クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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サスペンション

GMの「マグネティックライドコントロール」が第4世代に進化

減衰力ゼロにも設定できる磁性流体による可変ダンパー。最新版は応答速度を45%向上

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GM(ゼネラルモーターズ)の「マグネティックライドコントロール」といえば、2002年に誕生した”電磁石とショックアブソーバー内の磁性流体を組み合わせたアクティブダンピングシステム”のパイオニア的存在。そんなマグネティックライドコントロールが過去最大のアップデートを受けて第4世代に進化するとの発表あり。





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トヨタ最新モデルのダブルウィッシュボーン・サスペンションを見比べてみる

カローラのリアサスはダブルウィッシュボーン、ヤリスも4WDはリア・ダブルウィッシュボーンを採用!
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トヨタ・ヤリス リアサスペンション(4WD)

トヨタ・ヴィッツあらため「ヤリス」が発売日とメーカー希望小売価格を発表。発売日は2020年2月10日、メーカー希望小売価格は1.5Lグレードで1,543,000円~、ハイブリッドは1,998,000円~となっております。これ、消費税10%込みなので本体価格でいうとずいぶん頑張ったという印象。しかもToyota Safety Sense(先進安全装備)、ディスプレイオーディオ、カーテンシールドエアバッグ、サイドエアバッグなどが標準装備になっているので、実質的には値下げという印象さえあり。

頑張ったといえばメカニズムにこそ使うべき表現かもしれません。エンジン(1.0リッター以外)もプラットフォームも一新でありますので。その新世代プラットフォーム、リアサスペンションは基本的にはトーションビームでありますが、4WDについてはダブルウィッシュボーンになっているのでした。それが上の貼っている画像ですが、セミトレ風味のロアアームと1本のアッパーアームによるダブルウィッシュボーン形式は、せまいスペースにサスペンションとドライブシャフトを収めるための工夫ともいえますが、そうしたパッケージ的な狙いだけと思えないほどパフォーマンスを予感させる気がするのでありました。

ちなみに、ひとつ上のセグメントであるカローラは全車でリアにダブルウィッシュボーンを採用しております。カローラもスペース効率を考慮したものだと思いますが、ヤリスはロアアームを支える角度などに異なる設計思想を感じるわけですが、さて?

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トヨタ・カローラ リアサスペンション


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TEINの純正形状”プレミアム”ショックアブソーバーに昔のモータースポーツを思い出す

日本が誇るスポーツサスペンションブランド「TEIN」の世界戦略は高級リプレイスメント
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先日、試乗したTEIN(テイン)のデモカー試乗記事が公開されております。テインといえば車高調サスペンション!と反射的に答えたくなるわけですが、このデモカーに装着されていたのは純正形状の「EnduraPro(エンデュラプロ)」シリーズ。スプリングも純正という仕様なので、じつは車高は下がっておりません。この商品自体はグローバル向けが基本で、その位置づけは”プレミアム・リプレイスメント”、直訳すると高級補修部品という感じになりますが、純正相当の補修部品に「耐久性」であったり「乗り心地」であったりといった要素をプラスしたショックアブソーバーというわけです。


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【温故】シビックタイプRのデュアルアクシス(2つの軸)サスペンションとは?【知新】

キングピン軸をタイヤの中心に近づけるタイプRの専用サスペンション
先代シビックタイプR(FK2)に引き続き、間もなく登場する新型シビックタイプR(FK8)にもフロントサスペンションにデュアルアクシス・ストラットが採用されております。

デュアルアクシス・ストラットに関するメーカーの説明を抜き出すと『従来のストラット式サスペンションでは一体であったナックルとストラットを分離し、ストラットは路面からの入力、ナックルは転舵をを受け持つ』サスペンションといったもの。
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通常のストラット型ではサスペンションサポート中心とロワーポールジョイントを結ぷ仮想キングビン軸(転舵軸)とホイール中心軸が同一ではなく、FWD車においては転舵軸とホイール中心の距離(スクラブ半径)が離れるほどトルクステアが大きくなるわけですが、ホンダの『デュアルアクシス・ストラット』は、ナックル部分をウィッシュボーンのようなイメージで分離することで、操舵軸をインホイールとして、スクラブ半径を小さくし、トルクステアを軽減するというのが最大のメリット。ホンダが発表している図版が正確ならば、タイヤのトレッド面においては、ほぼ同じ位置にあるほどで、ハイパワーFWDながら、すっきりとしたハンドリングも納得のメカニズムであります。
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そして、デュアルアクシス・ストラットを紹介する図版からスバル1000のセンターピボット式サスペンションを思い出してみたり、はたまたスクラブ半径の小ささからトヨタのスーパーストラットを連想してみたりする今日このごろ。

