トヨタ主導でカーボンニュートラル燃料「e-fuel」を推進(≒エンジンの延命)、ホンダは2040年までにエンジン関係の発注がゼロになると対照的
トヨタがモータースポーツにおいて水素エンジンへの実証実験を開始するという発表がありました。これ自体は市販車に導入予定のテクノロジーということについては明記していないので、あくまでモータースポーツにおいて内燃機関を守るためのソリューションのひとつという位置づけかもしれませんが、その一方でトヨタ主導の自工会発表において日本社会において2050年カーボンニュートラルを実現するのであればe-fuel(カーボンニュートラル燃料)を使うほうが近道だというアピールもしているのでありました。つまりトヨタ的にはとうぶんエンジンは消えないというのが未来予想。
もっとも、それは日本の自動車メーカーが一枚岩となって推し進める方針というわけではなく、たとえばホンダは2040年までにハイブリッドやプラグインハイブリッドを含むエンジン搭載車を市販ラインナップから消滅させるというロードマップを発表しているのでありました。日本の発電比率(火力の依存度が高い)を考えると、電気自動車の環境性能については疑問があると指摘する声もありますが、ホンダとしては「Tank to wheel」と呼ばれる車両単体での環境性能においてゼロエミッションを実現することが自動車メーカーのやるべきことと考えている模様。well to wheelといわれるエンジン車であれば原油採掘から、電気自動車では発電の部分から計算するトータルでの環境負荷について自動車メーカーは考慮する必要がないという主張ともとれるわけです。
トヨタがモータースポーツにおいて水素エンジンへの実証実験を開始するという発表がありました。これ自体は市販車に導入予定のテクノロジーということについては明記していないので、あくまでモータースポーツにおいて内燃機関を守るためのソリューションのひとつという位置づけかもしれませんが、その一方でトヨタ主導の自工会発表において日本社会において2050年カーボンニュートラルを実現するのであればe-fuel(カーボンニュートラル燃料)を使うほうが近道だというアピールもしているのでありました。つまりトヨタ的にはとうぶんエンジンは消えないというのが未来予想。
もっとも、それは日本の自動車メーカーが一枚岩となって推し進める方針というわけではなく、たとえばホンダは2040年までにハイブリッドやプラグインハイブリッドを含むエンジン搭載車を市販ラインナップから消滅させるというロードマップを発表しているのでありました。日本の発電比率(火力の依存度が高い)を考えると、電気自動車の環境性能については疑問があると指摘する声もありますが、ホンダとしては「Tank to wheel」と呼ばれる車両単体での環境性能においてゼロエミッションを実現することが自動車メーカーのやるべきことと考えている模様。well to wheelといわれるエンジン車であれば原油採掘から、電気自動車では発電の部分から計算するトータルでの環境負荷について自動車メーカーは考慮する必要がないという主張ともとれるわけです。
現実問題として、自動車メーカーとしてはホンダの立ち位置が正しいだろうなというのが個人的な感想。
well to wheelでの環境負荷について、たとえば発電のエネルギーミックスについては電力会社が担う部分であって、現在の比率が未来永劫続くという前提で自動車メーカーが未来像を決めるのは、どうかと思うわけです。日本政府としての2050年カーボンニュートラルという目標の影響は、自動車メーカーだけでなく、電力会社などインフラ企業にも及んでいるわけで、いまの発電比率が変わらないという前提に立つことは未来予測としてはミスリードと感じる次第。
もちろん、自動車メーカーと密接な関係のある石油元売りがe-fuelを販売することで既存のエンジン車の環境性能が急激に上がるのであれば、それはウェルカムなことで否定する必要はないのですが、それにしても実行するのは元売り各社であって、自動車メーカーではないわけです。国家、経済としてのリソース最適化を考えると、お互いの役割分担を明確にして、自動車メーカーはTank to wheelの領域でベストを尽くすのがよいのでは、とも思うわけです。もっとも、豊田章男氏が経団連会長になって、日本経済の方向性を示すというのであれば、自工会記者会見での主張もスッと納得できるところではありますが……。
ところで、トヨタとその仲間たちがe-fuelに賭けるとして、そのメリットは既存のエンジン製造に関するノウハウと強みとサプライヤーが守られることにありますが、それはサプライヤーにとって単なる延命でしかないとも思うのでした。ダラダラとエンジン部品を作りつつ、少しずつ発注が減っていくというゆでガエル状態になるくらいならば、ホンダのように明確に期限を区切ってくれたほうが業態を変化させる目標を設定しやすく、変化へのモチベーションも高まるのではと思ったりするのですが、さて?
-----------------
精進します。


well to wheelでの環境負荷について、たとえば発電のエネルギーミックスについては電力会社が担う部分であって、現在の比率が未来永劫続くという前提で自動車メーカーが未来像を決めるのは、どうかと思うわけです。日本政府としての2050年カーボンニュートラルという目標の影響は、自動車メーカーだけでなく、電力会社などインフラ企業にも及んでいるわけで、いまの発電比率が変わらないという前提に立つことは未来予測としてはミスリードと感じる次第。
もちろん、自動車メーカーと密接な関係のある石油元売りがe-fuelを販売することで既存のエンジン車の環境性能が急激に上がるのであれば、それはウェルカムなことで否定する必要はないのですが、それにしても実行するのは元売り各社であって、自動車メーカーではないわけです。国家、経済としてのリソース最適化を考えると、お互いの役割分担を明確にして、自動車メーカーはTank to wheelの領域でベストを尽くすのがよいのでは、とも思うわけです。もっとも、豊田章男氏が経団連会長になって、日本経済の方向性を示すというのであれば、自工会記者会見での主張もスッと納得できるところではありますが……。
ところで、トヨタとその仲間たちがe-fuelに賭けるとして、そのメリットは既存のエンジン製造に関するノウハウと強みとサプライヤーが守られることにありますが、それはサプライヤーにとって単なる延命でしかないとも思うのでした。ダラダラとエンジン部品を作りつつ、少しずつ発注が減っていくというゆでガエル状態になるくらいならば、ホンダのように明確に期限を区切ってくれたほうが業態を変化させる目標を設定しやすく、変化へのモチベーションも高まるのではと思ったりするのですが、さて?
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精進します。










