クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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ダットサン

日本最古の常設サーキット跡。なんだか騒がしい85年目の夏

1936年に全国自動車競走大會が開催された、アジア初の常設サーキット「多摩川スピードウェイ」に危機が迫る

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多摩川にかけられた、東急東横線が走る鉄道橋。その川崎側の河川敷を上流側に歩くと、ほどなく土手の部分に10段のベンチ的な構造物といくつかの階段が確認できます。

マニアにはおなじみでしょう、これこそが日本最初の常設サーキットである多摩川スピードウェイのグランドスタンドの跡。1936年6月に第一回・全国自動車競走大會が開催されたときの熱気をいまに伝えるモータースポーツ史における最大の遺構であります。コンクリートで作られたスタンドは、ところどころ欠けている箇所もありますが、全体としてはしっかりと形を維持。85年前の丁寧な作業がしのばれるのでありました。

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日産のアイコン、新型フェアレディZプロトタイプを発表。ヘリテージとデジタルの好バランスはお見事

電気自動車「アリア」があるからピュアスポーツカー「Z」が作れる。古典的なドライビングファンを求めたことはコクピットの構成からも明らか

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クルマ好きの間で話題騒然といったところでしょうか。2020年9月16日、ひと目で初代フェアレディZ(S30)をモチーフにしていることが理解できるスタイルの新型フェアレディZプロトタイプが発表されました。個人としても9時半からのオンラインアンヴェールを画面の前で正座して待機状態で楽しませてもらったのでした。

なるほどヘリテージを存分に感じさせるスタイリングはお見事という印象。それでいてデジタル世代にも理解されるようなテイストに仕上げているのもポイントでしょうか。初代Zカーのファンから、オンラインゲームでZカーを知った世代まで、まさに北米市場での幅広いターゲットを感じさせるスタイルといえるのでは?


真正面からの画像を見ると、もう少しヘッドライトをシャープな意匠としたほうがS30のスペシャルバージョンといえる240ZGぽさも出てくるようにも思えますが、ガバッと開いたフロントグリルが“悪魔のZ”を意識したものだと仮定すると、このヘッドライトまわりの処理も理解できるといったところでしょうか。ならば、オプションなり、追加グレードなりでブラックの樹脂製オーバーフェンダーをつけた仕様が出てくると、完成するデザインなのかもしれません…気の早い話ですが(汗)


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S30のヘッドライトに、Z32のテールレンズ。次期フェアレディZはオマージュから生まれるピュアスポーツカー

2020.9.16のデジタルアンベールに向けたティザームービー第二弾。MTを予感させる演出にも大注目



日産のNEXTを象徴するモデルとなりそうな「フェアレディZ」のデジタルワールドプレミアの日が近づいておりますが、そのティザームービー第二弾でフューチャーされているのは初代モデルのS30型と、国内的にいうと初めて280PSに到達したことで馬力規制を生み出したといえるZ32の2モデル。

そもそも新型フェアレディZではCピラーに「Z」のエンブレムを置いているあたり、初代オマージュが強く感じられるのですが、明確に初代S30のヘッドライトをモチーフにしたことをこのムービーで表現。さらにテールレンズのテイストはZ32から受け継いでいるといった演出もあり、歴史を体現するスタイリングになっていると予感させるのでありました。







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お値段100倍という2台に感じるグローバル化

フランクフルトショーで発表されたポルシェ918スパイダー。
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ニュルブルクリンク北コースでは7分を切る超俊足スーパースポーツで、お値段は8500万円とか。


一方、インドネシアでワールドプレミアしたダットサン「ゴープラス」は現地向けコンパクトMPV。
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インドネシアで現地生産されるという、この7人乗りのファミリーワゴンの目標価格は約86万円。


8500万円と86万円、為替のタイミングで、いくらでも日本円にすると金額は動くのでしょうが、ともかく同じタイミングで、100倍の価格差がある自動車という工業製品のニュースを見ると、これもひとつのグローバル化なのだなぁと思う次第。

グローバルというと、なんだか世界がつながり平準化するようなイメージもありますが、地域によって偏っていた経済性が、そうした制限を飛び越えて、世界規模で格差として、よりワイドになって顕在化するのだろうな、という当たり前のことを、この2台のニュースから再確認。

といっても、おそらくインドネシアで新車のMPVを購入できる層というのは、それはそれで恵まれたクラスタでしょうから、幾重にも格差が存在、拡大するのがグローバル化なのかもしれません。もっとも、こうして広がっていくと最終的には平均化されて、格差が小さくなるのか? 経済もわからない自分ですから、多分に感覚的な話ではありますけれど……。

