気筒数減・小排気量ターボであれば「ダウンサイジング」とはいえない?
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本田技術研究所のテクニカルレビュー(論文集)に、ホンダが新型シビック(欧州向け)に搭載している1.0リッター3気筒ターボエンジンについての情報が載っておりました。1.8リッターNAエンジン(4気筒)相当のパフォーマンスを狙ったという1.0リッターターボ(3気筒)でありますから、まさしく気筒数も排気量も「ダウンサイジング」したエンジンといえるでしょうか。

さて、ダウンサイジングというと排気量が小さいことが燃費に有利と感覚的に思いがちかもしれませんが、ダウンサイジングターボが燃費性能において有利な理由について、本田技術研究所のテクニカルレビューでは以下のように説明されております。
ダウンサイジングターボエンジンは,同等の出力のNAエンジンに対して排気量が小さいゆえにフリクションが低く,さらに低回転で高負荷の領域を使うことでポンピング損失を低く抑え,燃費を工場できることが特徴である.
(開発の狙いより抜粋)

こうした狙いは、このエンジン固有の話ではなく、ダウンサイジングターボ全般に共通しているでしょうし、さらにいえば「高負荷・低回転」というのは燃費を稼ぐためのエコドライブでもポイントとなる部分。MT車の運転でいえば、できるだけ早めにシフトアップして、アクセルを開け気味で走るほうが燃費を稼ぎやすいという話につながるわけです。そう考えると、ダウンサイジングターボのメリットを引き出すためにはエンジン単体ではなく、トランスミッションを含めたパワートレイン全体のマネージメントの話になるのだなあ、とテクニカルレビューを眺めながら、あらためて思うのでありました。

逆にいうと、たとえ小排気量ターボエンジンでも「高負荷・低回転」を使うことを考慮していないトランスミッションと組み合わせたときには「ダウンサイジングターボ」とは呼びづらいのかもしれないと思ったりもするのですが、さて?

精進します。
  




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