエンジン、日本仕様にも何らかのディフィートデバイスを搭載か?
ちょっと公式な情報発信がブレている印象です。
欧州でメルセデスのディーゼルエンジンが制御系のサービスキャンペーンを行なうという情報が出てきた当初、日本は関係がないのでは? という雰囲気も漂いましたが、当然のように日本仕様も同様に対策をするとの発表。仕向地ごとの仕様変更といっても、大筋では同じ制御でなければコスト高になってしまうので、よほど細部の話でないかぎり、世界中のモデルで同じような問題が出てくると考えるほうが自然でありますから。

今になって思えば、当初の日本仕様とは別問題と匂わせる日本法人の発言は問題を隠そうとする意思を感じさせる悪手だったと言えそうであります。
ここから先にブランド価値をどのように維持するのかは、また次のフェーズでありましょう。フォルクスワーゲンのように全体として沈んでしまうのか、それともブランド全体の価値は守ることができるのか。これからの情報発信において、どれだけフェアネスやオネスティといった要素をアピールすることができるのかが勝負となりそうな気もするのです。もっとも、本国で問題が拡大してしまうと日本法人の頑張りではカバーできない可能性もありますが、さて?

今のところ先手を打っているように見えるので、後手後手で事態を悪化させるようなことはなさそうにも思えますけれど……。

※画像はイメージです。

精進します。
  




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フォルクスワーゲンのUSセールス、数字以上の深刻感


2015_golf_sportwagen_4602

北米でのディフィートデバイス使用発覚にはじまったディーゼルゲートは、欧州での対策は発表したものの、北米向け車両については情報が停まっている状態。実際、現状の仕組みからするとディフィートデバイスを外して基準を満たすというリコール(改善案)が不可能なのではないかと思えるほどでありまして、どうにもならないのかもしれません。

そんな状況に業を煮やしたのか、当初はさほど影響がないと思われていた北米市場でもフォルクスワーゲンの売上が急落しております。

同社のアメリカ現地法人の発表データを見ると、2015年11月の販売台数は前年同月比マイナス24.72%の2万3882台。ただし、その内容を見ていくと、ティグアンやゴルフGTI、e-ゴルフといったモデルが前年同月比で伸びているものの、普通のゴルフやパサート、ジェッタといった主力モデル、そしてアメリカ文化といえるほど溶け込んでいるビートルのいずれもが大幅減になっているのでありました。

とくに落ち込みが激しくみえる車種をピックアップすると次の通り。

ゴルフ マイナス64.0%
ゴルフスポーツワゴン マイナス54.0%(ジェッタスポーツワゴンの前年データとの比較)
パサート マイナス60.4%
ビートルクーペ マイナス49.6%


2015_golf_sportwagen_3942

全体としてのマイナス24.72%が可愛くみえるほど、フォルクスワーゲンの象徴する主力モデルが落ち込んでいるのでした。台数ベース、売上ベースでいえば、利益率で有利なSUVが売れていればいいという見方もありましょうが、ゴルフやパサートの落ち込み方は、ブランド毀損の面からかなり深刻といったイメージを受けるところ。

もっとも、日本国内の推移においても、問題の発覚した9月は前年同月比マイナス9.1%、10月に同マイナス48.0%まで落ち込んで、11月は同マイナス31.8%と回復しているようにも見えますから、US市場も同様のムードで動いているのかどうか。日米ともに12月のデータを見てみないと瞬間風速的なのか、大きなトレンドになるのか、判断できないところであります。


参考リンク:VOLKSWAGEN OF AMERICA REPORTS NOVEMBER SALES
http://media.vw.com/release/1113/ 


精進します。

 








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フォルクスワーゲン4気筒ディーゼル「EA189」の対策を発表

技術でなくブランディングに問題が移行した感のあるVWのディーゼル「ディフィートデバイス」問題ですが、違法プログラムであれば、その対策については粛々と進めなければいけないわけですし、まずは違法な商品を合法化することがリブランディングに向けての必須条件でありましょう。

というわけで、旧式の4気筒ディーゼル「EA189」エンジンにおける、ディフィートデバイスをクリアするリコール内容をフォルクスワーゲンが動画や透視図などを用意して説明しております。





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2.0リッターエンジンについては、プログラムの書き換えのみで対応。1.6リッターエンジンはエアフロメーターの手前にアダプターをつけた上でリプロするとのこと。ただ、このリコール内容は欧州向けのEA189エンジンに対する内容であって、北米向けが同じ処理で済むのかどうかは不明でありますし、この程度ではクリアできないような気もしますが、さて?

そしてDPFの再生頻度が上がるのかどうかも気になりますが、その辺りの情報はカスタマーの生の声として半年後にはまとまっているのでありましょう。むしろ、初期の声は様々なバイアスがかかっていると思われますので、それなりに時間が経過してカスタマーボイスが集まるまでは判断ムズかしい内容と考えるところであります、ハイ。

 

精進します。








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VWグループのディーゼルゲート、拡大する一方で収束見えず【追記あり】

フォルクスワーゲングループの「ディーゼルゲート」、V6についてもUS EPA(アメリカ環境保護庁)が”セカンド・ヴァイオレイション”として指摘したのに対して、当初は3.0リッターV6ディーゼルでのディフィートデバイス使用を否定していたものの、一転して違法ソフトを認めたという報道あり。

EPAのWEBサイト、Announcements for Volkswagen Violations には Additional 3.0 liter diesel engine vehicles affected (November 20, 2015) という新しいステートメントが用意されているのが気になるところ。このステートメント、2015年11月21日17時29分時点では、タイトルだけでリンク先がありませんが、ともかくV6ディーゼルのディフィートデバイスは拡大する模様。

【追記 2015/11/25 10:56】
EPAのステートメントが公開されたのを確認しました。発表内容は対象モデルの拡大で、年式で広がったのはもちろん、車種でいうとアウディQ7は新たに対象となっている模様。

During a meeting on November 20, 2015, Volkswagen and Audi officials told EPA that the issues EPA identified in the November 2nd NOV extend to all 3.0 liter diesel engines from model years 2009 through 2016. EPA and CARB will continue to investigate and will take all appropriate action.

Affected Vehicle Models are:
    • Volkswagen Touareg (Model Years 2009-2016) 
    • Porsche Cayenne (Model Years 2013-2016) 
    • Audi A6 Quattro (Model Years 2014-2016) 
    • Audi A7 Quattro (Model Years 2014-2016) 
    • Audi A8 (Model Years 2014-2016) 
    • Audi A8L (Model Years 2014-2016) 
    • Audi Q5 (Model Years 2014-2016) 
    • Audi Q7 (Model Years2009-2016)

先日のCO2排出量に関する不整合性と合わせて、フォルクスワーゲングループのエンジンと環境に対する問題は大きくなるばかりであります。


2014_touareg_r-line_3415

もっとも、このディーゼルゲートによるブランド毀損の影響を大きく受けている日本市場に対して、震源地でもある北米は、そこまでの影響を受けていないように見える(影響はありますが、日本ほど大きくないとも言えましょう)のは、そもそもブランド力ではなく商品力で売っていたからなのかもしれませんが。

とはいえ、現地で対応するフォルクスワーゲンUSAには、モア・ハードワークが求められそうです(汗)


それにしても、CO2の不整合性にしても、結論だけの発表で、何が起きているのかが表に出てこない状態では、あらためて信頼関係を築くスタート地点にも立てない感じもしますが、いかに?


精進します。



 








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