新発表されたJatco CVT-Xのスペックは変速比幅8.2、トルク容量330Nmの中大型ユニット。伝達効率は90%以上とアピール



3年ぶりにリアル開催された「人とくるまのテクノロジー展」を取材してきました、といっても初日の午前中に駆け足で回ったくらいですが、全体としては電動化が当たり前のものとなっているのと、自動運転に向けたセンシング技術がサプライヤーのすそ野まで広がっているのを感じたというのが個人的な印象。

しかしながら、ユニット・部品単体でいうと気になったのは日本のトランスミッションサプライヤー大手のJatco(ジヤトコ)が発表した究極のCVT、その名も「CVT-X」でありましょう。

こちらのコラム記事でも紹介しているように、この新型CVTは『伝達効率90%以上とCVTとしては最高水準といえるレベル』であり、そのためのブレークスルー的アイデアとして『オイルポンプのハイブリッド化』にチャレンジしているのがポイント。

 

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CVTはプーリーでバリエータ(ベルトやチェーン)を挟み込んで変速しています。その仕組みから、プーリー位置を決めるための油圧が必要で、その油圧を確保しているのはクランク出力で駆動するオイルポンプというのが通常の設計。そうなると高圧が必要な高負荷領域においてクランク出力(すなわちエンジンの発する力)を多めに使ってしまうわけで、それが他のトランスミッションと比べたときにCVTは伝達効率が悪いといわれる所以であります。

ジヤトコのCVT-Xは、そのオイルポンプを従来通りの機械式と電動タイプのハイブリッドとすることで、基本的には機械式オイルポンプを使いながら、高負荷時に電動ポンプでアシストすることで、クランク出力を使わずに、必要な圧力を確保できるようしたというわけで、なるほど高効率につながる技術要素として、電動ポンプが最大のポイントになると感じた次第。

またバリエータにチェーンを採用したCVTは、ジヤトコとしては過去にも用意していますが、CVT-Xのバリエータはピッチを短くした新タイプというのも、高効率に貢献しているそうであります、ハイ。

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そのほか、新型フェアレディZに搭載されるマグネシウムケースの軽量コンパクトな9速ステップATを展示したあたりもトランスミッション屋としてのプライドが感じられるところ。

もちろん、電動化トレンドにおいてサプライヤーとしては欠かせない「eアクスル」についても、3軸タイプと同軸タイプのプロトタイプを見せることで、時代に遅れていかないという強い意志も感じさせたわけですが……。

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精進します。
  




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