嗚呼、温故知新(汗)




精進します。
  




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電動は醤油、油圧は塩。そんな印象もあるパワステの違い

今まで乗ってきたクルマのうち、ノンパワステだったのはFF1台、FR2台、MR2台でありますから、ノンパワステの運転経験はそれなりにあると思うわけですが、そんな自分としてはパワステの油圧・電動の議論というのはナンセンスだと思うわけです。要は出来のいいステアリング系があればいい話であって、パワーアシストの有無も、その方式にもこだわる必要はないというのが基本中の基本では?

とはいえ、パワーアシストの有無や方式でフィーリングの違いがあるのも事実で、具体的には油圧アシストと電動アシストによって大まかな特性の違いもあるというのが定説でありましょう。ただ、過去の経験からすると、いずれにしてもアシストをしている段階でノンパワステとは異なるフィーリングとなるのも、また事実。さらにノンパワステではステアリングレシオをタイトにすることは難しく、どうしてもダルなギア比になってしまうのでありました。

もっとも、AZ-1のようにフロント軸重が軽く、タイヤの155幅と細いサイズを前提に、かなりタイトなステアリングギア比を実現していたクルマもあったわけですが…。
で、ここで塩と醤油という調味料を例に挙げたのは、パワステのセッティングが味付けの領域になっていると感じるから。そして、塩は油圧を、醤油は電動をイメージしての表現でありました。具体的には、まんべんなくアシストしている印象を受ける電動に対して、油圧というのはリニアリティの面からもアシストの強弱を感じることがあって、まさに塩をかけたときのようにメリハリがあると感じるから。そこに分かりやすさがあると思うのかもしれませんが、そうであればノンパワステのリニアリティとは違う、油圧パワステのクセみたいなものをダイレクト感と思ってしまっているのではないか、と考えてしまったりするわけです、ハイ。

ちなみに、個人的な経験でのベスト・ステアリングインフォメーションを感じたと記憶しているのは、前述したAZ-1(CARA)。フロント荷重の具合を感じるだけでなく、左右の荷重(摩擦円のサイズ)の違いも敏感に伝えてくるステアリングでありました。そこにはディメンションの影響もあるので一概には言えませんが、インフォメーションが豊富だからといって乗りやすいわけではなく、より恐怖心を刺激するという風にも理解できる面があったのは否めなかったりするクルマでもありました(汗)

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それにしても最近はタイヤからのインフォメーションではなく、車線維持のコーションなどもっと人工的なユーザーインターフェースとしてステアリングが利用されていることもあり、電動パワステでなければ成立しない時代になっているのかもしれません。

一方、小型コミューターはノンパワステがスタンダードとなっていくと予想され、意外にノンパワステを味わう機会は増えそうな気もしますが、さて?

※画像はイメージです(汗)


精進します。
  




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48Vマイルドハイブリッドに最適化? シェフラーの電動スタビはモーター部が太い

モーターによる可変レート・スタビライザーは予想以上に太かった
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人とくるまのテクノロジー展2017横浜、シェフラーのブースで見かけて気になったのが「電動アクティブロールスタビライザー 48V向け」 。48Vの電動可変スタビライザーといえば、アウディSQ7に採用されたというニュースも記憶に新しいところ。シェフラーのそれがアウディに納入されているかは未確認でありますが、48Vの"強い電装系"を前提としたアイデアといえましょうか。
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それにしても、可変レートの肝となるアクチュエータ部(48Vモーターとプラネタリギヤ)が想像以上にボリュームがあったのは意外。スタビライザーというと、シャシーで場所をもらえる優先順位が低く、隙間しか与えられないという印象が強いのですが、この電動可変スタビライザーを使うには、その前提でスペースを確保しておかないと難しそうと感じたのでありました。

その意味では、おもしろい部品ではありますが、普及は難しいと感じたわけですが、さて?

精進します。
   




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