水素で発電してBEVを充電するならば、水素を直接燃やすエンジンのほうが効率的という見方もできる?

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2021年、スーパー耐久においてルーキーレーシング(豊田章男氏のプライベートチーム)がトヨタの水素エンジンを載せたカローラを走らせています。サーキットは実験室というのはかつてライバル他社が使っていた表現かもしれませんが、まさに実験室とばかりに参戦毎に性能アップしているのはさすがといったところでしょうか。



当然ですが水素エンジンを動かすには「水素」が必要。そして、今回のチャレンジではオーストラリアで製造した水素を鈴鹿サーキットまで「はこぶ」ことをプロジェクトとして進めているというのがニュース。CO2フリー水素をオーストラリアで製造するというプロジェクトは、2015年から進められているもので、そのキーワードが「褐炭」というのは、以前のエントリでも紹介した通り。





 

簡単にまとめると、オーストラリアにある脆くて可搬性に難のある「褐炭」をガス化して、そこから水素を精製。その際に発生するCO2はCCSなどの手段によってCO2フリー化するというのが水素を生み出すまでの行程。その水素を海上輸送して日本でCO2フリー燃料として活用しようというのが大筋。

そして、上記にリンクを貼ったエントリでも紹介しているように、水素の用途は燃料電池車というわけではなく、まして水素エンジンというのも主役としては想定されておらず、火力発電のエネルギー源として使うというのが経済産業省の基本方針となっているよう。

だとすると、水素で発電してBEV(電気自動車)を走らせるというストーリーになるわけで、だったら直接水素を投入してクルマを走らせたほうが送電ロスを考慮すると効率的という話になるのかもしれません。もっとも、そうした主張をするために水素エンジンの熱効率をかなり高めないといけないという面もあり、トヨタがスーパー耐久で水素エンジンを実験しているのは、そうした主張をするためなのかもしれませんが、さて?

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精進します。

  




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