まさに多様な15車種の電気自動車を見せたトヨタ。仕向け地のバランスも感じられるラインナップ

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2021年12月14日、トヨタが開催した「バッテリーEV戦略に関する説明会」で発表された内容を、多くのメディアが興奮気味に伝えています。

これまで電気自動車に消極的という印象もあったトヨタが、いきなり16台もの電気自動車(その多くはコンセプトカー)を並べ、電気自動車時代にも主役の座は譲らないと宣言したのですから、ある意味で変節ぶりにメディアは驚いたという面があるのかもしれません。

 

そうしたインパクトを演出するために、これまで豊田章男社長が「エンジン愛」を語っていたのであれば、なかなかの役者といったところですが、それにしても2030年までに30車種の電気自動車と出すという宣言に加えて、16台がカタチになっているのを見せる(おそらく2年内には市販される)というのは、まさにトヨタの本気といったところでしょうか。

まあ、9月には全固体電池についての発表をするなど、着々と準備が進んでいることは示していましたし、燃料電池車を量産できるということは電気自動車を量産する技術を持っていることは明らかで、トヨタの規模で電池の調達ができる目途が立てば、いつかはこうした発表をするであろうと思っていましたが……。





というわけで、SUBARUと共同開発したSUV「bZ4X」については過去にエントリをあげていますので、それ以外の15台について第一印象的な感想メモを残しておこうと思う次第。少々長くスクロールすることになりますが、お付き合いいただければ幸いです。

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bZ Small Crossover

トヨタの電気自動車サブブランドbZからローンチ予定のコンパクトSUV。説明会での発言によれば125Wh/kmの電費性能を目指しているということですが、バッテリー搭載量を減らして車重を軽くすれば無理なく狙える数値レベル。はたして航続距離と電費のバランスをどうするのか注目です。

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bZ Compact SUV


こちらはかなりモックアップ然としているので具体化には時間がかかりそうな印象もありますが、名前の縛りを別にするとbZ4XのバリエーションとしてのクーペSUVを思わせますが、いかがでしょうか?

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bZ SDN

電気自動車でもセダンは残るというのがトヨタの読み。SUVであれば床下に電池を並べても室内スペースは確保しやすいのですが、セダンボディを成立させるためには電池のパッケージが課題になるわけで、そのあたり専用プラットフォームを用意しているのではないかと予想するところであります。

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bZ Large SUV

これもモックアップぽいのですが、注目は充電リッドらしき形状がフロントフェンダーに確認できること。ひとつ前のSDNではリアフェンダーにリッドがあることからすると、bZシリーズであっても複数のプラットフォームを持っていることになりそう。もしくはプラットフォームの変化代が大きいのかもしれません。

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Lexus Electrified Sport

なんでも700馬力の電気スポーツカーのコンセプトだとか。フロントフードをボンネットピンのようなもので押えているという演出が意味するものはなにでしょうか?

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Lexus RZ

これは、もっとも市販に近いレクサスの電気自動車SUV。スピンドルグリルを電気自動車で表現しているのは、これが最初で最後になるかも?

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Lexus Electrified Sedan

車格的にはレクサスISのカテゴリーをカバーするセダンでしょうか? bZ SDNとプラットフォームを共有する兄弟車と予測しますが、さて?

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Lexus Electrified SUV

かなりロングノーズで大型のSUV、北米および中国市場を意識したものに感じます。

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Mid Box

タウンエース級の商用電気自動車でしょうか。そうなると設計・製造はダイハツかも?

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Micro Box

ナンバープレートが唯一黄色になっていることから軽商用の電気自動車であることは確実。スズキ、ダイハツがこのプラットフォームを利用して日本国内向けにローンチするのかもしれません。


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SPORT EV

駆動輪がどこになるのかはわかりませんが、RWDぽいフォルムの電動スポーツカー。次期型では電動化が確実なマツダ・ロードスターあたりと兄弟関係にあると想像すると夢膨らみます。

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Crossover EV


欧州向けのSUVを示唆するコンセプトカーといった印象を受けますが、どうでしょう?


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Compact Cruiser EV

一目でFJクルーザーの後継的キャラクターと感じるSUV。北米市場向けの商品企画でしょう。

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Pickup EV

こちらも北米向けの商品企画であることは明確。電気自動車のピックアップトラックはフォードやGMも力を入れていますから、北米でのシェアが大きいトヨタとしてはキャッチアップする必要ありというわけです。

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Small SUEV

SUVではなくSUEVという名前になっているのが意味深。欧州向けのエントリークラスSUVであるアイゴクロスのポジションを担うモデルのデザインスタディでしょうか?


以上、15台一気紹介でした。

今回の発表ではレクサスをいち早くEV専業ブランドとしていくといった内容の発表もありましたが、そのあたりのブランド戦略も気になる今日この頃です、エエ。





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精進します。

  




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