ハイブリッドカーに備わるパドルシフト、多くは回生ブレーキの強弱をコントロールするため
ステアリングを握ったまま、指先だけでシフト操作のできる「パドルシフト」は、いまや軽自動車にも備わっているくらい珍しくない装備だ。1980年代後半にフェラーリがF1マシンに採用したことで認知度が高まったこともあり、スポーツ走行に効果的なアイテムといった印象が強い。
しかし、エコカーの代表といえるハイブリッドカーやEVにも、そんなパドルシフトを備えたクルマがある。果たして、どのような役割を担っているのだろうか。

2021年12月にフルモデルチェンジしたプラグインハイブリッドカー「アウトランダーPHEV」にもパドルレバーが備わっている。その役割は回生ブレーキの効き具合をB0~B5までの6段階で調整することだステアリングを握ったまま、指先だけでシフト操作のできる「パドルシフト」は、いまや軽自動車にも備わっているくらい珍しくない装備だ。1980年代後半にフェラーリがF1マシンに採用したことで認知度が高まったこともあり、スポーツ走行に効果的なアイテムといった印象が強い。
しかし、エコカーの代表といえるハイブリッドカーやEVにも、そんなパドルシフトを備えたクルマがある。果たして、どのような役割を担っているのだろうか。

電動車両のパドルは回生ブレーキの強弱をコントロール
三菱アウトランダーPHEVやホンダ・インサイトなどがパドルシフトを備えている。正確には、パドルによってコントロールできるのはシフトチェンジ(変速ギア)ではない。回生ブレーキの強弱を任意に切り替えるセレクターという位置づけだ。そのためパドルセレクター、回生レベルセレクターといった呼び名が与えられている。回生ブレーキというのは減速エネルギーを電気に換えるというもので、ち密な制御をエネルギーの効率的な利用という一挙両得的な電動車両のアドバンテージとなる機能だ。
純粋な電気自動車においても回生ブレーキは有効に活用したい要素だ。パドルの操作により、回生ブレーキをゼロにしてアクセルオフでも惰性で走らせる、下り坂などでは回生ブレーキを最強にしてエネルギーを回収するといった具合にドライバーの意図を反映させやすい。
ただし、回生ブレーキというのはバッテリーが満充電に近づくと、エネルギーの受け皿がなくなってしまい、回生したくてもできない状態になることがある。そのため、回生ブレーキについては最強でもそれほど強くしていないメーカーもあれば、状況によって回生ブレーキの強さが変わってしまう車種もある。
基本的にバッテリーが大きなクルマであれば、それほど気にすることはないが、小さめのバッテリーを積んでいるハイブリッドカーでは回生ブレーキを強くしようとパドルで操作しても、さほど減速しないケースもある。あくまでも回生ブレーキによる速度コントロールは副次的な機能であって、最終的な減速についてはブレーキペダルによって操作するという意識は持っておきたい。
基本的にバッテリーが大きなクルマであれば、それほど気にすることはないが、小さめのバッテリーを積んでいるハイブリッドカーでは回生ブレーキを強くしようとパドルで操作しても、さほど減速しないケースもある。あくまでも回生ブレーキによる速度コントロールは副次的な機能であって、最終的な減速についてはブレーキペダルによって操作するという意識は持っておきたい。
そうはいっても、パドルシフト(パドルセレクター)によって回生ブレーキの強弱を操作するというのはドライビングの幅を広げてくれることに違いはない。電動車両にパドルシフトが付いているのには意味がある。思い通りの走りができるよう、積極的に活用したい。
なお、こちらのブログエントリは過去にWEBメディア向けに執筆した記事を元にしています。寄稿先で記事が削除されていましたので、再掲とばかりに少々修正して拙ブログで紹介させていただきました。ご理解の程、お楽しみください。
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精進します。



