2030年の日本全体での水素需要は30万トン、中部エリアでは11万トンの需要があると予想される

クルマの電動化の時代。トヨタ自動車は全方位的に電動車両にリソースを割きつつ、なかでも燃料電池車に注力している印象もあるわけですが、そんなトヨタが会員の一社である「中部圏水素利用協議会」において、『中部圏における2030年に向けた水素大規模利用の可能性検討結果と今後の取り組み』という検討結果が出たということで、レポートが公表されておりました。
2030年というのは、経済産業省が目指す水素社会において、水素の大規模商用利用の開始年として位置付けられている年で、国内での需要は年間30万トンと想定しているというのが前提条件。その中で、中部圏において11万トンの需要が見込まれるというのが、このレポートの大筋であります。
経済産業省の想定している水素というのは「低コスト」かつ「カーボンニュートラル」であることが重要な条件。そして、その低コストな水素は安価な再生可能エネルギー発電によるものと、海外からの輸入を想定しているのでありました。
では、どのようにして水素を輸入するのかといえば……。
川崎重工業が2016年に発表したプレゼンテーション海外連携による水素エネルギーサプライチェーンの実現に向けた取り組み(リンク先はpdf)によれば、CO2フリー水素をオーストラリアから輸入するというのが基本ストーリーとなっている模様。より具体的にいえば、褐炭という輸送困難な水分量の多い若い石炭を使い発電、CCS(CO2回収・貯留)を併用することでCO2フリー水素を生み出して、それを体積比で気体の1/800となる液化して日本に運ぶというもの。液化水素であれば純度の問題もなく、蒸発させるだけで燃料電池車(純度99.97%以上の水素が必要)に供給可能というのもメリットなのだとか。
ちなみに、中部圏水素利用協議会の試算によると、2030年段階で燃料電池車が利用する水素は年間2万トン程度を想定しているそう。もろもろのロスを無視して、そのすべてを燃料電池車が利用すると仮定すると、2万トンというのは新型MIRAIを400万回ほど満充填できる規模。
MIRAIの水素タンクま満タン5kgですから、1回の満充填で500~600kmを走るとして、年間走行距離1万kmの燃料電池車20万台を運用できる規模といったイメージでしょうか。実際には、燃料電池車の主流はバス・トラックとなるでしょうから、燃料電池乗用車20万台とはまったく異なるモビリティを想定しているのでしょう、おそらく。
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精進します。



クルマの電動化の時代。トヨタ自動車は全方位的に電動車両にリソースを割きつつ、なかでも燃料電池車に注力している印象もあるわけですが、そんなトヨタが会員の一社である「中部圏水素利用協議会」において、『中部圏における2030年に向けた水素大規模利用の可能性検討結果と今後の取り組み』という検討結果が出たということで、レポートが公表されておりました。
2030年というのは、経済産業省が目指す水素社会において、水素の大規模商用利用の開始年として位置付けられている年で、国内での需要は年間30万トンと想定しているというのが前提条件。その中で、中部圏において11万トンの需要が見込まれるというのが、このレポートの大筋であります。
経済産業省の想定している水素というのは「低コスト」かつ「カーボンニュートラル」であることが重要な条件。そして、その低コストな水素は安価な再生可能エネルギー発電によるものと、海外からの輸入を想定しているのでありました。
では、どのようにして水素を輸入するのかといえば……。
川崎重工業が2016年に発表したプレゼンテーション海外連携による水素エネルギーサプライチェーンの実現に向けた取り組み(リンク先はpdf)によれば、CO2フリー水素をオーストラリアから輸入するというのが基本ストーリーとなっている模様。より具体的にいえば、褐炭という輸送困難な水分量の多い若い石炭を使い発電、CCS(CO2回収・貯留)を併用することでCO2フリー水素を生み出して、それを体積比で気体の1/800となる液化して日本に運ぶというもの。液化水素であれば純度の問題もなく、蒸発させるだけで燃料電池車(純度99.97%以上の水素が必要)に供給可能というのもメリットなのだとか。
山本晋也@Ysplanning
発電と石油精製・石油化学で全体の約80%の需要。水素ステーション、自家発電などの燃料電池用高純度水素(99.97%以上)の需要は20%弱
2021/02/21 16:24:58
ちなみに、中部圏水素利用協議会の試算によると、2030年段階で燃料電池車が利用する水素は年間2万トン程度を想定しているそう。もろもろのロスを無視して、そのすべてを燃料電池車が利用すると仮定すると、2万トンというのは新型MIRAIを400万回ほど満充填できる規模。
MIRAIの水素タンクま満タン5kgですから、1回の満充填で500~600kmを走るとして、年間走行距離1万kmの燃料電池車20万台を運用できる規模といったイメージでしょうか。実際には、燃料電池車の主流はバス・トラックとなるでしょうから、燃料電池乗用車20万台とはまったく異なるモビリティを想定しているのでしょう、おそらく。
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