「ゴーストブレーキ」とは、実際にはない危機をセンサーが検知して、衝突被害軽減ブレーキが誤作動すること



「ゴーストブレーキ」という言葉をご存知でしょうか。先進運転支援システム・先進安全装備の代表的機能であるAEB(衝突被害軽減ブレーキ)が、危険でないところで作動してしまう現象を指す言葉で、まるでゴースト(幽霊)を見つけてAEBが作動してしまうことから名付けられたよう。

そんなゴーストブレーキを、愛車であるスズキ・エブリイバンで発生したのが上に貼った動画。ドライブレコーダーから抜き出したのでわかりづらいかもしれませんが、動画のはじまった直後にゴーストブレーキが作動、急ブレーキで減速しております。

後続車がいなかったので追突事故にはつながりませんでしたが、ドライバーとしてはかなり驚くレベルの強い制動でありました。

はたして、なぜこのようなことが起ってしまうのでしょうか。



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スズキ・エブリイバンのAEBは、デュアルカメラブレーキサポートという名前の通りにステレオカメラによって対象物まで距離を測り、また画像解析によって障害物を判断するというもの。

そうした仕組みを前提にあらためて動画を見てみると、おそらくゴーストブレーキのキーになったのはコーナー外側にある非常に短いガードレールというのが個人的な印象であり予想。

ドライバーにとっては道が右に曲がっていることをわかっていますから、ただのガードレールにしか認識できませんが、瞬間瞬間の画像処理をしているという気分になって動画を見てみると、下に抜き出した瞬間においてガードレールを目前の障害物のようにシステムが認識する可能性は無きにしも非ずという風に思えるのでした。

Suzuki_every_van_Ghost_brake_Moment

実際、急ブレーキはかかりましたがステアリングを右に切っていることもあってすぐに目の前から障害物がなくなっています。AEBが停止まで至らなかったのは、そのせいではないかとも思うわけですが、再現性がないとバグなのか、偶然起きてしまったことなのか、判断できないのも事実。

ゴーストブレーキの解決が難しいのは、そうした再現性の部分にあると思いますが、だからといってゴーストブレーキが起きた地点が公道であり限り、再現テストをするのはあまりにもデンジャラス。後続車がいれば追突事故を招きかねませんから、ゴーストブレーキが起きた地点は避けるの吉だと思うわけです。もっとも日常的に通らざるを得ないルートであれば別の対策を考えないといけませんが……。

余談ですが、先日エブリイバンでオートテストなるJAF公認のモータースポーツに参加した際にはAEB関連の誤作動はありませんでした。ESPを完全オフにできないようで、ステアリングを切りながらアクセル全開にすると出力が絞られてしまうしーんはありましたけれど(汗)

そんなオンボード映像はInstagramなどで公開中です。



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精進します。
  




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