クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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スパークプラグ

なかなか量産に進まない、NGKのターボエンジン用高着火スパークプラグ

「人とくるまのテクノロジー展」といえば、最新テクノロジーのショーケースとばかりに自動運転やADAS、エレクトリックドライブ関連に注目が集まりがちですが、どっこい従来からある、もはや進化の余地は残されていないと思えるような分野も着々と進化しているのでありました。数年前からウォッチしているスパークプラグ分野も、そのひとつ。

NGKのターボエンジン用高着火スパークプラグは、中心電極にイリジウム合金のチップを、L型の接地電極に貴金属合金のチップを溶接することで、着火性と耐久性を向上させているというもの。なかなか「開発中」の文字が取れないのは、おそらくこの商品がアフターパーツとしての市販化ではなく、OE納入を目指している系の商品だからでしょうが、それにしてもそろそろ納入実績が生まれてもよさそうな気もしてみたり。

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そしてスパークプラグ(点火プラグ)といえば、じつはヘッドの冷却性やバルブや直噴インジェクターのレイアウトに影響大のパーツ。いずれにしてもプラグを細くすることで、ヘッド周りのメカニズムに設計自由度が増すわけで、パーツ自体の存在を限りなく減らすことが、スパークプラグメーカーの存在感を増すことにつながるのだなあ、などと思ってみるのでありました。

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精進します。
  




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ガソリンエンジンにスパークプラグは必須か?

ガソリンエンジンはSIエンジンと呼ばれることもあります。SIとはスパーク・イグニッションに由来するものですから、すなわちスパークプラグによって火花を飛ばして混合気を燃焼させるエンジンということでもあります。

そんなスパークプラグが商用化されたのは1902年(ボッシュによる)ですから、かなり長い歴史があるわけですが、むしろスパークプラグの商用化がなされていなければSIエンジンが普及することはなく、圧縮着火するディーゼルという贅沢なエンジンばかりで、原油から精製されるガソリンの有効利用は進んでいなかったのかもしれません。

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※画像はボッシュのスパークプラグ111周年を記念したもの(2013年)

ボッシュ製スパークプラグの111年の歩み
1902年:スパークプラグと組み合わせたマグネトー式高圧点火装置の特許を取得
1914年:ボッシュ初のスパークプラグ工場をシュトゥットガルトに開設
1927年:「熱価」という概念を導入(スパークプラグの放熱性の測定には今でもこれが基準として採用されている。エンジンのキャリブレーションには非常に重要な要素となる)
1939年:スパークプラグの工場をバンベルクに開設
1968年:スパークプラグの生産が10億個を突破
2012年:スパークプラグの生産が110億個を突破
2013年:スパークプラグの生産開始から111年を迎える

それはさておき、100年以上、スパークプラグによって点火するというのがガソリンエンジンにおいては当たり前になっているのですが、ちょっとした思考実験。果たしてスパークプラグをなくすことはできるのか? と。

もちろん、だいぶ前に『DIESOTTOはHCCIなのか?』というエントリでも触れたように、HCCI(予混合圧縮着火) のように自己着火させるガソリンエンジンという仕組みも各所で研究されているわけですが、ここで思考実験したいのは、基本的にSIエンジンのままスパークプラグ以外の方法で火炎核(火種)を作ることが可能なのか、という点。

というのも直噴ガソリンエンジンの燃焼室を見ていると、4つのバルブ・インジェクター・スパークプラグと詰まっていて、なんだか手狭に感じたから。 もしスパークプラグをなくすことができれば、もっとスペースが有効活用できるというか、スパークプラグがセンターを置かずに済むとなれば燃焼室の作り方にも違うアプローチが生まれるのでは? と思ったわけです。

では、スパークプラグを使わずに、火炎核をシリンダー内の任意の場所に発生させる方法はあるのでしょうか? 正直、思いつきの思考実験ですから、まったく技術的な裏付けはありませんが、不可能ではないという印象あり。

そのヒントになるのが、「人魂」。

唐突に発生する人魂は、プラズマで説明できるなどなどの説もありますが、その仕組が明確になり、仮に外部からの刺激によって、任意の場所・タイミングでシリンダー内に「人魂」的なエネルギー体を発生させることができるとなれば。それが十分なエネルギーを持っていれば火炎核になり得るでしょうし、また複数の火炎核を同時に発生させることもできるかも? などと妄想、いや思考実験なのであります(汗)

そうしたエネルギー体を生み出すのに必要なエネルギーが現在のスパークプラグを点火させるそれと同等にすることができれば、真剣に考える価値は出てくるかもしれない、などと思ってしまう今日このごろです。

精進します。 
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