クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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サスペンション

新型レヴォーグ、チューニング&カスタマイズ前提ならGT系グレード一択!?

ZFの可変ダンパーを持つSTI Sportはツルシの状態でワンダフルな仕上がり。自分なりの足をセットアップしたいならGT系を選ぶが吉か?

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昨日のエントリにて、新型レヴォーグのプロトタイプに試乗した印象からいえば、従来的なレヴォーグ(SUBARUのツーリングワゴン)価値を重視するユーザーで、なおかつ「アイサイトX」などの先進運転支援システムを活用するのに安心なノーマル状態で乗っていたいのならばSTI Sport一択という結論になるであろうと書いたのですが、ではGT系グレードはおすすめじゃないのかといえば、さにあらず。



先進運転支援システムとの相性を考えるとチューニングやカスタマイズが難しいであろうと思うと、STI Sportがおすすめなのですが、そのあたりのリスクを覚悟できて、むしろ走り味を自分流に作り込みたいという方には、ある意味で余計なものがついていないGT系のほうがおすすめ。STI Sportの走りはダンパーやAWD制御など現時点でのパッケージングにおいて最良となっていますが、チューニングによってバランスを崩したときに、その走りの良さが維持されるとは限りませんし、むしろ悪さをする可能性も否定できませんから。
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新型レヴォーグのドライブモードセレクトは想像以上に明確にキャラ変する!

6つの要素の組み合わせは300通り以上。ハンドリングにはAWD制御の影響大

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SUBARUから新型レヴォーグが発売間近。2020年8月20日より全国の販売店にて先行予約がはじまるということで、新型レヴォーグ(プロトタイプ)の記事公開できるタイミングとなりました。

新型レヴォーグを見た感じではキープコンセプトですが、プラットフォームからパワーユニットまで完全新設計の意欲作。コアテクノロジーである「アイサイト」についても準天頂衛星や3D高精度地図データを利用した「アイサイトX」をオプション設定するなど大きく進化しているのでありました。

そして外観は従来路線ながら、「アイサイトX」装着車では、インテリアでも12.3インチのフル液晶メーターや、11.6インチの縦長インフォメーションディスプレイ(ナビ画面)を採用するなど要素としては現代的になっているのも注目。さらにテールゲートのSUBARUエンブレム(六連星)にスマートキーを持ったまま手をかざすとゲートが開くという新アイデアも盛り込まれていたりするのでした。

とにかくトピックスが多すぎて、どこかに話を絞らないとその魅力が伝わらないとさえ思えてしまう新型レヴォーグ。プロトタイプに試乗した中で、是非とも伝えたいと感じたのが「STI Sport」グレードに搭載される新機能「ドライブモードセレクト」なのでした。


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【逆説】電子制御があるからミドル級セダンでもよく曲がるシャシーを実現できる【新型アコード】

曲がりたがりのアコード
電子制御で直進安定性を出せるから
運動性能を追求できる


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先日来、YouTubeのほうで公開している新型アコードの試乗レポートにおいて、繰り返し言っているポイントのひとつに「直進安定性がいまいち」というものがあります。いまどきの、しかもDセグメントのセダンにおいて直進安定性が良くないということはあり得ないのですが、もちろん真っ直ぐ走らないという意味ではございません。

高速道路を真っ直ぐ走るという点においては、LKAS(車線中央維持機能)がしっかりと機能してくれるので、実際のところ手をステアリングに添えているだけで、クルマは安定して走ってくれますし、その機能においてはまったく不満はないのでした。

では、なぜゆえに直進安定性のネガを指摘するようなことを言ったのか。それは、アコードが全長4.9mのミドル級セダンとは思えないほど「曲がりたがり」な性格に仕上がっていることを表現したかったゆえ。





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200馬力オーバーのスーパーチャージャー付オートバイに身震い

Z125 PROの初回点検で訪れたKAWASAKIプラザにてH2を見る
リターンライダーの第一歩として入手したZ125 PROの納車から早いもので一か月。初回点検を受けにKAWASAKIブランドの専門店「KAWASAKIプラザ」に行ってみたところ、ショールームに物々しい雰囲気のオートバイが置いてあるのに気付きます。現金販売価格は277万5600円! それが「Ninja H2 SX SE+」でありました。
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展示されていたのは2019年モデルで、998ccのエンジンに遠心式スーパーチャージャーを組み合わせたパワートレインのスペックは最高出力147kW(200PS)/11000rpm、137Nm/9500rpm。一応、免許の種類的には運転できるわけですが、生身のまま200馬力で走るというのは、ちょっと想像できないのも正直なところであります……。


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左手でウインカーを操作したくなる国産車、そのわけは?

先日、ちょっと驚く体験をしたのでした。

タイトルに書いた通り。国産車なのに、左手でウインカーを操作したくなる感覚に襲われたのです。

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そのクルマには、もともと減衰力を前後とも64段階で調整できる車高調がついていて、それを室内から自在にコントロールできるだけでなく、縦・横のGや速度によってマッピングした減衰力に切り替えるという機能付き。

当初のセットアップで運転しているうちは、意外にマイルドな車高調だなあ、くらいのもので、国産車のチューニングカーの域は出ない印象でありました。

このクルマに乗っていたのは、こちらの媒体の取材だったのですが、驚くことは、その取材の最中に起きたのです。

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詳しくは誌面に譲るとして、徐々にセッティングを煮詰めていくことで、クルマ全体の印象が変化していくのを感じます。インプレッションを担当した、とあるモータージャーナリスト氏(どなたかは誌面でご確認を)が、ときおりワイパーを動かしてしまいます。

