クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

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エンジン

SUBARUレヴォーグのCB18エンジンをマツダSKYACTIV-Xと比べてみると

新型レヴォーグとマツダCX-30のAWDは同じ車重でパワーも2kW違い。では燃費はどうなっている?

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新型レヴォーグから、SUBARUは完全新設計のエンジン「CB18」を投入するわけですが、このエンジンはリーンバーン過給(ターボ)というプロフィールが特徴。こうした要素でいうと、かなり特殊な環境型エンジンといった印象ですが、メーカー目標値のWLTCモード燃費は13.6~13.7km/Lと、リーンバーン過給という言葉から期待するほどではないのも事実。燃費についてはエンジンだけでなく車体(重量・空力)やトランスミッションなどの要素も関わってくるわけですが…。

そうした「期待値ほどではない」感でいえば、マツダが鳴り物入りで登場させたSPCCI(火花点火制御圧縮着火)エンジンである「SKYACTIV-X」にも同様の印象もあったりするのでした。そういえば、SKYACTIV-Xも過給機(機械式スーパーチャージャー)を使っているリーンバーンエンジンという点ではSUBARU「CB18」と共通性もありそう。

というわけで、新型レヴォーグとSKYACTIV-Xを積む最新モデルCX-30のスペックを比較してみようと思うわけです。




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化石燃料インフラの未来は? 異なるメディアに寄稿したコラムが、じつはつながっていたというお話

イギリスがエンジン車の販売を禁止したときにガソリンスタンドというビジネスが続くとは思えない。つまり、燃料インフラの不足が自ずとエンジン車の需要を減らしてZEVへの移行を促していくだろう
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2020年1月の実績でWEBに寄稿したコラムが51本、編集者の方にテーマをサジェストしていただくことも多いのですが、自らの好奇心からテーマを見つけたコラムも20本近くを書かせていただきました。情報収集をしようと意識しているわけではないのですが、なにかをアウトプットしようと思うと関連情報もチェックすることになり、そこから発展して次のテーマが見つかるなんてことも珍しくなく、アウトプットすることでインプットが加速していると感じる今日この頃であるのでした。

さて、2月に入ってすぐ話題となったのは、当ブログでもエントリをあげたイギリスの内燃機関車の販売禁止宣言。EUが目指す2040年に先んじて、2035年にはハイブリッドカーを含む内燃機関を搭載した乗用車の販売を止めようというもの。現在売られている乗用車をすべてZEV(ゼロエミッションビークル)に置きかえるというのは荒唐無稽というか、無茶な話というか、いずれにしても非現実的だとは思いますが、マイカーを持つというスタイルがなくなり、すべてカーシェアリングになると考えるとあながち非現実的ともいえないような気がするのでした。
そんなことをベストシナリオとして考察したのが、こちらのコラム記事。再生可能エネルギーとEV、FCVの相性の良さや、CO2排出量取引におけるイニシアティブをとることなど、EUを脱退したイギリスだからこそ、その道に突き進む意義があるのかもしれないとも思うわけです。EUから5年のリードタイムを得ようという宣言にも、そうした狙いがあると考えると納得できるもの。

とはいえ、それまで販売されてきた自動車が残っている限り、ガソリンや軽油を燃やして走るエンジン車は消えないわけで、急激にCO2排出量を減らすことにはならないのでは? と思うわけですが、さにあらず。下記のコラム記事で触れているように、ガソリンや軽油の販売量が減るとわかっていて、そのビジネスを続ける企業があるとは考えづらく、ガソリンスタンドが減っていくことでエンジン車は機械の寿命よりも速いスピードで消えていくでしょうし、ZEVの普及を加速させる可能性があるとも考えられるわけです。

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トヨタ・スープラがパワーアップを発表。スポーツカーとしては正しいけれど買い時がわからなくなる?

欲しいときに買うべきスポーツカーになった。はたしてリセールバリューのコントロールは?


