クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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ブレーキ

左足ブレーキについての動画を2本公開しています【YouTube】

賛否両論「左足ブレーキ」、日常的な操作を映像として残してみました



2ペダル車の運転テクニックというほどでもありませんが、やっている人はやっていて、やらない人はやっていない「左足ブレーキ」について2本ほどYouTubeに動画をアップしてみました。カメラが一台で、それもドアポケットに固定したので足元の映像しかありませんが、サーキット走行ではない日常的な走りでの操作を映像にしたのは珍しいかも?

左足ブレーキについては映像内でも話していますが、個人的には四半世紀以上使っているテクニックなので、なんら特別なものではありません。ちなみにMTの場合は右足ブレーキがメインとなりますが、それも自然に切り替えできます。たとえるなら、スクーターに乗るときは左手がリアブレーキ、MTバイクのときはクラッチレバーになるのですが、自然に切り替えて操作できるのと同様といったところでしょうか。




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マスタング・マッハEが採用する『Flexira™』ブレーキキャリパーとは?

クーペSUVかつBEVの「マッハE」を追加したフォード・マスタング。その足元で気になるのがブレンボの薄型キャリパー
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登場時から賛否両論となっているマスタング・マッハE。マスタングのバリエーションでありながら4ドアのSUVフォルムであり、またエンジンを積まない純粋な電気自動車(BEV)であるという2点においてマスタングという名前が持つ価値観を大きく揺さぶる一台であります。フロントグリルを排した顔つきや、フロントフードの下にトランクを設けている点、さらにキャビンでは15.5インチの大型ディスプレイで多くの操作を行なうといったデザインは、間違いなくテスラを意識したもので、ネームバリューという付加価値を持つBEVといったところでしょうか。

そんなマスタング・マッハEのニュースリリースに目を通していて気になったのが次の一文(日本語はGoogle翻訳を通したもの)

In addition to blistering acceleration, Mustang Mach-E will be available with Brembo’s all-new performance Flexira aluminum calipers, which maintain the functionality of a fixed caliper while being designed with the dimensions of a floating caliper. 

Mustang Mach-Eは、加速することに加えて、Bremboのまったく新しいパフォーマンスのFlexiraアルミ製キャリパーで使用できます。これは、固定キャリパーの機能を維持しながら、フローティングキャリパーの寸法で設計されています。 

そして、『Flexira™』ブレーキキャリパーを解説するブレンボのページがこちら。このページを見る限り、主にコンパクトカー向けの対向キャリパーという位置づけのようであります。

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足の力が弱ってきたら「両足ブレーキ」を試してみては?

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基本操作は右足で、左足は停車中のブレーキ補助に
ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いというのは一定数が起きている現象で、年齢を問わずに起きうるミス。大きな事故になってしまうこともあればヒヤリハットのレベルでとどまっていることもあるでしょうが、どんなに運転に自信があっても起きてしまうことはありますし、トランスミッションの違いによって起きる起きないという話でもないミス。たとえばレーシングドライバーが、MTのクルマに乗っていてもペダルの踏み間違えは起きてしまうことがあるのでした。動画では亡き山路選手がペダルを間違えてコースアウトしたと激白しております(インカーの映像ではヒール&トゥをしているので踏み損ねかもしれません)。



それはさておき、ペダル踏み間違えの対策として、ほとんどがATとなっている実情を踏まえて「左足ブレーキ」を勧める声もあるわけです。たしかに出来る人にとっては左足ブレーキはさほど難しいテクニックではありませんし、慣れてしまえば急ブレーキだって踏めるでしょう。ただ、器用さにも個人差があるでしょうから、まったく受け入れられないという人がいてもおかしくはない話。

個人的には、もともとターボのMT車でブーストを維持するための非日常的なテクニックとして身につけた自分ですが、緊急ブレーキは左足で踏むこともありますし、そうしたときにはABSが作動しているので、それなりに十分な踏力を左足ブレーキでも出せるのだとは思いますが、万人に向けて「左足ブレーキで解決できる」とは言えないとも思うわけです。

左足はかかとを浮かせておくと力が入れやすい
ところで、足の力が弱ってくるとAT車で長時間ブレーキを踏んでいたりするとクリープ現象を抑えることができずにじわじわと動いてしまうこともあるでしょうが、そうしたドライバーにおすすめしたいテクニックが「両足ブレーキ」。基本は右足ブレーキで停止までは操作して、クルマが停まったのちに左足をブレーキペダルに乗せることで踏力を上げようというもの。これであれば運転について慣れる必要はありません。単に停止してから左足でアシストするだけの簡単なテクニックであります。

ポイントは左足のかかとは浮かせたイメージでペダルを踏むこと。ブレーキの微調整などは床にかかとをつけておいた方がしやすいのですが、単純に踏力を強めるだけであればかかとを浮かせて膝でペダルを踏むようにしたほうが力を入れやすいはず。それに右と左で明確に力の入れ方を変えておけば混乱も防げるでしょうから。発進時には左足から力を抜くようにすれば、これまた混乱しないと思うのです。

実際、左足でアシストするとペダルがグッと奥に踏み込めるのが実感でき、停止中にブレーキが緩んでしまうということはなくなりそうと実感できるでしょう。日常的に運転が楽になったと感じられるのでは? そして左足でアシストすることが体に染みついてくれば、右足でペダルを踏み間違えたことを認知できないパニック状態でも、もしかすると左足でブレーキをドカンと踏めるかもしれません。踏み間違え事故の絶対的な解ではありませんし、防止する可能性を高めるという程度の効果しか期待できませんが、自分に合うようなら「両足ブレーキ」を試してみては、と思う今日この頃なのでありました。

何年か前にcarview!個人というプラットフォームに似たようなコラムを寄稿した気がするのですが、当該サービスの停止により記事が見れなくなっているようで、ふたたび書いてみた次第であります、ハイ。
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精進します。
  




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ベンチレーテッドディスクのフィン形状にも改良の余地あり!