すなわち、ウインカーとワイパーを間違えてしまうほど、欧州車チックな乗り味へと変化していったのでありました。

当初は、自分もワイパーが動くたびに笑っていたのですが、実際にステアリングを握ってしばらく走ると、左手でウインカーを出したくなる衝動に襲われます。たしかに、ドイツ車(とくにVW、アウディ)に似た挙動を感じるのです。

それも一般道を移動的なスピードで動いているときの、日常的な挙動に感じるのですから、おそらく縦Gに応じた減衰力調整による姿勢作りが、そうしたVW・アウディ的なイメージを生み出しているのでしょう。

逆にいうと、日常域における加減速での姿勢、挙動感が、VW・アウディが持つドイツ車ぽさにつながっているのかも。この辺りの味付け、飛ばしていると見えなくなりがちなのですが、そっち方面の乗り味がお好みというユーザー向けのセッティングとして、ポイントになりそうなどと思うのでもありました。


アラフィフになっても発見ばかり(汗)

精進します。








アクティブサスペンションというアピールは、スポーツ性能第一を感じさせますが、いわゆる上質な味付けにも活用できそうで、このサスペンションは可能性が広い! と実感なのでありました。

since 1997 メルセデスのカーブチルト・サスペンションは遠心力との闘い

メルセデスの最新・最良作といえるSクラス・クーペは、2014年のジュネーブショーでワールドプレミアを飾った、新しい巨体のクーペ。そのスタイリングやパワートレインはさておき、ABC(Active Body Control )サスペンションがメカ好きには要注目。ABCという名称は20世紀のビッグクーペ「CL」にも搭載されておりましたが、今度のABCは、コーナー・イン側に車体を傾けるという、量産車としては初のシステムを搭載しているのがニュース。

そのルーツについての情報が公開されて、流れを見ていると、たしかに遠心力とのバトルを続けてきたという一貫性がうかがえるのです。

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something that the new S-Class Coupé does effortlessly. This driving experience becomes even more exclusive with the curve tilting function, a world first for series production cars: the vehicle leans into bends in a similar way to motorcyclists or skiers.
The lateral acceleration acting upon the occupants is reduced, similar to driving in a high-bank curve; the passengers sit tighter in their seats. On country roads in particular, the new curve tilting function of the Active Body Control (ABC) suspension system heightens motoring enjoyment and comfort. The aim is not to achieve higher cornering speeds, but a new driving experience: the S-Class Coupé glides elegantly through bends. “The large coupé has always been the supreme pinnacle of our Mercedes-Benz model range. With innovations such as the curve tilting function, the new S-Class Coupé once again underscores our leading role at the vanguard of technological progress – which makes us proud", stresses Prof Dr Thomas Weber, member of the board of management of Daimler AG responsible for Group Research and Mercedes-Benz Cars Development.
オートバイやスキーのようなイン側に傾けた姿勢でコーナーを駆け抜けるよう、サスペンションを制御するというSクラス・クーペ。アウト側にロールするのが当たり前というか、その挙動に疑問を覚えたことがないので、どうしてこんなアイデアが生まれたのか、不思議にも感じるのですが、じつはその歴史は意外に古いのでありました。

Mercedes-Benz S-Class Coupé (2014)
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F 400 Carving research vehicle with dynamic chassis technology (2001)
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まずは、2001年の東京モーターショーでワールドプレミアを飾った可変キャンバーのシャシーコンセプトカー、その名も「F400 カービング」。トーキョーでコンセプトカーが初公開されるなんて、今から思えばイイ時代でしたが、それはさておき。
the chassis technology of the F 400 Carving, which had its debut in 2001 at the Tokyo Motor Show. On bends its outer wheels tilt by as much as 20 degrees, appreciably enhancing driving stability and reducing the risk of skidding. Electronics combine with mechanical components to achieve this. Sensors measure the vehicle's speed, acceleration, steering angle and yaw characteristics, and on bends send control signals to the hydraulic actuating cylinders of the outer wheels, which are then brought into a precisely defined tilting position. The tyres on the inside of the bend, and also the body, remain in the normal position.

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さらに遡り、1997年のフランクフルトショーで公開されたスリーターのコンセプトカー。

The F 300 Life-Jet (1997)  
presented at the Frankfurt International Motor Show (IAA) in 1997 as a new vehicle concept which combines the cornering dynamics of a motorcycle with the safety of a passenger car.
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Battle against centrifugal force: first tilting function in 1997
Mercedes-Benz engineers have been working on the compensation of centrifugal cornering forces for some considerable time. At the 1997 International Motor Show they presented the F 300 Life Jet research vehicle. The aim of this unusual study was to combine the driving experience and cornering dynamics of a motorcycle with the safety and comfort of a car.
The three-wheeler features Active Tilt Control (ATC). An elaborate electronic system calculates the tilt angle depending on the vehicle's speed, acceleration, steering angle and yaw characteristics, so that the inclination of the body always corresponds to the current driving situation.
タイヤの接地させ方など、そのままで技術が進化したとは言えないかもしれませんが、コーナリングスピードを上げるために遠心力に打ち勝つための試行錯誤があり、それを市販車に落とし込んだのが、現在のABCということのよう。当初は1990年代に流行ったアクティブサスペンションの延長線くらいのイメージでありましたが、この広報展開により急に気になるシステムとなってまいりました。いろいろな意味で縁のないクルマではありますが(汗)

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