ベルトやプーリーといったCVTのコア部分は横置き用と共通だが構造はかなり違う!

 

自動車月刊誌「CARトップ」の2022年5月号においてフルモデルチェンジした「ハイゼットカーゴ」の試乗レポートを執筆させていただいております。新型ハイゼットカーゴは、プラットフォームを一新してボディもスペース優先のデザインへと変え、2ペダルのトランスミッションとしてCVTを新設計しているのがトピックス。

プラットフォーム一新といっても軽商用車の定番であるFRレイアウトは継承。つまり新型CVTは縦置き用の完全に新しいユニットとなっているのでありました。そんな縦置き用CVTは、同じくエンジン縦置きプラットフォームを採用する軽商用「ハイゼットトラック」にも採用されることになったのでした。

CARトップ誌での記事でも触れているように、その狙いはCAFE規制(企業別燃費規制)をクリアするためで、つまり目に見えるユーザーメリットとしては燃費改善によるランニングコスト抑制が期待できるわけですが、CVTにしたことで商用車に求められる性能がスポイルされているのではナンセンス。はたしてCVTは軽商用に求められる性能を満たしているのかをチェックしてみようというのが試乗の狙いとなったわけです(さすがに耐久性の確認はできませんが……)。


というわけでハイゼットカーゴの試乗レポートについてはCARトップ誌をご覧いただくとして、CVTを積んだハイゼットトラックを参考までに試乗した様子が冒頭に貼った動画。アクセルを踏み込んだときキックダウン的にローギア側に変速するときのレスポンスにも不満はありません。その一方で50km/h以下の速度域でのんびりと加速するようなシチュエーションでは軽トラックとは思えないほどの静粛性を実現しているので疲労感も抑えてくれそう。現役の軽バン・オーナー目線でもダイハツの軽商用向けCVTというのは目立った欠点は見つけられなかったのでした。

2022-03-26

ちなみに、この縦置きCVTの特徴は「CVTベルトを使うのは前進時のみ」という点。後退時についてはプーリー部分をキャンセルしてメカニカルにつながった状態になるというのは、軽商用ではフル積載など高負荷で後退するシチュエーションが多く、プーリーは一方方向のみで使うことによって耐久性を高めるため、というのが狙い。はたして耐久性については年単位でのユーザーレポートを見てみないと判断できないわけですが、設計レベルではかなり気を使っているのは間違いないといえそうです、ハイ。

ちなみに、従来の4速ATを積んだ旧型ハイゼットカーゴ(平成29年式)に試乗したときのインカー動画がこちら。エンジンノイズの違いや加速のリニアリティなど参考にしていただければ幸いです。



そして従来は乗用モデルだったのに、フルモデルチェンジに合わせてあえて商用バンに回帰したアトレーはターボエンジンでADASも充実しているのが特徴。トランスミッションはCVT一択となっております。そちらのファーストインプレッション的な動画では「めちゃめちゃ乗用車ですね」というのが正直な感想でありました。こちらもお楽しみください。



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精進します。
  




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