同じトーションビーム式リアサスペンションといっても完全に別物。そこまでICEとBEVで最適化するPeugeotの凄さに感心!



このところ自動車コラムニストとしてWEBメディアにコラムを書く機会のほうが多く、世の趨勢もあってもともと活動のメインだった紙媒体での執筆機会は減り気味だったのですが、2020年12月は久し振りに月間で5冊の紙媒体に寄稿したのですが、そのうちの一冊が『プジョー2008のすべて』。



プジョーから登場したBセグメントSUVのメカニズム解説を担当させていただいたのですが、こうしたご時世もあってプジョー本国への取材はままならず、ほぼ実車を見ながらの考察・分析といった内容になったのでした。

Bセグメントの208、そして基本メカニズムを共有しているSUV 2008の特徴として、1.2リッターターボのICE(内燃機関)仕様と、50kWhものバッテリーを搭載するBEV(電気自動車)仕様を可能な限り同じ感覚で使えるように仕上げている点があります。基本的なラゲッジスペースも同等ですし、車両価格とランニングコストをあわせたユーザー負担も同等にしているとプジョーでは主張していますが、たしかに使い勝手は同等レベルであると実感したのでした。

ならばメカニズムもほぼ同じなのかといえば、さにあらず。

意外にもサスペンションはまったくといっていいほど異なる設計となっていたのを実車で確認したときには本当に驚かされました。



詳細については、できれば誌面でご確認いただきたいのですが、フロントサスペンションはサブフレームからして別物でしたし、リアサスペンションは同じトーションビーム式ながら、トーションビーム自体の形状は完全に異なるもので、バッテリーの搭載性と車重の違いに対応した設計となっている模様。

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上に並べた画像はオレンジ色のボディがICE車で、ブルーのボディがBEV。車軸に対して左右をつなぐビーム部分の位置関係がまったく異なっているのが確認できるはず。実測でおよそ15cmほど異なっているのですが、ICE車ではマフラーサイレンサーを避けて前方にビームを配置、逆にBEVでは床下に積んだバッテリーをよけるためにビームが後方に置かれているといった印象もあり。さらにBEVのリアサスペンションにはパナールロッド(ラテラルロッド)も備わるほどで、これほどトーションビームの形状が異なるということは乗り味にもそれなり以上の影響があるはず。残念ながら、メカニズム解説のために車両は詳細に見させていただいたのですが、試乗の機会は得ることができなかったので、実際に走り味がどのように違うのかは不明なのですが……。

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精進します。

  




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