カローラのリアサスペンションはダブルウィッシュボーン。しかし新発売のカローラクロスはトーションビームを採用する背景とは

トヨタから、カローラ・ファミリーにまったく新しい個性として「クロス」が新登場。先日のエントリーでも振れたように、かなり戦略的な価格設定となっていてSUVムーブメントの中で、カローラというビッグネームが存在感を示すようになること間違いなしという第一印象であります。
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名ばかりのカローラではなく、アーキテクチャ的にもカローラ・ファミリーとしてふさわしいもの。ハイブリッドシステムやプラットフォームも、セダンはハッチバックなどのカローラと共通なのでありました、そう基本的には……。

基本的には、と書いたのはリアサスペンションが異なるから。通常のカローラはダブルウィッシュボーンですが、カローラクロスはトーションビームとなっております。トーションビームだから走りが悪いとはいいませんが、ローコストなメカニズムであることは間違いなく、前述の戦略的な価格設定は開発の初期段階から決まっていて、その実現のためにトーションビームを使うと判断したのでしょう。もちろん、カローラのふさわしい走り味とコストの両立を目指しているのは当然でしょうが。
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そういえば、フォルクスワーゲンがIAAに合わせて発表した、まったく新しい電気自動車「ID.LIFE」もリアサスペンションはトーションビームになっておりました。こちらも戦略的な価格の電気自動車として企画された商品で、なんだかんだ言って手の届きやすい価格設定というのは数を売るメーカー(ブランド)にとって重要なテーマであり、そのためにシンプルな設計で最大のパフォーマンスを得るというアプローチは似てくるのかもしれません。


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もっともトーションビームだから走りが悪いと先入観をもってしまうのも、各社のトーションビーム・サスペンションの仕上がりを考えると、あまりにも短絡的でありますし、トーションビームにすることでラゲッジを広くできるなどパッケージでのメリットもありますから、適材適所といった視点から評価すべきだとは思いますが、さて?


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精進します。

  




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