ともかく、現段階ではグローバル化という掛け声ほど平均化しているわけではなく、グローバルに通用する製品というのは、少なくとも自動車においては机上の空論的なのでは、と思うわけです。

言い方を変えれば、単一商品が世界中で通用する段階ではない、ということ。各社が進めているモジュール的な設計思想に代表される、ローカライズするコストを最小限に抑えた共通性のある基本設計を狙うというフェイズなのでしょうか、まだまだ。


それにしても、ダットサン「ゴープラス」。合理的な道具感が新鮮。このままADバンの後継にならないかしら? などと妄想する今日このごろでもありました。

 

66万円以下を目指すダッツン・ゴー! がワールドプレミアで気付いたこと

日産としては3番目のブランドとして復活した「DATSUN」。新興国市場向けのセカンドブランド(低価格製品向けのブランド)として位置づけられていると判断できるわけですが、その第一弾モデルとなる「GO」がインドにて発表されたそうで、オフィシャル画像も絶賛公開中。目標価格は40万ルピー(約66万円)以下ということで、そのあたりがDATSUNのベースプライスゾーンとなるのでしょうか。

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ボディサイズに対してタイヤが小さく見えるのは、このくらいの外径で設計したシャシーに、ちょっと大きめのボディを載せたという風に想像できてしまうわけですが。

全長:3785mm
全幅:1635mm
全高:1485mm
ホイールベース:2450mm
エンジン排気量:1.2L
駆動方式:FWD
変速機:5MT

以前、「新生ダットサン第一号モデルは、マーチの廉価版なのか?」というエントリーを上げたので、K12マーチの車体諸元も以下に記しておきましょう。

全長:3725mm
全幅:1660mm
全高:1525mm
ホイールベース:2430mm

ちなみに、タイで生産している現行マーチ(K13)の諸元は以下の通り。
全長:3825mm
全幅:1665mm
全高:1515mm
ホイールベース:2450mm

ホイールベースでいうと、現行マーチともろもろ共通のプラットフォームという可能性もありそう。



ところで、このダットサン・ゴーの画像を見ていて驚いたのは、ドライバーの操作系。




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パーキングブレーキはステッキ式だし、ウインカーは右側というのは、いまどきの国際基準という感じではありません。とくにウインカー位置はISO規格とも異なるわけですし(日本ではスタンダードですが)。

インド市場を意識して、基本部分以外は現地で開発したという話もありますが、その結果がこうした操作系だとすると、意外にインドでは日本の商用車的なコクピットがユーザーレベルではスタンダードということなのかもしれません。もっとも、混乱の中をウインカーを出しながら、キビキビとシフトチェンジして走るには、この位置関係でキマリという見方もできましょう。インパネシフトで、フロントがベンチシートになっているのも定員6名を意識しているのでしょう、おそらく。

そして廉価モデルといっても、エアコン・パワーウインドウは備わっているのが、2013年のグローバルコンパクトらしいな、とも感じた次第であります。ただし、パワーウインドウは前席ぶんだけのよう。またエアバッグも未装備に見えますが、はたして?



新生ダットサン第一号モデルは、マーチの廉価版なのか?

日産が新興市場向けとしてセカンドブランド的に展開する「ダットサン」第一号モデルのイメージイラストを発表しております。

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左ハンドルのコンパクト2BOXといったイメージではありますが、そもそもインドやインドネシア、南アフリカといったダットサンが展開すると宣言している国々は右ハンドルなので、このイラストにはそれだけにとどまらないという意思が隠されていると見るのが正解かもしれません。ちなみに、ダットサン・ブランドとして公式に展開予定な地域にはロシアも挙げられていますが、市場を考えると、違うモデルでブランドのローンチをするような気がします。



ところで、イメージイラストからは、フロントからドアにかけての骨格にマーチぽい印象を受けます。ちょっとノッチバック風になったリアの処理も、そうした印象を強めているのかもしれません。

ならば、タイで生産している現行マーチ(K13)の廉価版という位置づけなのでしょうか?


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サイドのキャラクターラインのせいかもしれませんが、むしろ先代のK12マーチの骨格に近いような印象も。もちうん、10年前のクルマをそのまま作っては、現代的な要求性能を満たせないでしょうから、K12復活というわけはないのでしょうし、単純に古いモデルを復活させてもスケールメリット的な意味ではコストダウンにつながらない面もありますから、そんなことはないのでしょうけれども(汗)
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