クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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サイクリスト

自転車と自動車、同じ車両として共存共栄を考えると……

自転車は車道走行が大基本なのはコンセンサスがとれてきた。次は追い越しポイントの相互理解が混合交通での課題?



ここ数年、自転車愛好家の方が増えている印象あり。とくに休日ともなれば、幹線道路でも観光道路でもサイクリストの方を見かけるケースが増えております。そして、きちんとしたサイクリストの方ほどちゃんと車道を走っているのでした。

なにしろ、道路交通法では自転車は軽車両であり、基本的には車道を走るべきと定められておりますから。たしかに、いわゆるママチャリなどでは歩道を走っているケースも見受けられますし、道路交通法的にいっても『著しく自動車などの交通量が多く、かつ、車道の幅が狭いなどのために、追越しをしようとする自動車などの接触事故の危険がある場合など、普通自転車の通行の安全を確保するためやむを得ないと認められるとき』は、普通自転車であっても歩道を走っていいとなっておりますが、あくまで例外的規定というのが基本的なスタンスであって、歩道を走っていいのは『13歳未満の子供や70歳以上の高齢者、身体の不自由な人が普通自転車を運転しているとき』に限った話となっております。

※参考リンク:https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/bicyclette/jmp/bicyclette.pdf

とはいえ、ここでいう『追越しをしようとする自動車などの接触事故の危険がある場合』という項目については、もう少し啓もうするなり、サイクリストとドライバーの間でなんらかのコンセンサスが必要と思えるのも事実。もしドライバーのスキル不足でサイクリストが事故に巻き込まれると、スピードが出ているほど重大インシデントにつながる可能性大ですから。





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令和元年中の交通事故による死者数は3,215人で3年連続最少記録を更新!

10年前と比べて35%減はAEBの効果? 65歳以上高齢者の死者数は1,782人
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警察庁が令和元年(2019年)の交通事故死者数など交通事故発生状況の数値を発表。それによると、交通事故件数は381,002件(前年430,601件)、交通事故負傷者数460,715人(同525,846人)、そして交通事故死者数は3,215人(同3,532人)と3つの項目すべてで減少しているのでありました。

医療の進化により死ななくなっているのではなく、交通事故そのものが激減しているというわけです。


 事故件数、負傷者数は前年比マイナス12%台となっておりますので、それに比べると死者数の減少ペースは緩やかという見方もできますが、なんにしても9%も減ったというのはかなりのハイペース。2009年の交通事故死者数が4,979人でしたから10年で35%減といったところでしょうか。この勢いであれば10年後には1000人台となることもあり得るといえそう。交通事故死者をゼロにするのは、すべての自動車メーカーやユーザーの目標といえますが、それが夢物語ではなくなりそう。

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2020年は混合交通下での自動運転へテーマがシフトする年になる?

高速道路での自動運転元年となる2020年、次のステップは混合交通でのルール作り
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謹賀新年

2020年の元旦、新しいDecadeとなる”20年代”のスタートは自動車業界としては「自動運転の十年紀」になるといっていいでしょうか。すでに東京オリンピック・パラリンピックにあわせてレベル3自動運転が実用化されることは既定路線でありまして、会場内などのクローズドエリアでは無人運転も実施される予定。そして、次なる自動運転のターゲットは一般道となるはずであります。

ただし、一般道となると急激に難易度があがるというのが定説。高速道路は基本的に歩行者や自転車はおりませんし、クローズドエリアであればそれらを制限できますが、一般道となれば歩行者や自転車の存在を前提としなければなりませんし、当然ながら信号機のない交差点や横断歩道も考慮しないといけないからです。



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【再掲載】衝突安全性から丈夫になるAピラー、サイクリストへの攻撃性を考慮すべき時期では

※2018年1月末にクローズしたcarview!個人というサービスがありました。そこに過去寄稿した記事を再掲載いたします。原文ママなので掲載時とは多少異なる箇所があるほか、名称なども掲載当時のママとなっておりますので、ご留意いただきますようお願い申し上げます。
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自転車用ヘルメットでは細く硬いAピラーから頭部を守り切れない?
いまや幹線道路でもサイクリストを多く見かけるようになりました。近所のお買い物用自転車とは異なるスポーツサイクルであれば原動機付のモビリティと遜色ないスピードを出すこともできますし、それでいてゼロ・エミッションなわけですから、健康促進の面からもサイクリストが増えているのは時代の要請なのだともいえるでしょう。

しかし、速度が高いということはそれだけ危険性も増すということになります。多くのサイクリストがヘルメットを装着しているのは自己防衛の意識でしょうが、一方でサイクルジャージなど薄着なの格好は傍から見ていても事故の際のダメージが心配になります。

ところで、サイクリストの事故といえば、自動車との接触では意外な危険性があるという話を耳にしたことを思い出します。それは自動車のAピラーの攻撃性。衝突安全性と視界の拡大を両立するために、Aピラーは細く硬くなる傾向にあります。そして、走行中のサイクリストとクルマの接触事故では、頭部がAピラーにぶつかることも少なくないのだそうです。そうなったときに、通常のサイクリスト用ヘルメットでは保護能力が不足するという研究結果もあるほど。地面との衝突では頭部を守ることはできても、Aピラーとまともに当たってしまうと脳への衝撃が大きく、非常に危険という話なのでした。

だからといって、Aピラーの強度を落とす(すなわち、クルマの安全性を落とす)というわけにはいきません。一方で、サイクリスト用ヘルメットでも学生がかぶっているような、いわゆる通学ヘルメットであればAピラーの硬さにも対応できるという話もあります。だからといって、現在のスポーツサイクルに乗っているユーザーが、通学ヘルメットタイプに変えるというのは、ユーザーマインドからして難しいようにも思うのです。

さて、Aピラーを柔らかくすることも難しい、ヘルメットを大きくすることも難しいとなれば、期待できるのは何らかの電気的デバイスでありましょう。すでに歩行者保護エアバッグというデバイスがあり、間もなく登場するスバルの新型インプレッサ(全車に同デバイスを標準装備!)ではAピラーの大部分をカバーする形状となっていますから、サイクリストの頭部保護性能も期待できそう。ただし、インプレッサの場合は歩行者保護エアバッグを展開するためのセンサーはフロントバンパー内側に備わっているので、フロントフェンダー部分でサイクリストと接触したような事故では展開できないといいます。しかし、エアバッグによってAピラーのカバー範囲を広げ、展開するセンサーを増やすことは技術的には可能といえるでしょう。

いまや自動車の安全要件に「歩行者保護」は欠かせないものとなっていますが、今後は「サイクリスト保護」ということも考えなければいけないのかもしれません。すでに衝突回避ブレーキではサイクリストを認識できるシステムも増えています。もっとも、サイクリストは公道上(道路交通法の下に)においては、『車両』として扱われますので、感情論は別として、制度として保護する対象とすべきかどうかの議論は起きてくるかもしれませんが…。

なお、上の画像は新型NSXのボディシェル。三次元熱間曲げ焼入れ超高張力鋼板による細く強いAピラーが印象的です。

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精進します。
  




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