リアサスペンションのコストを下げられることはFWDのメリット

DB2021AL00911_small  

価格帯が2万~2.5万ユーロになるというフォルクスワーゲンのエントリークラスの電気自動車「ID. LIFE(アイディ. ライフ)」が、ミュンヘンで開催された「IAA MOBILITY 2021」にて世界初公開されております。

フォルクスワーゲンの電気自動車専用プラットフォームMEBに基づくモデルといえば、ID.3、ID.4ともモーターをリアアクスルに配したRWD(後輪駆動)であることが特徴でしたが、ID.LIFEは一転してFWD(前輪駆動)となっております。完全に、これまでの主張を180度変えてしまうようなメカニズムを持つID.LIFEを生み出した背景や狙いとしては何が考えられるのでしょうか。



そのヒントは、ID.LIFEのメカニズムを示すイラストから得ることができます。

DB2021AU00646_small

構造としては非常にシンプルで定番的。フロントにインバーターと駆動モーターほかを集約して、フロア下にはバッテリーパックを搭載、リアサスペンションはトーションビームとなっております。

モーターをリアアクスルに置くRWDでは少なくとも後輪は独立サスペンションにするしかなく、トーションビームを選ぶことができるFWDのほうがローコストに作れるのは自明。エントリークラスの電気自動車としてはFWDを選ぶのは当然の判断なのかもしれません。

さらにいえば、フロントに電動ユニットを集められるというのは製造工程を考えても非常に有利でありますし、高圧配線を短くできるという点でもコスト・重量で有利。また荷室スペースを確保する意味でもFWDというのは理に適ったレイアウト。

四輪独立サスペンションのRWDというのは自動車好きにとっては刺さる要素かもしれませんが、電気自動車を普及させようと覆うと、やはりリアトーションビームのFWDとするという結論になるのかもしれませんが、さて?


-----------------
精進します。

  




人気ブログランキング