アルトのあるべき姿が47万円アルトなら、エアバッグもエアコンもパワステもパワーウインドウもなくてユーザーは納得できるのか?

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自動車関係のニュースサイトでは、その話題でもちきりだったでしょうか。日本のベーシックモデルといえる軽セダンの代表格「スズキ・アルト」がフルモデルチェンジを発表しております。


上級グレードにアルトとして初めてハイブリッドシステムを搭載、FFではWLTCモードで27.7km/Lという燃費性能は正直にいって予想以上の仕上がりで、力の入った開発をしてきたという印象。そのルックスからプラットフォームはキャリーオーバーで、スキンチェンジ的な作りかと思いきや、進化の度合いはかなりのものといえそう。燃費性能のために快適性を犠牲にするなんてこともなく、むしろ静粛性は大きく向上させるという意図も見えるのは、軽セダンに市場が求める最低ラインの性能が高くなっていることの証でしょうか。

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そんな風に着実に進化してきた新型アルトですが、スズキの鈴木俊宏 社長は晴れの舞台である新車発表会において「アルト本来の進化ではない」といった風に捉えることもできる発言をしております。

こうした場でトップが厳しい言葉をかけるのは珍しく、本心では出来が悪いと思っていても「最高の会心作です」といった風にアピールすることが多いのですが、もっと抜本的にアルトらしさを考え抜くべきだと鈴木社長は感じている模様。

実際、メディア向けの質疑応答でも初代アルトを象徴する『47万円』という価格を引き合いに出し、なんども『究極の下駄』という表現を使ってアルトのあるべき姿を示していたのは印象に残ります。 

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それだけ初代アルトのスピリットを大事にすべきということなのでしょうが、あらためて冷静に歴代アルトの売れ行きをみると、3代目がピークという風にもいえます。アルトしてヒットを目指すのであれば、3代目アルトを振り返るべきなのかもしれません。もっとも、時代が違うといってしまえば元も子もない話ですが……。

はたして究極の下駄グルマというのが、内燃機関を極めることなのか、それとも非常にシンプルなEVとして割り切ってコストを下げたクルマなのか、鈴木社長の真意はわかりません。もしかすると、すべての軽自動車がEVになる時代にはアルトのようなベーシックモデルが主役になるというスズキの認識を、今回の発表会では匂わせたということのかもしれませんが、さて?

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精進します。

  




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