1936年に全国自動車競走大會が開催された、アジア初の常設サーキット「多摩川スピードウェイ」に危機が迫る

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多摩川にかけられた、東急東横線が走る鉄道橋。その川崎側の河川敷を上流側に歩くと、ほどなく土手の部分に10段のベンチ的な構造物といくつかの階段が確認できます。

マニアにはおなじみでしょう、これこそが日本最初の常設サーキットである多摩川スピードウェイのグランドスタンドの跡。1936年6月に第一回・全国自動車競走大會が開催されたときの熱気をいまに伝えるモータースポーツ史における最大の遺構であります。コンクリートで作られたスタンドは、ところどころ欠けている箇所もありますが、全体としてはしっかりと形を維持。85年前の丁寧な作業がしのばれるのでありました。

 

現在では、多摩川スピードウェイの遺構としてではなく、市民の憩いの場として認識されているであろうコンクリート製のスタンド跡が、今まさに消滅の危機にあるのだとか。堤防強化工事に伴い、このスタンド跡が取り壊される計画が進んでいるというのです。

工事開始予定は2021年10月ということ。工事前には一般人は入場できないよう制限されるでしょうから。多摩川スピードウェイの遺構を見ておきたいならば、この夏が最後のチャンスになるかもしれません。貴重な史跡としてスタンドや階段の一部だけでも保存してほしいと願うところですが、どうなりますでしょうか……。

というわけで久しぶりに多摩川スピードウェイの跡地を訪れ、記録がてら動画を撮ったりしてみた夏の日でした。ちなみに、下の画像はメインスタンドから最終コーナーを眺めているイメージですが、土煙をあげて改造されたレーシングカーが走る様子が目に浮かんできませんか?

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有志(多摩川スピードウェイの会)によるプレートも設置されておりました。見ての通り、左回りのダートオーバルなのでした。

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貴重な映像が日産自動車の公式チャンネルにてアップロードされておりました。この動画を見てから多摩川スピードウェイの跡地で思いを馳せるというのも悪くない夏休みの過ごし方かもしれません。



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精進します。

  




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