ヤマハ発動機の電動モーターユニット試作開発受託業務においてハイパーEVに対応するユニットも対応開始との発表アリ

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いろいろあって四輪事業への進出を断念したヤマハ発動機ですが、R&Dの受託部門は相変わらず四輪への知見や経験をためているようで、2021年人とくるまのテクノロジー展において、350kWクラスをはじめとする電動モーター試作品を展示するとの発表がありました。



2020年より四輪車をはじめとするモビリティ向け電動モーター(35~200kW)の試作開発を受託していますが、新たにハイパーEVなど高出力帯モビリティへの搭載を想定した最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニットを開発しました。
今回開発した電動モーターの主な特長は、ギア、インバーターを一体化したコンパクトな機電一体型の電動モーターユニットで、車両へ複数ユニット搭載する用途を想定しています。

ポイントは最大350kWという高出力なだけでなく、車両に複数のモーターを搭載する前提で開発されているユニットであるということでしょう。とはいえ、リリースの中にある活用イメージを見た感じではインホイールユニットではなく、ドライブシャフトを使ってホイールハブとつなぐデザインとなっている模様。その理由はいくつか考えられます……。





一般論としてインホイールモーターのウィークポイントは以下の2点。
  • 冷却性を確保する難しさ(空冷であれば問題になりませんが、高出力化は難しい)
  • バネ下重量が重くなってしまうことでのシャシー性能へのネガ
こうした課題をクリアすることを考えつつ、組み合わせの自由度を上げようとすると各輪独立としつつ、ドライブシャフトでつなぐタイプにしたほうがレイアウトの面からもアドバンテージがあるとされているからでありましょう。そのためにモーターに減速機が内蔵されているのもポイントといえそう。

気になるのは、左右独立モーターではなく、このモーターユニットにデファレンシャルを内蔵させて左右輪を駆動するような使い方ができるのかどうかという点。とはいえ、ヤマハ発動機の展示テーマは「開発受託」のアピールでありますから、そのあたりはクライアントの希望によっていかようにでも対応しますといったところだと思うのですが、さて?

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精進します。

  




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