フィンを分割すれば熱伝達率は上がるが、空気を取り込むポンプ性能は落ちるという
人とくるまのテクノロジー展2018横浜にて。アイシングループのブースで見かけたのが、ベンチレーテッドディスクのカットモデル。もちろん、出展元は同グループにおけるブレーキのスペシャリスト、アドヴィックスであります。
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ベンチレーテッドディスクの内側にあるフィンを分割、見えている部分だけで数えても長い(外側)の方が11個、短い(内側)方が9個となっていて、単純に分割しただけではなく、そこに意味があることは想像できるのですが、果たしてその狙いはというと……、フィン自体の熱交換率と、フィンが空気を取り込むポンプ性能のバランスの最適解を解析したのがこの形状だ! という展示。

フィンの熱交換性能については先端の表面積を増やすほうが有利なので、分割すればするほど放熱性能は上がる。しかし、フィンを分割すると空気を取り込む能力が落ちてしまう。だから、その最適バランスを見つけることが熱交換器としての性能アップにつながる、というお話であります。
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ブレーキディスクの設計というのは、熱交換器としての性能、軽さ、(熱による)変形、もちろんコストなど様々な要求性能を満たす必要があるので、各社独自のノウハウがあって「鉄の円盤」というイメージよりはずっと難しく、またサプライヤーごとに性能差があるという話を聞いたこともありますが、フィン形状ひとつをとっても、こうして相反する性能の最適解を検証しているのでありました。

そして、アフターパーツとして高性能ディスクと呼ばれる商品は多く出ていますが、このあたりまで考慮している製品がどれほどあるのかも気になったりする今日この頃です、ハイ。
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それにしても、人とくるまのテクノロジー展は毎回毎回おもしろい!
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精進します。
  




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ザ・ビートルカブリオレの思い出。低ダストブレーキながら不満なしだった

ドイツ車とは思えないほどホイールが汚れなかった5年間。基本はアメリカ指向の一台だった?
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約5年所有したザ・ビートル カブリオレも、さすがに子供の成長に伴い後席が狭く感じるようになってきてお別れしたわけですが、そのラストドライブとなったターンパイクであらためて感じたのがウェルバランスなブレーキシステム。

とくに制動性能とダスト量のバランスは日本車でもなかなか見ないもの。つまり、ドイツ車とは思えないほどダストの少ないブレーキでありながら、ターンパイクの下りでも気を使う必要のないくらい十分なパフォーマンス(耐フェード性)を持ったブレーキなのでありました。メキシコ産ということからも想像できるように北米市場がメインターゲットのビートルですから、ダストの少ないブレーキシステムというのは、その素性からして求められた性能なのかもしれませんけれど……。

というわけで、ホイールがブレーキダストで真っ黒になったという記憶はついぞなし。とくにコーティングをしたわけではありませんでしたが、最後までホイールはシルバーの輝きを維持していたのは、意外な結末でありました(大袈裟・汗)。

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精進します。
  




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曙のMR流体ブレーキを東京モーターショーで体感 #TMS2017

サスペンションに使われているのと同じMR流体(磁性流体)を用いた「汚れないブレーキシステム」
モーターショーの華といえばエンジニアやデザイナーの夢を叶えたコンセプトカー、ショーモデルといえるでしょうが、パーツメーカー(サプライヤー)のブースで見かけるエンジニアの夢を具体化した部品の数々は、華につながる種といえる存在では?

というわけで、その将来性が気になった新パーツのひとつが、曙ブレーキのブースに飾られていた「MR流体ブレーキ」であります。ドラムブレーキが一回り大きくなったようなブレーキシステムの中には、磁性流体が入れられ、電磁石を作動させることにより、流体が粘るようになり、その抵抗を利用して制動させようというシステムの提案。その体験用展示は、画像にあるようMR流体ブレーキにペダルを付けたというシンプルなもの。実際にペダルを漕ぎながら、電磁石を作動させることで制動を生んでいるのを体感できるほか、電子制御ならではの細かいABSモードなどを足で感じることができるという展示であります。
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密閉されたシステムでありますので、ブレーキダストが出ることはなく、またほとんど消耗することも ないというのが、このブレーキシステムのメリット。つまり、カーシェアリングのようなメンテナンスやクリーニングの手間(コスト)を省きたいという用途にはピッタリのソリューションと感じるわけです。ただし、運動エネルギーを熱エネルギーに変換することで減速させるという部分では従来のメカブレーキと同様で、発熱はあるそうなので、レイアウトの自由度を高めるというわけにはいかなさそう。

ちなみにMR流体といえば、「マグネティックライド」などダンパーの減衰力調整機構にも使われているものですが、このブレーキで使っているMR流体はダンパーで用いられているものと基本的には同じということ。つまり市販車に搭載する際のコストや、耐久性・信頼性などについてはそこそこクリアしているといえそうですが、さて?

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