スポーツカーといえば常に進化することで『最新が最良』であるべきと言われることもありますが、トヨタGRスープラもそうした路線の模様。フロリダ州デイトナでエンジンに改良を加え最高出力を高めたGRスープラ(3.0L)を発表であります(日本での発売は2020年秋以降)。

アメリカ表記における最高出力は、これまでの335hp/5,000-6,500rpmから382hp/5,800-6,500rpmへと約14%も向上。その手法について、日本のニュースリリースでは触れられていないようですが、北米のリリースでは以下のように記されているのでした……。


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イギリスは2035年からエンジン車の新車販売を禁止という報道。そこにあるリアリティ

いまから社会インフラを整備をするとして15年あればゼロエミッションビークル社会に移行できる……のか?
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報道によるとイギリス政府がガソリン車とディーゼル車の新車販売を2035年に禁止することを発表したそうで。以前の発表から5年前倒ししたのに加え、販売禁止の対象にはハイブリッドカーも含めたというのが、今回の発表の肝。プラグインハイブリッドについての言及は不明ですが、基本的にはゼロエミッションビークルだけの新車販売に絞るという話でありましょう。

なぜなら、この流れでプラグインハイブリッドカーを対象に入れたとしても、その運用はEVと同様になると考えられるから。この発表(決定)が揺るがないものだとすると、平均車齢を15年だと仮定しても2050年前後にはガソリンスタンドというビジネスモデルはほぼ不要になるわけで、そんな終わりの見えているビジネスに固執する経営者がいるとは思えないから(一部に趣味で残す人はいるかもしれませんが)。



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頑なに「スーパーチャージャー」とは説明しないマツダSKYACTIV-X

手前に見える縦長のボックスは「高応答エアサプライ」。水冷式インタークーラーは温度調整用
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先日、マツダR&Dセンターで開催された一般向けイベントに子連れで参加。マツダファン向けのイベントですが、我が家としてはイベント参加の主役は子供だったので、キッズ向けのイベントを眺めているのが主な時間の過ごし方だったのですが、それでもいくつかの展示物については興味を持って見てみたり。

写真撮影禁止のポスター展示にあった、視線移動からドライバーの状態を検知するという産学官連携の研究なども興味深いものだったのですが、やはりタイミング的に注目度が高いのは「SKYACTIV-X」エンジンだったでしょうか。非常に撮影しやすい明るい場所で、また背景もきれいなところに置かれていたのは、マツダがアピールしたいという熱量を感じるもの。説明員の方も2名いらっしゃいましたし……。





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鋳造一体成型のタンブル強化隔壁を採用した世界初のエンジン

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パーツ追加ナシでタンブル流を生み出す、すなわちローコストの燃費改善テクノロジー
ホンダがインドで生産している125ccクラスのスクーター「Activa 125」に搭載されているエンジンに世界初の燃焼効率向上技術が投入されたとの発表あり。そのポイントは吸気ポートの設計で、ホンダの説明によれば『吸気ポートに鋳造一体で隔壁を設けて二層構造とし、ポート内の逆流現象を利用することにより、新たな部品を追加することなくタンブル流を生み出す技術を世界で初めて搭載』とのこと。これにより燃費性能が従来比で10%も改善されているというから驚異的な効果があるといえましょう。

一般論でいえば、シリンダー内の縦渦(タンブル流)や横渦(スワール流)を強めることは燃焼速度のスピードアップにつながり、ノッキングを防ぐと同時に、燃焼効率の向上にもつながるわけです。それは四輪エンジンでも同様で、すでにスワール流(横渦)を強めるためのバルブ片閉じ(4バルブヘッドの場合)やタンブルジェネレーターバルブ(TGV)などを追加するといった手法は確立されております。とはいえ、小型スクーターのエンジンでは、コストやサイズなどの問題から搭載しづらいのも事実でありましょう。だからこそ鋳造一体成型バルクヘッドを設けて、壁沿いに吸い込むことで流速を上げるなどして強いタンブル流を生み出すというアイデアに価値アリというわけです。

それにしても隔壁で区切った狭い部分に吸気を逆流させて通すというのは、まるでキャブの理屈を思わせる逆転的発想。おそらく低回転域ではインテークポートをサージタンク的に利用しつつ、高負荷・高回転においてはそのままダイレクトに吸い込むような混合気の流れになっているのしょう。個人的には、インジェクターの位置からしてインテークポート内での燃料濃度がそれなりに異なっているような気がするのですが、そのあたり知見などあれば伺いたいところ。もっとも門外漢である二輪のテクノロジーだけに機会が得られますかどうか……。
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精進します。
  




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