
画期的だったHC-SCR(軽油によるNOx選択還元反応を用いたディーゼル排気浄化システム)は十分な耐久性がなかった!
日野自動車が、小型・中型・大型エンジンにおいて不正行為があったことを発表しております。くわしい内容はリンク先のニュースリリースにてご確認いただきたいのですが、サマリーを引用すると次の通り。
中型エンジン「A05C(HC-SCR)」は排出ガス性能の劣化耐久試験において、大型エンジン「A09C」および「E13C」は認証試験の燃費測定において、それぞれエンジン性能を偽る不正行為があったことを確認し、エンジン性能に問題があることも判明したため、本日、これら 3 機種とその搭載車両の出荷停止を決定しました。小型エンジン「N04C(尿素 SCR)」についても、不正の有無は判明していないものの燃費性能の問題が判明したことから、これら 4 機種について、国土交通省および経済産業省に報告いたしました。
とくに中型エンジンにおいては、劣化耐久試験において、その肝といえる「HC-SCR」を途中で交換するという行為をしたそうですから、かなり悪質。VW系のディーゼルゲートを超える不正行為という印象さえあるのでした。
このHC-SCRについては、人とくるまのテクノロジー展などでも取材した記憶がありますが、尿素水を使わないNOx触媒として画期的なシステムだっただけに、余計に裏切られた感があってショック大と感じるのは自分だけでありましょうか……。
山本晋也@Ysplanning
日野のディーゼル不正のレポート、いちおう目を通してみましたが、おそらくNOx選択還元触媒を試験途中で新品交換したというのは悪質だなあ
2022/03/04 23:37:50
https://t.co/GyHvh9MDwu
少なくとも、日野の中型エンジンについては排ガス規制をクリアできないということになれば保安基準を満たさないわけですからリコール対象なのは当然で、それも迅速な対応が求められる種類の不正でありましょう。
そのほか大型エンジン、小型エンジンについては燃費に関する不正および準ずる行為が認められたというのが日野の発表内容。こちらは、燃費というユーザー(企業)の懐を直撃する内容ですので、ユーザーに対して賠償をするということになるのでは? もっとも一括賠償というよりは大口顧客限定でひっそりと賠償するのかもしれませんが、さて?
いずれにしても、こうした不正行為をしなければディーゼルエンジンは環境対応できないとなれば、フォルクスワーゲンが電動化に舵を切った(切らざる得なかった)ように、日野のバストラックも一気に水素燃料電池に移行するかもしれません。その前に、自工会として、またトヨタ自動車の責任者として豊田章男氏がなんらかのアクションを起こすべきだとは思いますが、氏のメッセージは月曜日までおあずけでしょうか。
-----------------
精進します。



